世界が窮地に陥ると、必ず変革者が登場するという。BP(旧ブリティッシュ・ペトロリアム)CEO バーナード・ルーニーもそのひとりなのだろうか。「脱石油」を戦略とする巨大な国際石油資本スーパーメジャーを率いる。
BPが「脱石油」を公表したとき、多少疑った。石油資源を掘削、精製し、販売まで行う垂直統合した会社が本気で「脱石油」できるのだろうかと。
BPは6月、ルーニー最高経営責任者(CEO)が進めるコスト削減と、将来の低炭素社会に対応するための事業「再編成」計画の一環として、7万人強に上る従業員の約15%を解雇する計画を発表した。 (出所:ロイター)
矢継ぎ早に打ち出される施策に疑いの念は少しづつ晴れる。そして、また、次の手に出るようだ。
ロイターによれば、自主退職への応募が約2500人と、有資格者の1割強にとどまったため、約7500人を強制解雇するという。驚くことにそこには、地質学者や科学者も含まれるという。
ルーニーはどんな想いで、この改革を進めているのだろうか。
栄枯盛衰、活気を失うものがあれば、その分盛んになるものもあるもの。
ユーグレナ2代目CFOは「サステナビリティ」嫌い
バイオ燃料などを展開するユーグレナ社が、2代目CFOを採用したと発表した。
未来を生きる当事者である世代に経営に参画してもらいたい、ユーグレナはそうした想いを具現化、2019年にCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)を新設し、当時17歳の初代CFOを採用した。
会社として未来を持続可能な形に変えていくという願望がその始まりだという。
初代CFOの小澤杏子氏は「環境への意識の高さ、低さにかかわらず、お客様が意識せずとも環境に配慮した行動をとれる仕組みの構築を目指す」という方針を策定した。
既存の飲料用ペットボトル商品の全廃し、一部商品ではお客様がプラスチックストローの有無を選択可能にし、2021年中にプラスチック消費量を50%削減するという方針を策定し発表した。
そして、2代目CFOに任命されたのは、15歳の女性川﨑レナさん。
初めまして。川崎レナです。15歳の中学3年生です。私は、サステナビリティという言葉がキャッチコピーのように使われていて、いっこうに様々な社会問題が解決できないので嫌いでした。
でもユーグレナ社を知って、こんなにサステナビリティに力を入れていることに感銘を受け、今回CFOに応募しました。
日本では、サステナビリティについて学校などであまり教えていないと感じており、未来の日本には何が必要かと考えたときに「教育」だと思っていますが、この1年で何をするか、ユーグレナ社やサミットメンバーと一緒に考えていきたいです。まだまだ勉強不足ですが、ユーグレナ社のCFOとして必ず良い変化を起こしますので、よろしくお願いいたします。 (出所:ユーグレナ)
「写真:ユーグレナ 副社長 永田暁彦(左)、2代目CFO川崎レナさん(中)、社長 出雲 充(右)」
「ゴミゼロ」に挑戦 ゼロ・ウェイスト活動が始まる
ユーグレナによれば、初代CFOの小澤氏らの活動によって自らが地球環境に与える影響を再認識したことをきっかけに、ユーグレナ社内の「ゴミゼロ」を目指すゴミ削減プロジェクトが始まったという。
また、沖縄県石垣市では、ユーグレナ直営カフェ「ユーグレナ・ガーデン」で「ゼロ・ウェイスト認証」を沖縄県で初めて取得したという。
(写真:ユーグレナ)
新しい企業文化 新しい当たりまえを活かす
初代CFOの最大の功績はもしかしたら、こうした意識変化をユーグレナ社内に起こしたことなのかもしれない。何か目に付く施策を起こすことより、企業文化を変えることははるかに難しい。会社がいかに「サステナビリティ」を標榜しようが、それが文化になり、DNAとして根付くかは別問題かもしれない。
小さな変化の積み重ねがあって、はじめて大きな変革とつながっていく。
ユーグレナが変わり始めたのかもしれない。
バンクシーが新作を発表したようだ。街角の道端に捨てられた壊れた自転車と美容院の壁に描かれた自転車の後輪でフラフープする少女。
インスタグラムに映し出された風景すべてが作品ということなのだろうか。バンクシー自身のコメントはない。環境問題や大量消費社会に対する風刺ではとの意見もあるようだ。
「参考文書」