4月を迎え、企業は新体制に移行し、今週には学校の新学期も始まる。
先週見た伊藤忠商事の入社式が気になっていた。本社正面玄関に、約300本の満開の吉野桜を飾り、レッドカーペットを敷き、出社した新人を岡藤会長と石井社長が拍手で出迎えたという。さらに、世界中の伊藤忠の社員をライブ中継で繋いで、大型スクリーン越しに新入社員を出迎えたそうだ。
海外12拠点とつなぎ、万雷の拍手で新人を歓迎する駐在員らを映し出した。
中東の正装をまとったドバイ在勤の社員や、シンガポールの観光名所マーライオン像に出向いた現地社員、フィリピンの農園でパイナップルを手にする社員ら約90人が登場した。
男性新入社員は「大きなセットで驚いた。世界中で社員が活躍していることを理解できた」。 (出所:朝日新聞)
新入社員のために、ここまで大がかりな出迎えをするということはできそうで出来ないことではなかろうか。
朝日新聞によれば、岡藤会長は「費用は昨年の何倍もかかっているが、みんな(新人)のことを考えたら安いもんだ。一生に一度のことなので、記憶に残るものにしてあげたい、という親心です。親の気持ちを忘れず、脇目もふらず、与えられた仕事を一生懸命マスターしてほしい」と話したという。
「新入社員の皆さんは、好調な時に入社するのではなく、大転換期に入社するということを、しっかり自覚していただきたいと思います」、と石井社長は社長メッセージでエールを贈る。
当社を取り巻く環境は、大きく変化しています。
消費者ニーズの多様化が加速し、事業のデジタルシフトや事業構造の改革が求められています。新型コロナウイルスの感染拡大はこの流れに大きく拍車をかけています。
脱炭素化をはじめとする社会的ニーズの高まりから、より中長期的な視点に立った課題解決も求められています。 (出所:伊藤忠商事)
石井社長のメッセージを読むと、今まさに「大転換期」、パラダイムシフトが静かに進行していることに改めて気づかされる。
アップルがすでに事業活動におけるカーボンニュートラルを達成し、2030年をめどにライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを目指している。そして、「地球から何も奪わずに」モノづくりをするという。
腰を抜かすほど驚いたが、これが本気の「サスティナビリティ」、誰も真似すことのできない循環型経済「サーキュラーエコノミー」なのだろうと思った。
こうしたことが、この先何年もかけてあたり前になり、新しいあたり前に対応できない企業がほんとうに淘汰されていくのかもしれない。
伊藤忠商事もまたアップル同様に本気の「サスティナビリティ」に挑戦し、事業を大転換させているようだ。
事業が多岐にわたる商社ゆえ、目標が不鮮明に感じるだけであって、やっていることは、もしかしたらアップルとさほど大きな差はないのかもしれない。
SDGsの重要性が一段と高まりを見せ、その中で、たびたび「三方よし」という言葉が引用されていると、石井社長はいう。
「三方よし」は、創業者伊藤忠兵衛にルーツがあり、伊藤忠商事の経営理念にもなっているという。この「三方よし」を実現するため、「ひとりの商人、無数の使命」という行動指針がある。
今まさに大転換期にある伊藤忠にとって、この「ひとりの商人、無数の使命」が大切です。
皆さんがこれから最初に配属される部署において、また、今後の伊藤忠で仕事をしていく上において、常に何が自分にとっての使命かを自発的に考え、行動を起こしてほしいと思います。
皆さんの柔軟な発想と創意工夫で、取引先、株主をはじめ周囲の様々な期待と信頼に応えていって欲しいと強く願います。 (出所:伊藤忠商事)
伊藤忠商事傘下のファミリーマートが「Convenience Wear」の販売を始めた。
タンクトップやキャミソールには、伊藤忠のリサイクルポリエステルが使用され、Tシャツやショーツはオーガニックコットンが使用されている。
デザインのみならず、着心地や機能性などの品質も向上。
旭化成の機能素材「ペアクール(R)」を使用しており、さらっとした肌触りで、汗をかいてもベタつかない。なめらかな着心地で、快適に過ごせる。そして、洗濯してもすぐに乾くので、忙しい人にもぴったり。さらに、環境に優しい素材なのも嬉しい。
オーガニックコットンを使用したTシャツは、肌にやさしい着心地とハリのある風合いで、インナーだけでなく1枚で着るアウターとしても重宝できそうだ。 (出所:オリコンニュース)
このリサイクルポリエステル「RENU」は、H&MやGU、デサントなどでも採用されているそうだ。
何気なく、「サスティナビリティ」が身近になってきている。
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