Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

頻発する猛烈な台風の恐怖 異例な夏、「脱炭素」を考えるとき

 

 今年7月は台風の発生がひとつもなかった。1951年以降、史上初めてのことだったという。

 8月に入り台風が7つ発生した。平年の8月の発生数が5.9個というので、極端に多いということはない。ただ、8号、9号と立て続けに強い勢力を維持した台風が、東シナ海を縦断、朝鮮半島に進んでいった。

 台風10号が発生した。8号、9号よりも危険な台風のようだ。

 6日3時ころには、915ヘクトパスカルまで勢力を強め、猛烈な台風となる予想だ。9号よりもう少し九州に近い東シナ海を進み、また朝鮮半島に向かうことになるのだろうか。

 気象庁は「特別警報」を発表する可能性もあるといい、「異例な対応」、「異例の避難」を呼び掛ける。

 台風10号の接近時に予想される最大風速は、昨年首都圏で暴風による被害が相次いだ台風15号より強い可能性がある (出所:共同通信

 

 なぜ、たた続けに強い勢力の台風が日本にやってくるのだろうか。

 日本近海の海水温が熱帯のように暖かくなっているという。その影響もあるようだ。

 

 昨年の台風15号と19号を思い出す。あの被害状況を思うと、ただ恐怖というしかない。

 

this.kiji.is

 

 7月以降、天候が極端になっているように感じる。

 気象庁が発表した「8月の天候」がそれを如実に現している。

 気温は、全国的に高く、東・西日本では記録的な高温になったという。1946年の統計開始以来、8月として東日本では1位、西日本では1位タイの高温となったそうだ。

 降水量は記録的に少なく、こちらも1946年の統計開始以来8月として、東日本太平洋側で1位、西日本太平洋側で1位タイの少雨となったという。

 

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(資料出所:気象庁公式サイト「8月の天候」

 

 まさに、「異例な夏」だったということだろうか。今しばらくその状況が続くのだろうか。

 

 

 

 国内で「脱炭素化」の動きが加速し始めてきたのだろうか。

 自然エネルギーユーザー企業ネットワーク(RE-Users)が取りまとめた「気候変動に取り組む企業が求める 3つの戦略と9つの施策~自然エネルギーの電力を利用しやすい国に~」という提言に、44の企業と団体が賛同した、と自然エネルギー財団が発表した。

 

この提言は、国を挙げて自然エネルギーの導入・利用を推進できるように、政府と電気事業者に対策を求めている。

1. 2030 年までに国全体の発電電力量の 44%以上を自然エネルギーで供給する。

2. 2030 年までに自然エネルギー(太陽光と風力)の発電コストを化石燃料(石炭とガス)の発電コストよりも低減させる。

3. 2030 年までに自然エネルギー100%の電力を他の種別の電力と同等の価格で販売する。

自然エネルギー100%の電力:環境負荷の低い自然エネルギーだけで発電した CO2 フリーの電力(基礎排出係数・調整後排出係数ともにゼロ)

(出所:自然エネルギー財団)

 

www.renewable-ei.org

 

 「脱炭素」に後ろ向きと思われる企業にも変化が出てきているのだろうか。

 発電用タービンを手がける三菱重工が、日立製作所と共同出資していた火力発電システム会社を完全子会社化、「三菱パワー」として始動させた。

 この新会社三菱パワーは、エネルギーの脱炭素化を進めるという。

 

 ニュースイッチによると、三菱パワーの前身MHPSは、大型ガスタービンの世界シェアは約3割と、米GE、独シーメンスを抑えて世界トップだったという。ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)の発電効率も世界最高水準という。

 

「火力発電を取り巻く状況が激変し、大きな潮流の脱炭素化への対応が必要だ。GTCCと石炭焚きのボイラ・タービン、環境装置が柱だが、今後はソリューションを展開する」と、三菱パワー河相健社長は語ったそうだ。

 

newswitch.jp

 

 温暖化への危機感が世界的に高まり、機関投資家はESG(環境・社会・企業統治)を重視し、化石燃料を利用する産業への投資から撤退を表明する資産運用機関も増えている。

大和総研の太田珠美SDGsコンサルティング室長は「新型コロナウイルス収束後の経済の立て直しに向けて『脱炭素化』がより重視される」と指摘する。 (出所:ニュースイッチ)

 
 三菱パワーは、「革新的な発電技術とソリューションにより、エネルギーの脱炭素化と電力の安定供給に世界中で貢献し、持続可能な未来の実現に取り組みます」とのミッションステートメントを公表した。

 

 このミッションを公表した以上、もう後戻りはできないだろう。

 

power.mhi.com

 

 

 

 外堀が埋まりつつあるのだろうか。

 政府が、温室効果ガスの削減に関する「地球温暖化対策計画」の見直しに向け、有識者会議の初会合を開いたという。

 

「2030年度に13年度比26%減」としている現行の温室ガス削減目標について、今後、引き上げを視野に議論し、温暖化対策の深掘りを目指す。 (出所:JIJI.COM)

 

www.jiji.com

 

 今日 9月3日、COVID-19からの持続可能な回復を促進する国際連携プラットフォームを小泉進次郎環境大臣が開催するという。

 「そこで、日本が気候変動・エネルギー政策を強化し、世界経済のゼロエミッションへの移行を加速させるリーダーシップを発揮できるかどうかに世界の注目が集まるだろう」とサステナブル・ブランド ジャパンは指摘する。

 

www.sustainablebrands.jp

 

 来年はエネルギーミックスが見直しになる。

 明確に「脱炭素」の道筋を示すことができるのだろうか。

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

  

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