Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【金利ある世界】変わりそうなあたり前、近づく日銀のマイナス金利解除

 日銀の金融政策がゆっくりと変わっていくようです。市場では早くもマイナス金利解除を織り込んでいるといわれています。そんな動きを見ていると「金利ある世界」が現実化していくのでしょうか。

日銀、2024年前半にマイナス金利解除の可能性-渡辺東大教授 - Bloomberg

 異次元緩和による膨張がいつまでも続くことには限界があるのかもしれません。それを断てば、これまで当たり前だった「金利がほぼゼロ」ということが覆って、そこから新たな当たり前とともに次の発展もありそうな気がします。

 

 

 良くも悪くも政府が動けば、その影響が社会に伝播していきます。DXにGX、キャッシュレス決済に人的資本経営や学び直し「リスキリング」、「貯蓄から投資へ」NISA制度拡充、色々です。しかし、ここ最近ではマイナカードに増税/減税、ネガティブな影響も増えています。それが支持率に現れ、政府はあたふたしているようです。

 色々環境に変化があるのだから、それをチャンスにして大儲けしようと野心を燃やすのでなく、その変化に合わせてビジネスを変化させて機会を拡大させていくのが自然なことのように思います。しかし、なかなか変化を機会にできていないようにも見えます。

デフレからインフレへ

 楽天とSBIが金融系のところでバトルしているように見えます。証券においては、SBIが日本株式の売買手数料の無償化をはじめ、楽天がそれに追従しました。新NISAを意識してのことといわれ、新規顧客の獲得競争のようです。

「住宅ローン」においては、その方針が真逆のようで、またそれが成績に現れているそうです。住信SBIネット銀が残高を10%超増加させたのに対し、楽天銀は微減となっているといいます。低金利政策が転換しつつある中、住宅ローンの先行きをめぐる銀行の判断が割れているといいます。

住信SBIと楽天銀「住宅ローン」方針が真逆の背景 金利上昇で住宅ローンの貸し倒れは増えるのか | 金融業界 | 東洋経済オンライン

住信SBIネット銀は、貸出金の8割を住宅ローンが占める。申し込み手続きを代理店に委託することで、事務コストを削減。審査にはAI(人工知能)を駆使し、貸し倒れの発生を抑制している。薄い利ザヤを見越して、経費圧縮や信用リスクの低減を図りながら、貸出残高を拡大させて収益を上げているというわけだ。(出所:東洋経済オンライン)

 住信SBIネット銀は「金利ある世界」に期待を寄せ、攻めに転じ、業績が伸び、一方、楽天銀行は保守的になり、それが顧客にも伝播し業績にも影響が及ぼしたのでしょうか。

デフレからインフレへ」、同じような苦しい経済状況でも真逆な環境下ではビジネスのアップデートが必要ということでもあるような気がします。

 

 

楽天証券 上場取り下げ

 楽天モバイルが赤字を続け、8000億円におよぶ社債償還が迫り、楽天キャッシュフローが厳しいといわれています。ついつい保守的になってしまうことも理解できないことではありません。

 ただそれでは環境変化を機会にすることができそうにありません。機会を作ることがなければ、新しさはなく「時代遅れ」なものになっていくのではないでしょうか。苦しい状況に問題に対処するだけはますます苦しくなっていきそうです。 楽天証券の上場見送りはその例に思えます。

ゲームチェンジ

 SBIホールディングス半導体事業に参入するそうです。台湾の力晶積成電子製造と共同で宮城県大衡村に工場を新設、2029年以降の本格稼働時には年約1900億円の売上となるとの見通しを明らかにしたそうです。

半導体の売上見通し1900億円 宮城新工場でSBI | 共同通信

工場は大衡村の工業団地に建設し、事業規模は総額8千億円超を見込む。27年に一部を稼働させ、主に自動車や通信インフラ向けの半導体を生産。設備を拡充し、29~31年の本格稼働を目指す。(出所:共同通信

 23年9月中間連結決算は、純利益が前年同期比約4.6倍の370億円となり、株価も上昇したそうです。環境の変化をうまく「機会」にしているのでしょうか。

 SBI Gがゲームチェンジャーになり、既存プラットフォームに変化を促すようになれば、この国にも変化が萌芽していくことになりそうな気もします。

 

 

「参考文書」

楽天G、楽天証券HDの上場申請を取り下げ:時事ドットコム