日本沿岸の海面水位が高くなっていると気象庁が発表した。2020年の平均海面水位は平年に比べて87mm高く、統計を開始した1906年以降で最も高くなったという。
すぐさまに地球温暖化の影響かと思ったが、黒潮大蛇行の影響が大きいそうだ。
気象庁によると、黒潮は 2017 年 8 月から大蛇行し、2020年は関東から東海地方の沿岸に黒潮が接近して流れることが多くあったという。暖かい海水は相対的に体積が大きく、海面が周囲より盛り上がるという。この影響で、関東から東海地方の沿岸を中心に海面水位が高くなったことが理由のようだ。
黒潮大蛇行、なぜその大きな潮流の変化が発生するのか、そのメカニズムにはまだ謎があるようだ。
温暖化の影響
日本沿岸の海面水位は、地球温暖化のほか海洋の十年規模の変動など様々な要因で変動していると気象庁はいう。地球温暖化の影響がどの程度現れているのかは明らかではないそうだ。
1980年以降は上昇傾向が続いていて、その背景には地球温暖化の進展があるとNHKは伝える。地球温暖化による海面水位の上昇を検出するためにも、引き続き監視が必要があるそうだ。
危機感を抱くソニー
ソニーが、グループ敷地外での太陽光発電を活用した自己託送を開始したと発表した。
ソニーは昨年2020年2月、メガワット級の太陽光発電設備を活用した自己託送をスタートさせていたが、それに続く取り組むだという。
昨年、静岡県焼津市にあるソニー・ミュージックソリューションズの製品倉庫の建屋屋上に約1.7MW(1,700kW)の太陽光発電設備を設置し、製品倉庫で消費される量を上回る余剰電力を電力会社の送配電ネットワークを介して、同社の静岡県榛原郡吉田町にある製造工場へ自己託送にて供給、ソニーグループとして自家消費するとしていた。
今回は、その事例からすると規模が小さく、400kW程度。愛知県東海市にある牛舎の屋根に設置した太陽光発電設備で発電した電力を、電力会社の送配電ネットワークを介し、約 30km 離れた愛知県額田郡にあるソニーグループの幸田サイト へ供給する。
この取り組みによるCO2削減量は192t/年、昨年の1000t/年に比べるとみても小さな規模のようだ。
ソニーと取引関係にあるアップルは、取引先に2030年まで再生エネルギーを100%使った製品製造を求めているという。
日本の大手メーカーは、何もせずリスクを背負うよりは、再生エネルギーを提供してくれる地域に移転するかもしれない。アップルなどのゼロエミッション宣言が本物であるなら、協力できないか協力する意思がない企業は「負け組」になってしまうだろう。 (出所:ロイター)
こうしたことも背景にあるのだろうか。
そのソニーは、JCI 気候変動イニシアチブとともにロビー活動を行い、政府に再生可能エネルギーの利用拡大を嘆願する。
大きなことを成し遂げるために = アップル
日本経済新聞によれば、23日に開催されたアップルの株主総会の質疑応答のなかで、「もう一つの大きな目標は、いつの日か地球から何も採らずにすべての製品を作ることだ」と、クックCEOが表明したという。
クック氏はリサイクル材への全面移行について「一朝一夕にできないことだとは分かっている」としつつ、「本当に大きなことをなし遂げなければならないという強い思いが社内に芽生えている」と述べた。 (出所:日本経済新聞)
そのアップルは昨年2020年7月、2030年までに「カーボンニュートラル」を実現すると発表している。
国の政策とは別に、一企業のアクションが始まりとなって、「カーボンニュートラル」という大きな潮流が生まれ、地球温暖化を遅らせるためのアクションが続いていくようだ。
ESGバブルの崩壊が始まる?
一方で、投資家が景気が回復するに連れ、「リセット」政策を見直し、石油や旅行関連株に買いを入れ始めているとBusiness Insiderは指摘する。
それによると、EV 電気自動車とクリーンテックのバブルは、2020年初め、COVID-19の大流行が拡大したときに形成され始めたとJPモルガンが指摘しているという。
「株価の動きは、特定の技術、イデオロギー、政策の見通しに関連していたが、小売業の給与や流行、業績の予想にはあまり結びついていなかった」とJPモルガンのマクロ定量・デリバティブ戦略の責任者、マルコ・コラノビッチ(Marko Kolanovic)は23日の電話会見で述べた。
「実際、それらはCOVID-19とともに浮上した。そこには、世界を一旦閉鎖して、再発明し、再設計し、再認識するという前提があった」とコラノビッチは述べた。彼は、バブルが古典的な景気循環とは関係なく、「リセット政策」によって引き起こされたものだとしている。 (出所:Business Insider)
「実体経済が回復しつつある中、野心的な考えで動かされた市場セグメントのいくつかは縮小することになるだろう」とも、JPモルガンは言っているという。
JPモルガンなだけに多少胡散臭さも感じないわけでもないが、足元ではこうした呼び戻しの動きが起こり、調整局面となっていくのかもしれない。ただ、再びESGの真価が確認されれば、その流れが強まっていくことになるのだろうか。
今大きな流れの変化の只中にあるのかもしれない。大自然のダイナミズム、黒潮の大蛇行に類似しているのかもしれない。