ガソリンや少量品などの物価が高騰を続け、また円安傾向に戻っているようです。専門家の中には150円との声もあるようですが、政府・日銀にできることは為替介入くらいしかないのでしょうか。先々の物価が心配になります。ますます世界の経済動向が気になります。
欧米が集まるジャクソンホール会議
米国で、主要国の中央銀行関係者や経済学者が集まる経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開幕しました。「世界経済の構造転換」をテーマに議論するそうで、日銀の植田和男総裁も参加するといいます。
パウエルFRB議長、必要に応じて追加利上げの用意-高金利維持へ - Bloomberg
早速、米FRBのパウエル議長が登壇し、必要に応じて追加利上げに動く用意があると指摘、インフレ率が目標の2%に向けた軌道を進んでいると確信するまで、政策金利を高水準に維持する考えを示したそうです。
こうなるとまた日米の金利差が意識され、円安基調が続くのでしょうか。
BRICS首脳会議
他方、南アフリカ ヨハネスブルクでは、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)で構成される新興5カ国の首脳会議が行われ、「グローバルサウス」の糾合を図る中国が、加盟国拡大を主導しているといいます。
BRICS、サウジなど6カ国が来年加盟 歴史的拡大と習中国主席 | ロイター
インドネシアなど40カ国以上が加盟に関心を示しているそうですが、今回の会合ではサウジ、イラン、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦(UAE)が参加し、2024年1月に正式なメンバーになるといいます。
西側先進国中心の国際機関のリバランスを図るというBRICSの姿勢への共鳴が背景にある。(出所:ロイター)
議長国の南アフリカのラマポーザ大統領は、「BRICSは公平な世界、公正な世界、包摂的で繁栄する世界の構築に向けた取り組みで新たな門出を迎えた」と表明し、ブラジルのルラ大統領は、グローバル化は約束を果たせなかったとし、今こそ途上国との協力を再活性化すべきだと訴えたといいます。また、「米ドル依存からの脱却」を目指しているそうですが、その実現は難しく、ただ貿易の場での現地通貨決済の拡大について検討が進むことも予想されるそうです。
予想困難で、不確実な時代になったとつくづく感じます。従来のように欧米中心の動きを注視している時代ではなくなってきているようです。
共通の価値観
米中対立の深刻さを感じるばかりです。地球温暖化で危機的な状況にあるのだから、できることのならこれを共通の課題として取り組み、共通の価値観を形成していくのが理想ではないかと思います。しかし、そのためには計り知れない困難が伴うのかもしれません。
現実的には気候変動対策も考慮、脱化石燃料を積極的に進め、早急に、その影響を希薄化しておく必要性がありそうです。輸入に頼る天然資源や食糧においても同様なのでしょう。そうしなければ、物価はもちろんのこと入手難となる最悪の事態もありそうです。こうしたことを回避するためにも、循環型社会 サーキュラーエコノミーへの移行も欠かせそうにないのかもしれません。
「参考文書」
BRICSに6カ国が新規参加へ サウジアラビアやアルゼンチンなど - 日本経済新聞