東京葛飾柴又の老舗料亭「川甚」が231年の歴史に幕を閉じるという。コロナの感染拡大で売り上げが減り、「いくらシミュレーションしても明るい兆しが見えない」ことが暖簾を下ろす理由のようだ。創業は江戸時代寛政期の1790年、幾多の混乱期をくぐり抜けてきたはずだが、コロナは暖簾を守ろうとする心を蝕んでしまったのだろうか。8代目は東京新聞にこう答える。
先代からのバトンをつなげなかったのは残念だが、私の代で終わり。コロナに恨みはないし、決断に後悔もない (出所:東京新聞)
街の風景
東京銀座最大の商業施設GINZA SIXで1月17日、飲食店、アパレルショップ、コスメブランドなどのテナント14店舗が閉店したという。ITmediaビジネスオンラインはTwiiterでのいくつかの反応を紹介する。
GINZA SIXの大量閉店にガラ空きになったヒルズのけやき坂サイド。渋谷も表参道も虫食いのように空きテナントが増えている。東京が静かで目に見えない爆撃を受けて壊れゆくかのようだ。そして多分これすらも始まりに過ぎなくて、状況は時間が経つに連れて悪化していく。
— 高橋ミレイ(Mirei Takahashi) (@mikeneko301) 2021年1月19日
ITmediaビジネスオンラインによれば、GINZA SIXは2017年に松坂屋銀座店の跡地で開業し、オープン当初は241店舗が入居していたという。
スーツ離れ、「洋服の青山」を展開する青山商事が2024年3月末までに約400店舗の売り場面積を縮小する方針だと共同通信が伝える。在宅勤務の影響だろうか。
テレワークを前提とした多様な働き方が広がっていると日本経済新聞はいう。休暇先で業務を行うワーケーションを導入する企業が増え、在宅専門のエンジニア採用を始める会社も登場しているという。富士通は国内グループ従業員約8万人の勤務形態をテレワークを基本とし実施率約80%を継続、昨年10月には総務省の「テレワーク先駆者百選」の最高賞「総務大臣賞」を受賞したという。
働き方の変化も街の風景を変えていくことにつながっているのだろうか。
異常行動
立ち泳ぎをしながら口に餌となる魚が入ってくるのを待つカツオクジラがSNSで話題だという。単なる衝撃映像ではなく、タイ湾の深刻な海洋汚染がこうした異常行動を引き起こしているとのことのようだ。
『クジラが立ち泳ぎをする』という異常な行動は、海洋汚染がタイランド湾を低酸素環境にしたために起こったと考えられています。
陸地からの下水の流出は、水面以外の水中の酸素をすべて使い果たしてしまった。つまり、クジラの餌となる魚はこの表層にしか生息できないのです (出所:ハフポスト)
環境破壊という悲しい現実がある一方で、それに適合して生きようとするクジラ。ダーウィンの自然淘汰説ではないけれど、環境に適合した種だけが生き延びるということなのだろうか。
傍観者たち
Yahoo! Japanが2023年度中に使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替えると、Zホールディングが発表したという。
MorningStarによれば、ZホールディングスESG推進室室長の西田修一氏がオンライン会見で、「国内のグリーン電力の供給拡大を待っていられないほど、気候変動の影響は差し迫っている」と危機感をにじませたという。
IT業界は有害ガス等を排出するような業態ではないため、以前から環境保全に努めていた製造業などと比べると、環境保全への対応が遅れているのではないかと感じている。しかし、サービスを安定化し、より多くの方に利用していただこうとするとデータセンター内のサーバーに大きな負荷がかかり大量の電力を消費することになる。今後、事業を拡大するほどに使用電力量は増大する。 (出所:モーニングスター)
グループ全体で国の目標である2050年カーボンニュートラルを大幅に前倒してカーボンニュートラル化を果たしたいとの決意も述べたとMoringStarは伝える。
コスト増を理由にして傍観していた業界も、地球環境を考えはじめたのだろうか。いつまでも傍観者のままではいられないと気づいたのだろうか。
米の大手テックはいち早くデータセンターの脱炭素化にチャレンジしていたのに。
春の息吹
小田原市郊外の曽比(そび)地区のあぜ道で1月中旬から、春の七草の一つ「セリ」を摘む姿が見られるようになったと、小田原箱根経済新聞が伝える。
独特の香りと歯触りが特徴なのがセリ。日本原産だという。
小田原市郊外では無農薬の田んぼも増え、そのあぜ道には天然のセリが寒さに耐え自生しているという。2月から4月にかけて「セリ摘み」を楽しめるそうだ。
田んぼだけでなく地域全体を見ると、植物や生き物が多く確認できるようになった。
季節によって、イチジク、桑の実(マルベリー)、つくし、マコモダケ。生き物ではカエルなども確認できる。 (出所:小田原箱根経済新聞)
「セリ摘みをしながら田んぼの自然も楽しめた。セリかどうかを確認しながら摘んだ。あぜを流れる水も冷たかったが、とてもきれいだった」と話すセリ摘みを楽しむ人の声を小田原箱根経済新聞が紹介する。
自然環境が回復できれば楽しみも増えるということなのだろう。子どものころ、父に連れられセリ摘みによく行ったことを思い出す。
今頃の季節だったのだろうか。
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