人とは、先を急ぎたいとの欲求があるのだろうか。早くも菅政権のレガシー探しが始まっているようだ。
サステナ金融促進は菅政権レガシー、「脱炭素宣言」が企業に変革迫る - Bloomberg
「持続可能な社会を実現する取り組みに使途を限定する「サステナブルファイナンス」を促進させたという点で金融市場関係者からの評価は高い」とブルームバーグがいう。
脱炭素宣言がなければ、国内でのESG(環境・社会・企業統治)債市場の発展はもちろん、環境整備もこれほど迅速には進まなかった。(中略)
「脱炭素社会の実現目標を表明したことが起爆剤となり、日本企業の取り組みが一変した」とその功績を評価する。 (出所:ブルームバーグ)
ブルームバーグによると、資金使途を環境分野に絞るグリーンボンド(環境債)などESG債の2021年度の発行額は、14日時点で総額約1兆200億円。脱炭素社会の実現に向けて企業の資金調達は活発になりつつあるという。
否定できない事実ということなのだろうか。こうした動きで確実にGHG温室効果ガスの排出が削減され、気候変動の緩慢につながっていけばいいのだろう。
WMO世界気象機関が、世界の気象災害の数が過去50年間で5倍に増加したと発表したそうだ。
世界の気象災害、50年間で5倍に 経済損失は3.6兆ドル=世界気象機関 - BBCニュース
ここ数十年で地球の気温が上昇したことで、異常気象や極端な降水量による災害の数が大幅に増加している。
WMOが発表した、災害の規模を示す最新の評価によると、1970年から2019年までの50年間で1万1000件以上の災害が発生。200万人以上が死亡し、経済損失は3兆6400億ドル(約400兆円)に達した。 (出所:BBC)
もの凄い損失である。国内における激甚災害の増加からしても頷けることなのだろう。しかし、こうした災害による死者は激減したという。警報システムの改善によるそうだ。
政府は、国民の生命と財産を守るのが使命というが、こうした結果からすれば、「カーボンニュートラル宣言」も遅きに失したといわざるをえない。
2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素」を達成するために、エネルギー関連で最大173兆ドルの投資が世界全体で必要と分析した。
年間の投資額を現状比2倍の3兆1000億―5兆8000億ドルに引き上げる必要がある。 (出所:ニュースイッチ)
ヤフー、カーボンニュートラルをテーマに2.5億円の企業版ふるさと納税 - Impress Watch
ヤフーが、企業版ふるさと納税の寄付先となる地方公共団体を公募、「Yahoo! JAPAN 地域カーボンニュートラル促進プロジェクト」の第1弾の寄付先を8月下旬に発表した。
北海道三笠市、宮城県、埼玉県、神奈川県平塚市、新潟県、山梨県、三重県尾鷲市、鹿児島県大崎町の8つの地方公共団体に総額2.5億円のふるさと納税を行なうそうだ。
中抜きするプラットフォーマーまでがこうした行為を行うようになっている。これも成果であろうし、それで脱炭素につながればいいことなのだろう。
一方、金融商品や企業、政府などについて、その信用状態に関する独自の格付け情報を提供するフィッチが、サステナビリティー(持続可能性)格付けの提供を始めると発表したそうだ。
フィッチ、ESG格付けサービス開始へ-投資家からの需要増に対応 - Bloomberg
ブルームバーグによれば、気候・社会リスクに懸念を強めている投資家からの需要の高まりに対応するという。
「サステナブル・ファイナンス」の評価基準が明確になり、膨大な金額になる投資が、効率的に、そして確実に地球温暖化の抑制につながっていけばいいのだろう。
米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストが、テクノロジーの新機軸に関するリストを発表したという。
次のアップルやアマゾンを探せ、BofAが注目する革新的技術14選 - Bloomberg
BofAのストラテジストは「これらのムーンショットは複数の産業を変革し、破壊し、テクノロジー主導の成長という次の大きなサイクルに貢献する可能性がある」としている。 (出所:ブルームバーグ)
この中で、気候変動の抑制に関係しそうと想像するのは、「ワイヤレス電力」「海洋テクノロジー」「次世代バッテリー」「グリーンマイニング」「炭素の回収と貯蔵」というところだろうか。その他に上がるのは「コンピューティング・人工知能」と「ゲノム編集などのバイオテック」など。
ブルームバーグによれば、未来に向けて注目されるテクノロジー14種の市場規模は現時点では3300億ドル(約36兆円)。これが2030年代までには年率36%拡大し、計6兆4000億ドルに達する可能性があるという。
これでいいのだろうか。2030年までに温室効果ガスの排出を半減させるのが、パリ協定では目標になっている。