Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【サステナブル】アップルが建設する巨大電力貯蔵施設を、テスラが蓄電システムで支える

 

 Appleが、電力貯蔵施設「California Flats」を建設中だという。アップルによれば、この施設は240メガワット時のエネルギー貯蔵能力があり、7,000世帯以上に供給する1日分の電力量になるという。

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(写真:アップル)

 ロイターによれば、この電力貯蔵施設に設置するのは、米テスラのリチウムイオン蓄電システム「メガパック」85基だという。

jp.reuters.com

 アップルとテスラの取引に、新たな時代が幕を開けたと感じる。

 アップルが開発を進めているとされるEV「アップルカー」が販売されれば、アップルとテスラは競合になる。一昔前なら、敵に塩を送るようなもので、考えることも出来なかったのではなろうか。いっそのこと、「アップルカー」をテスラで生産してもよいのではないか、そんな予感を感じさせるニュースだ。

 

 

 アップルはこの電力貯蔵施設「California Flats」の発表に合わせ、世界中の製造パートナー110社以上が、Apple製品の製造に使用する電力を100パーセント再生可能エネルギーに振り替えていくと発表した。

この計画により約8ギガワット分のクリーンエネルギーが調達可能になる予定ですが、これが実現した暁には、CO2換算で年間1500万トン分の温室効果ガス削減に寄与しますが、これは道路から毎年3,400,000台以上の自動車を排除することに匹敵します。 (出所:アップル) 

www.apple.com

 地球温暖化防止のためということであろうが、こうしたアクションを目の当たりにすると、アップルという会社は、何を生業としているのかわからなくなる。さらにEVを作るようになったら、なお一層のことだ。

 今までのビジネスカテゴリーという枠が陳腐なものになっているのかもしれない。温暖化対策がアップルの本業で、今あるビジネスは本業を遂行するための資金稼ぎではないかとの錯覚を覚える。

 

 

 アップルは昨年2020年7月、Appleは全事業、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルのすべてにおいて、2030年までにカーボンニュートラル達成を目指すという計画を発表した。 

dsupplying.hatenablog.com

 アップルによれば、全世界の企業活動、バリューチェーンにおいては、既にカーボンニュートラルを達成しているという。そして、次の目標は、2030年、Appleが販売するすべてのデバイスについて気候変動の影響をネットゼロ(クリーンエネルギー発電等により相殺して実質ゼロ)にする取り組みだという。

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(写真:アップル)

「太陽光や風力といったクリーンエネルギーは一時的に止まるという問題がある」、「われわれの計画が成功すれば、そうした問題に対する懸念が払拭され、送電網の安定化が実現できる」と、アップルの環境・政策・社会イニシアティブ担当バイスプレジデントのリサ・ジャクソン氏はロイターの取材に答えたという。

風力および太陽光発電は世界の多くの場所で利用できる最もコスト効率の高い新しい電力源ですが、これらの技術には発電の中断という問題が内在するため広く積極的に採用されるには至っていません。

発電の中断に対する当社の解決策がエネルギーの貯蔵です。これにより生成したエネルギーを必要な時まで保持できます。

Appleカリフォルニア州発電所規模のエネルギー貯蔵施設に投資しながら、新たなエネルギー貯蔵テクノロジーの研究も並行して進めています。 (出所:アップル)

 

 

 ユーグレナ社の15歳のCFO(Chief Future Officer=「最高未来責任者」)の川﨑レナさんが、「サステナブルな活動をする企業が苦手だったんです」と話していると、NEWS PICKSが伝える。

もっと言えば、サステナブルな活動をしていると宣言する企業、ですね。広告でエコなイメージを植え付ける『グリーンウォッシュ』のようなものだなと思っていました。

でも、実際にユーグレナ社でCFOになってみると、本当に意思を持ってサステナブルな活動をしている企業もあると知ることができました。

ビジネスって、政治よりも私たちにとってもっと身近なので、ビジネスをツールとして使えば世界を変える近道になると気づいたんです。 (出所:NEWS PICKS)

newspicks.com

 「情熱も大事であるが、情熱だけでは環境問題を解決することはできない」。

『ビジネス』だからこそ、きちんと『儲かる』仕組みが作れれば、環境問題に対してもサステナブルな解を提供することができる」と話す伊藤忠商事の担当者の声を、NEWS PICKSは紹介し、「儲かる」からできるサステナブルな環境維持という。

 その短絡的な表現に違和感をおぼえる。

 

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 社会課題解決に取り組むユーグレナ社は、未だ赤字が続けている。

 

 

 

 アップルはこういう。

総合的にAppleは当社のカーボンフットプリントを一貫して削減してきました。当社の純利益は継続して増加しているのに、です。

当社のカーボンフットプリントは40パーセントも減り、2030年の目標に向けて安定した進捗を示しています。

そして、低炭素素材の使用、エネルギー効率の追求、クリーンエネルギーへの切り換えといった取り組みを通じて、温室効果ガス排出を1500万トン以上も抑制しているのです。 (出所:アップル)

 アップルはカーボンフットプリントを低減させたところで、そこから直接、利益を得ることはない。

 「サステナブルな環境維持」はコストでしかないということなのだろう。

 にもかかわらず、アップルが「カーボンニュートラル」にこだわるのは何故か。

 今ある深刻な社会課題を解決しようということがモチベーションになっているのだろう。

 「善き行い」、それが真っ当なものであれば、あとから利益はついてくる、そうアップルが言っているように感じる。

 

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