Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

再エネで変わる風景、低価格化のメリットもある太陽光の「自家消費」に乗り遅れるな

 

 青森県風力発電の2020年度の実績で、前年度首位の北海道を上回り、4年ぶりに全国トップへ返り咲いたという。発電量は14億4905万キロワット時に到達しているそうだ。

空をふさぐ巨大風車 青森県陸奥湾沿い 風景、次第に変容|エネルギー,経済・産業・雇用|青森ニュース|Web東奥

 Web東奥によれば、下北半島陸奥湾沿いの国道279号の野辺地町と六ケ所村、横浜町との境付近に巨大な風車の風力発電施設が多数立っているという。

 「県内各地で、陸上だけでなく洋上風力発電の取り組みも進む中、巨大な風車が見慣れた風景を少しずつ変えていく」という。

 青森県三沢空港から六ヶ所村横浜町を経由してむつ市まで。出張のたびに通った道だ。六ヶ所村に入ると、新しい道が整備がされ、また真新しい公共施設が目に入る。しばらく行くと当時はまだ建設中だった再処理施設の脇を抜けて、陸奥湾に近づていく。かつての青森は原発というイメージがあったが、時代が変わっているのかもしれない。 

 

 

 東北にある工場で電力の脱炭素化を加速していると、河北新報が伝える。

 非化石証書を利用して再生可能エネルギーを導入するケースやオンサイトPPAで導入するケースがあるという。

東北の工場電力「脱炭素」へ加速 再エネ100%と契約 屋根に太陽光パネル | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

  河北新報によると、日本卸電力取引所の20年度の非化石証書の取引量は200億キロワット時で、初年度の18年度の500倍に増加しているそうだ。「顧客のニーズが増え、市場も拡大している」と東北電も注目しているという。

  太陽光パネルをPPAで導入するセイコーインスツル仙台事業所は、「高騰が続く電気料金を一定程度、抑えられる」と期待しているそうだ。

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 トヨタ自動車の東日本岩手工場では、屋工場の屋根に出力2000キロワットの太陽光パネルを自社で設置し、CO2の排出量を年間800トン減らいているという。また、副次効果で、太陽光パネルが日光を反射して夏場の室内の体感温度を0.6℃下げる効果もあるそうだ。トヨタはグループ目標達成に向け、順次設置パネルの枚数を増やしていくという。

 

 

 企業の工場内の敷地や屋根を利用した太陽光パネルの設置が進めるのが効率的なのだろう。

  国内大手のデニム生地メーカー「カイハラ産業」も2021年6月、自社工場の屋根に太陽光パネル約6千枚を設置し、オンサイトPPAでの自家消費を始めたという。これによって、工場の電気の約12%をまかない、不足分や夜間は地元中国電力から購入しているそうだ。

「太陽光で電気代安くなった」 創業129年デニムメーカーは驚いた:朝日新聞デジタル

 導入の決め手は「安さ」と、朝日新聞がその内容を紹介する。

無料でパネルを設置でき、電気代も安くなった

 これまでも再生可能エネルギーの導入を検討してきた同社は、電力会社のプラン利用では電気料金が2倍近くになり、なかなか踏み出せなかったそうだ。

 朝日新聞によれば、カイハラ産業が選んだのは、オリックスの「コーポレートPPA」。太陽光パネルオリックスが設置するため、初期費用はゼロであることに加え、その電気代は電力会社より25%ほど安いそうだ。契約期間が終われば、太陽光パネルなどの設備を譲り受けることもできるという。

 

 

 オンサイト型は工場の屋根など敷地内に太陽光パネルを設置するため、オフサイトPPAと異なり、離れた発電所から電気を送る必要がなく、送電線の使用料(託送料金)などがかからないメリットがあるという。

 企業、店舗、自治体などにおいては、まずは太陽光発電による「自家消費」を進めてもらいたいものだ。100%が叶わくとも最大限利用し、電力会社からの電力購入の最小化に努めてもらいたい。そうすることで、無用な乱開発の抑制にもつながるのだろう。

 今後パネルの軽薄短小化が進み、設置場所の制約がなくなれば、100%自家消費も夢でなくなるかもしれない。