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財政破綻した英国第2の都市バーミンガム、それは明日の我が身かもしれない

 イギリス第2の都市バーミンガム市が財政破綻したといいます。公共サービスにかかるもの以外のすべての支出を停止するそうです。

校舎が崩壊、医療サービスは1年以上の待ち、国内最大の自治体が自己破産...英国、債務危機の深刻すぎる現状|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 賃金格差の是正などに関する支出が膨らんで財源が足りなくなったことがその理由といいます。この和解金の支払いが約7000億円規模の予算を逼迫させているといいます。これに必要な額は日本円にして約960億~1410億円になるそうです。

 バーミンガム市議会は公共施設、緑地、地域団体への助成金など法定外の公共サービスの支出を削減せざるを得なくなるといいます。

 

 

このような状況に陥ったほとんどの地方自治体はその後、公共サービスの支出削減を含む修正予算を可決したり、不動産やその他の資産を売却したりして帳尻を合わせる他の方法を見出している。(出所:ニューズウィーク

 国家は国債を発行して借金できますが、借金できないバーミンガム市議会には公共サービス削減か、資産売却の選択肢しかないといいます。要するに改革を断行しなければならなくなっているということでしょうか。

大きな政府

 世界金融危機とコロナ危機で政府債務は大きく膨れ上がり、大幅に減少する見込みはないのに、各国は国防、福祉、温暖化対策に多大の出費をする大きな政府になっているといいます。

財政を破綻させないよう、有権者はインフレという事実上の税金を支払うのか、それとも痛みを伴う増税か、教育や医療、福祉など公共サービス削減を受け入れるのか。(出所:ニューズウィーク

どの国も同じ様な状況になっているようです。ただ緊縮財政による公共サービス削減は、急激なポピュリズム的な反動を引き起こすこともあるといいます。英国においてはEU 欧州連合からの離脱がそれだといいます。

日本の場合

 日本の政府債務残高はGDP国内総生産比で264%に達しています。他のG7各国と比較しても突出しています。ただそれでも、何とか経常収支が黒字を維持できているため、今のところ大きな混乱になっていないません。

 一方、赤字の英国は、債務を膨らませる予算を組んだだけで国債を売り浴びせられ、長期金利がアッという間に暴騰することになったといいます。それは、リズ・トラス前英首相のときでした。

 円安で輸入物価が高騰する日本において、それが経常収支を圧迫し、赤字にでも転落するようになれば、英国は明日の我が身なのかもしれません。その英国での公共サービスは劣化し、古い学校や公共建築物が閉鎖が続いているといいます。安価な資材を使用したことで安全性についての懸念が高まっていることが原因だそうです。予算不足に苦しむのは学校ばかりでなく、医療現場も同様といいます。医師や看護師は賃上げを求めてストを打っているそうです。

 

 

ウクライナ戦争で「平和の配当」は消失した。「高齢化社会、安全でない世界、金利の上昇、気候変動といった新たな課題もある。現在の政策を放置したままでは債務の持続可能性の問題を解決するのは難しい。そのうえ、さらなるリスクに直面するのではないかと心配する理由もある」。(出所:ニューズウィーク

 ため息が出そうな状況です。希望があるとすれば、平和であれば、要らなくなる費用も多いということなのかもしれません。それは各国共通の課題でもあるのでしょう。

内閣改造

 事情があっての内閣改造なのかもしれませんが、ほんとうに必要なことなのでしょうか。それより優先してやるべきことが多々ありそうです。

 平和のためのコストは上昇する一方で、行政コストの削減は進まず、期待の政府DXが躓いています。成長産業と目された洋上風力発電において汚職が疑われる行為を政府政務官がしでかす事態です。利権にまみれた大きな政府の問題が露呈しているように思えてなりません。このままでよいのでしょうか。

昨年から金利が上昇し始めたため、私たちの予測は常に長期的に債務が増加することを示している。高水準の負債は将来の世代に潜在的な負担をもたらすだけでなく、現在の世代にも負担を強いている。(出所:ニューズウィーク

 

「参考文書」

英国第2の都市バーミンガムが財政破綻 背景にはOracleプロジェクトのコスト肥大化 - ITmedia エンタープライズ