Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

行き詰まる会社、勢いを取り戻す会社、改革しない会社、する会社

 コロナ禍で大打撃を受けた企業の中から立ち直る企業とそうでない企業があるようです。

紳士服や婦人服、雑貨等の企画・販売するユナイテッドアローズもコロナ渦で赤字に転落、一部店舗を閉鎖するなどの構造改革に着手し、その甲斐あって、22年3月期には黒字転換したといいます。

ユナイテッドアローズの構造改革を後押しした人づくりと創業者のメモ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

  構造改革は店舗だけでなく、事業本部制だった組織を機能本部制へと再編したそうです。事業を超えて横串しを通すことで各機能の専門性を高め、同時に重複する業務の合理化を推進することが理由だったといいます。

 

 

 また、組織再編には人材を確保する狙いもあったそうです。キャリアアップが見えづらく、退社するスタッフも目立ち始めていたので、それを変えるために改革したといいます。

社員がいちばん大事なので。株式会社は株主が大切であることは認識しています。でも活動の源泉は社員、競争力はそれしかない。(出所:Forbes)

あの富士通構造改革

 しかし、会社規模が大きくなれば、構造改革も一筋縄でうまくいかず、期待以上の成果がでるまでには長い時間を要することもあるのでしょう。

 マイナンバーカードを使いコンビニで証明書を交付するシステムを開発した富士通も4年前から構造改革を進めているといいます。この改革に対し株式市場では好評価を得ているようですが、現場はかならずしもそうではないようです。

今の富士通ってどう? 現社員や元幹部に聞く | 日経クロステック(xTECH)

2019年に時田体制となってから、社内の雰囲気が変わったのは間違いない。オフィスもリニューアルし、服装もカジュアルになった。在宅勤務も多用できるようになって、働きやすくなったと感じる社員は多いと思う。(出所:日経クロステック)

 改革を評価する現役社員がいる一方で、経営層と現場に乖離、新中期計画の達成に向けた課題を遺している可能性があると記事はいいます。

 改革途上でトラブルが発生し、さらに問題が再発するようであれば、まだ改革に不備があるのでしょう。カタチを整えても、ココロに変化がなければ、改革が成就したとはまだ言えないのかもしれません。

 

 

トンネルから抜け出たしまむら 3年間の構造改革

 衣料品のしまむらも同様に構造改革を実施し、成果をあげているようです。

しまむら「どん底」から3年で復活遂げた3つの秘策 79歳「中興の祖」が再登板、商品改革にも大ナタ | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン

 停滞が続き、さらにそこにコロナ渦が襲い、しまむらは営業利益を半減させる事態になったといいます。そんなどん底の時、社長が交代し、構造改革が始まったそうです。

しまむらでは提携工場と専用の生産ライン契約を、メーカーとは「特定時期までに使い切る」という生地契約を結んでいる。在庫リスクをしまむらが負う代わりに、必要な商品の最短40日生産を可能にした。鈴木社長は「価格優位性を保つには、小売りがリスクを取ることが重要」と語る。(出所:東洋経済オンライン)

 様々な施策を実行し、3期連続の最高純益更新を計画できるようにまでなったといいます。「現状維持の発想では衰退する一方」と鈴木社長は語っているといいます。しまむらは過去の成功体験を捨てることで、3年間の停滞のトンネルを抜け、2030年に向けて、さらなる改革が進みそうだと記事は指摘します。

 ビッグモータの保険金不正請求の問題が世間を騒がせています。もしビッグモータも手間を厭わず構造改革できていたのなら、不正に手を染めることもなかったのかもしれません。

【独自】ビッグモーター、実は大幅減益 単月利益が昨年9月44億→今年4月は7億円台に - AUTOCAR JAPAN

 何もご破算のような状態を作り出すこともないように思います。行き詰まるということは、時代に合わなくなっていることに固執しているからなのでしょう。環境の変化に合わせて会社を日々アップデートし、改善できていれば、行き詰まることも、無理な改革を断行する必要もないはずなのだから。

 

「参考文書」

なぜ「ビッグモーター」で不正が見つかったのか セブン、レオパレス、大東建託の共通点:スピン経済の歩き方(1/6 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン