Up Cycle Circular’s diary

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ジャニーズと人権侵害、与党議員の差別発言、SDGsサミットでの首相の演説

 ジャニーズ事務所における性加害の問題を受け、大手企業が人権問題だとして、所属タレントにおるCM活動を自粛しています。人間としての尊厳が踏みにじられる行為が長年にわたり続けられ、多数の被害者を生んだのだから、当然の報いなのかもしれません。

 その一方で、多くの所属トレントが国民的スターとしてマスメディアなどで活躍できていることが、何とも不思議に感じます。そこにメディアを中心とした見て見ぬふりがあったとすれば、たいへん残念なことです。

 

 

 国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家が8月に来日し、この問題について、「政府や被害者たちと関係した企業に対策を講じる気配がなかった」などと指摘し、その上で、エンターテインメント業界をはじめ日本の全企業が被害者救済や虐待への適切な対応をとるよう、政府の主体的な取り組みを促しました。

 企業がジャニーズとの取引を薄め、人権問題とし、きちんと対応を求めるようになったことはまずは一歩前進できたといっていいのでしょうか。ただそれに反し、政府の対応が目に見えてきません。

 自民党議員の差別発言

 国連人権理事会は、この問題の他にも、人権侵害を受ける恐れがある集団として、女性や性的少数者、障害者、先住民族被差別部落、労組を挙げました。

(社説)企業と人権 足もとの懸念 点検を:朝日新聞デジタル

 現実に、自民党の杉田議員がブログでアイヌ民族を揶揄したことが、札幌法務局によって人権侵犯の事実があったと認定され、杉田氏にアイヌ文化を学び、今後発言に注意するよう「啓発」をしていたという事例も起きています。それだけ政府・自民党には、改善を進めなければならない対象が多いということなのでしょう。

SDGsサミットでの発言

 岸田首相が国連総会で登壇、一般討論演説を行い、冒頭SDGs(持続可能な開発目標)に言及し、国際社会が「人間の尊厳」重視に立ち返り、分断・対立ではなく、協調に向けた世界を目指すべきだと訴えたといいます。

岸田首相「人間の尊厳」重視 平和へ新興・途上国と連帯―国連演説:時事ドットコム

 国連人権理事会で指摘されたことを棚に上げ、国連総会の場で、人間の尊厳や他国の人権侵害を非難するのも如何なものかと感じます。まずは自国内の人権問題に真摯に向きあい、国連人権理事会に指摘されないような社会を作ってはじめて、国際社会が日本の声に耳を傾けるようになるような気がします。

 

 

 また、首相は、SDGsをテーマにした首脳級会合「SDGサミット」に出席し、2030年の目標達成に向けた努力の加速を各国に呼びかけたといいます。

岸田首相「国際社会をリード」決意表明 SDGサミットで演説 | 毎日新聞

 人権は、SDGsの各目標の根幹をなすものといってもいいのでしょう。まずは足元、政権与党が女性や性的少数者、障害者、先住民族など人権に関する問題解決を率先すべきなのでしょう。それを真に理解、自身の信条にできるのなら、先の内閣改造時に見られた副大臣政務官人事で情勢の登用が皆無というようなことはおこりようもないはずです。

欠席した気候野心サミット

 国連の「気候野心サミット」において、G7議長国であるにもかかわらず、岸田首相は発言機会を得らず、存在感を示すことができなかったといいます。

気候会議、首相発言できず G7議長国の存在感課題:東京新聞 TOKYO Web

「気候野心サミット」は国連総会に合わせて開催され、グテーレス事務総長は3月、全体会合には、気候変動対策の加速を呼びかけに積極的・意欲的に応じた国や企業などの代表を招くとしていたそうです。結局、首相は欠席したそうです。

 その場でいくら美辞麗句を並べるだけでは何の意味もないのでしょう。また、日頃の行動が世界中から観察されていることも忘れてはならないのでしょう。

 

「参考文書」

杉田水脈氏のアイヌ民族侮辱は「人権侵犯」 Twitterで「コスプレおばさん」など 札幌法務局が認定:東京新聞 TOKYO Web

政府の人権対策に「大きな穴」…ジャニーズ問題で注目、国連作業部会の声明が突きつけた課題:東京新聞 TOKYO Web

岸田首相 “SDGs目標達成へ 日本も取り組み強化” 国際会議 | NHK

杉田水脈総務政務官、今度はアイヌ民族や在日コリアンへの侮辱で批判殺到 それでも更迭しない岸田首相:東京新聞 TOKYO Web