Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

再エネ加速 メガソーラーばかりじゃない、太陽光発電の活用法

 

 コロナ渦で社会的に「より良いことをしよう」との流れが生まれているのだろうか。エネルギーに関していえば、再生可能エネルギーやCO2フリー電力に関する報道が増えている。

 

 

 

福島 相次ぐメガソーラーの建設 発電能力国内首位へ

 福島県内のメガソーラーの発電能力が茨城県を抜き四半期末で初めて国内首位になったと、日本経済新聞が報じる。東日本大震災からの復興を目指して県と国が再生可能エネルギー発電所の誘致に力を入れてきた効果の表れだという。福島県浜通り地区に開設した再生エネ専用の送電線2ルート沿いにメガソーラーを建設する県外の企業が相次いでいるそうだ。

 

r.nikkei.com

 

 日本経済新聞の記事に紹介されたメガソーラーの写真を見ると、ゴルフ場跡地にメガソーラーが建設されたようにも見える。原発事故後、ゴルフ場が閉鎖になり、メガソーラーに転用されるケースが多くあると聞く。ソフトバンクグループのSBエナジーが10月2日に運転を始めたメガソーラー「クイーンズ太陽光発電所」の写真を見てもそのように見える。

 バブル期にゴルフ場が乱開発され、経営に行き詰まるケースも多いと聞く。破綻したゴルフ場が放置され、荒廃地になるのであれば、転用し、周辺環境を維持管理できればいいことなのかもしれない。

 

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(写真出所:インベナジー・ジャパン ニュースリリース「クイーンズ太陽光発電所の運転開始について」

 

 

 

ソーラーシェアリングで耕作放棄地を有効活用

 神奈川県小田原市桑原の休耕地だった水田の上に太陽光発電パネルを設置したソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)で3日、米の刈り取りが行われたと神奈川新聞が伝える。水田でのソーラーシェアリングは県内初という。

 この施設は「小田原かなごてファーム」が運営、12アールほどの休耕田に約200枚のパネルが設置されている。設置から3年、今回、初めての収穫になったそうだ。収穫された240キロのお米は、隣町大井町の井上酒造でお酒として販売される予定だという。

 

www.kanaloco.jp

 

 規模こそ大きくはないが、こうした休耕地や耕作放棄地を利用した太陽光発電に魅力はないだろうか。荒廃する土地が手入れされ、元あった環境が回復され、再エネも発電することでさらなる土地の有効活用にもつながっていく。

 耕作放棄地は、平成27年には42.3万haにも達しているという。

 一方、営農型太陽光発電所 ソーラーシェアリングには、制度を含め、まだまだ色々課題があるという。そんな中、山形県のスタートアップが「次世代農業用ソーラーハウス」の事業を展開するという。耕作放棄地問題の解消と安定した農業を目指すという。

  

ctws.jp

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 太陽光発電は他の発電方法に比べれば参入しやすいのかもしれない。それが無秩序な太陽光発電の乱立にしながり時として自然破壊などを起こしたりもしている。

 

 

 

注目されるべきは電力需要を減らすこと

 このコロナ渦で家庭菜園を始めた人が増えたと聞く。また、働き方改革でワーケションを取り入れる企業も出始めているようだ。その延長で、耕作放棄地などの活用が進み、そこでまた太陽光発電を行ない、少し違ったソーラーシェアリングの動きが生まれてもいいのかもしれない。そんな動きを支援する政策があれば、参加する人は増えないだろうか。規模こそ小さいが、そうした再エネを利用した分散化電源が増えれば、その地域の活性化やレジリエンスも向上にも繋がっていきそうだ。

 

 一方、目を転じてみれば、多くの大企業が再エネ事業を強化している。東京ガスは国内のバイオマス発電所2カ所を取得するという。30年までに再エネの電源取扱量を500万キロワットにするという経営ビジョン「コンパス2030」の方針に従い、今後も拡充していくという。

 こうした再エネ発電拡大の報道は多いが、電力需要自体を減じさせていく動きがもっと必要ではなかろうか。積水ハウスなどが進めるZEH (=ゼロエミッションハウス)や、野村不動産が進めるZEH-M(マンション)、ゼネコンが進めるゼロエミッションビルディングなどで、建物の断念性能が飛躍的に向上、エアコンに頼らずとも快適に暮らすことができれば、電力需要を減らすことにつながっていくという。

 こうしたことが、頻発するようになった気候変動による異常気象への適応となり、レジリエンスにもつながりそうだ。

 コロナ渦や気候変動という災禍が生活をよりよくしてくれる機会にもなりそう気がする。

 

 

「参考文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

www.nikkei.com

 

www.sekisuiheim.com