Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

モーリシャスでの座礁事故は教訓になったのか、海運のゼロエミッションが始まる

 

 このコロナ渦と酷暑の夏を経験してみて、改めて私たちが暮らす環境の大切さを身に沁みて感じる。身に迫る危機が進行しているのに、社会の動きが緩慢に見えるとイライラすることもあったりした。

 様々な業界で、3密防止やソーシャルディスタンスなどのコロナ対策が実施するようになり、定着すれば、もう少し安心して行動範囲を広げていくことができるのかもしれない。

 こうしたことが感染症に対する公衆衛生として確立していけばいいのではと思ったりする。

 一方で、毎年のようにやってくるようになった酷暑を思うと、気候変動緩和策の大胆な実行が早期に求められているのだろう。

 石油や石炭などの化石燃料が気候変動の原因となるばかりでなく、地球環境に流出すれば甚大な被害になることを、改めてモーリシャスで起きた貨物船の座礁事故で知った。

 

this.kiji.is

 

 そんなことが影響しているのだろうか、海運に関係する報道が増えている。

 

 

 

日本郵船 ゼロエミッション船舶の実現を目指す

 日本郵船が、水素で船のゼロエミッション化実現を目指す日本初の取り組みを始めるという。

 船舶の燃料の水素代替が進めば、モーリシャスの事故でおきた環境破壊はなくなるのだろうか。

 

 2024年には150tクラスの中型観光船で横浜港沿岸で最初の実証が行われるという。

 

www.jiji.com

 

川崎汽船 船上でCO2回収

 川崎汽船は、船上でCO2の回収試験を始めるという。

 日本経済新聞によると、三菱造船と2020年度内に回収装置を共同開発し、21年夏ごろに東北電力向けの石炭運搬船に搭載する計画だという。

 回収したCO2はメタネーションと呼ばれる人工合成燃料の原料や炭酸ガスの消火器など工業用途に転用できないかも検証するそうだ。

 

 海運分野からのGHG温室効果ガスの排出量を2050年までに半減させ、今世紀中の早期にゼロとする目標を、IMO 国際海事機関が掲げているという。

 こうした目標に呼応するために、水素を代替燃料としたゼロエミッション船舶の開発を急ぎ、それが主流となるまでは、現在の化石燃料を使用しつつも、こうしたCO2回収技術で実質的な排出を減らそうという動きになるのだろうか。

 

r.nikkei.com

 

ユーグレナ「GREEN OIL JAPAN」宣言に、新たに2市15社が賛同

 ミドリムシユーグレナ社は、日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す「GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)」を進め、飛行機のジェット燃料のバイオ化などを進める。

 このバイオ燃料を製造する実証プラントは完成しているが、普及のためにはコスト低減が課題のようだ。その課題解決のためには設備稼働率をあげなければならず、供給先を増やす必要がある。

 

 ユーグレナ社が、「GREEN OIL JAPAN」宣言に、新たに2市15社が賛同したと発表した。

 同宣言への賛同企業・団体等の数は、合計27(3市23社1団体)となり、ユーグレナバイオディーゼル燃料を使用する企業・団体数も14社1団体まで拡大したという。

 今回、同宣言に賛同した清水建設は、今後、重機へのバイオ燃料の採用を検討していくという。

 まだまだ地道な活動を続けなければならないのだろうか。

  

www.euglena.jp

 f:id:dsupplying:20200902080235p:plain

 

 

常識を疑う そこから生まれる機会

 ユーグレナ社の若きCFO(最高未来責任者)小澤杏子さんがまたメディアに登場した。

 

 ユーグレナ社が公表した「2021年までにプラスチックの使用量を50%削減する」との目標に至った背景をELLE Girlのインタビューで説明する。

人が意識せずとも環境に配慮できるようなシステムが必要だと思ったんです」と。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

 CFOの小澤さんとサミットメンバー8名の活動がそこにある。

 

小さい一歩でも良いからとりあえず前進する

あるとき、メンバーのうちの一人が『環境問題を解決するのに、未来はもう始まっている』と言ったんです。

未来のためにとか、未来を守るためにというフレーズがよくありますが、それって結局先延ばしになってない?という疑問を抱いたんですよね。

私もそうですが、メンバーは常識を疑い続ける人たち。

自分だけじゃ見えない世界を見せてくるので学びが多いですね。

彼の言葉を聞いて一気にエンジンがかかりました。 (出所:ELLE Girl)

 

ellegirl.jp

 

 常識や習慣化されたことから抜け出ることはなかなか難しいことだ。しかし、そこに疑問を感じて、小さな一歩を踏み出すことができると、加速度的に物事は動き出し始めるのかもしれない。

 

常識を疑え!」と、若いころに会社で受けたトヨタの生産システムを学ぶ研修で口酸っぱく言われ続け、よく叱れもした。

 

 何がトリガーになるかはわからない。それまでは地道な活動が続くのだろう。

 

 

「参考文書」

www.nyk.com

 
f:id:dsupplying:20200902091350j:image