Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

ESG投資に組み込まれるアマゾン、ダウ平均銘柄から退場するエクソン・モービル

 

 8月31日、過去7年で最大となるダウ工業株30種平均の構成銘柄の組み替えが行われ、石油メジャーの米エクソン・モービルが退場となる。

 アップルの株式が4分割されることの影響で、エクソン・モービルの他に、製薬大手の米ファイザーと防衛大手のレイセオン・テクノロジーズが除外となる。

 

 2011年時点では、エクソン・モービルが世界最大の時価総額だったという。

 「米経済における資源・商品関連企業の地位低下を反映する驚くべき変化」とブルームバーグは指摘する。

 セールスフォースがエクソン・モービルの代わりに選ばれ、製薬大手アムジェンと産業機械大手ハネウェル・インターナショナルが 新たにダウ平均に組み込まれる。 

エクソンは06年~12年に時価総額で米国最大の企業だった。

世界経済の成長が続き、石油消費も伸びるとの前提でマネーがエネルギー企業に集まった時代だ。

ところが環境配慮の「ESG」投資の広がりで、エネルギー企業は投資家から敬遠されるようになった。

一方、「データは21世紀の石油」と言われるように、大量のデータが価値を生む時代になり、株式市場でも主役交代が進んでいる。 (出所:日本経済新聞) 

www.nikkei.com

 

 時価総額が2兆ドルを超えたアップルが、かつて世界最大の時価総額だった石油メジャーをダウ平均から退場に追いやり、替わりにセールスフォースが加わる。

 ただ単に、データの時代という以上に大きな変化を感じる出来事のように感じる。

 

 

ダウ平均銘柄に加わるセールスフォース

 そのセールスフォースは、今年5-7月期(第2四半期)の売上が過去最高を記録したという。

 コロナ渦の影響なのだろうか。セールスフォースのサービスであれば、テレワークにも適しているということだろうか。 

26日の米株市場でセールスフォースの株価は同社の楽観的見通しを好感して一時29%値上がりし、年初来の上昇率は67%に達した。 (出所:ブルームバーグ

 第3四半期にはさらに売上が増える予想だというが、それでも業務の合理化を進めるという。ブルームバーグによれば、約1000人の削減を計画しているという。 

www.bloomberg.co.jp

 

 セールスフォースはCRM(顧客管理)のソフトウェアサービスを展開する。

 20年前に創業し、SaaS(ソフトウェアサービス)の先駆的な企業と言われる。顧客管理システムを使ったことがあるが、使い勝手が良いと感じた。デジタルトランスフォーメーションDXや生産性の向上などが求められている今だからこそ、セールスフォースが注目されるということなのであろう。

 


変化にフォースを。

 

 

アマゾンを組み入れるESG投信「未来の世界」

 日本の個人投資家による海外株式投資への波が、ESG(環境・社会・ガバナンス)分野にも本格的に押し寄せようとしているとブルームバーグが伝える。

 アマゾンなどを組み入れた投資信託「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド『為替ヘッジなし、愛称:未来の世界(ESG)』」(委託会社:アセットマネジメントOne)が人気だという。

 ブルームバーグによると、純資産総額は8月26日時点で4905億円まで拡大しているという。

 

 この投信は、世界の株式の中から競争優位性や成長性、ESGへの取り組みなどを評価し、選定した企業に投資する。 

 この投信の運用方針は、「どういう産業であれイノベーションのポテンシャルを重視している」。

「未来の世界」の組み入れ上位銘柄にはアマゾン・ドット・コム、TALエデュケーション・グループ、マスターカード、サービスナウ、アドビが並ぶ。だが、テクノロジーが組み入れ銘柄のすべてではないという。

教育やヘルスケアなど世界の生産性を高め、最終的には社会の健康に貢献する銘柄を組み入れていく」と抱負を語る。 (出所:ブルームバーグ

 ファンドの運用責任者であるモルガン・スタンレー・インベスメント・インクのクリスチャン・ヒュー氏はブルームバーグとのインタビューで、「パフォーマンスが犠牲にならない限り、いよいよESGに対する需要が個人投資家の間にも表れはじめた結果だ」と述べた、とブルームバーグは伝える。

www.bloomberg.co.jp

 

 年金積立金管理運用独立行政法人GPIFが、2019年度の「ESG活動報告2019」を公表した。

 この報告書で、GPIFは、気候変動の課題解決につながる技術や製品などを有している企業は、課題が大きい分だけ、収益機会も大きい点は見逃せないと指摘する。また、気候変動による日本株のアップサイドのポテンシャルの大きさは、将来に夢を持たせる結果ともいう。

 

 投資の世界では、気候変動やESGが当然のように語られ、積極的な企業に資金が集まるということが現実となっているようだ。 

 こうした流れに乗れない企業が政治に助けを求めたりしているのだろうか。

 流れに抗うよりは、欧州の石油メジャーBPの流れに乗るほうがスマートに感じる。


dsupplying.hatenablog.com

 

 大量消費を促すようなアマゾンではあるが、パリ協定が求める2050年を10年早め、2040年のカーボンニュートラルの実現を目指している。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

「参考文書」

www.bloomberg.co.jp

 

moneyworld.jp

  

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