Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

住宅ローン固定金利上昇、関心高まる日銀の政策、近づく「金利ある世界」

 記録的な物価高が続き、物価はあがらないという常識が覆りました。日銀が長年が続けた物価目標2%を超える日々が続くようになり、これまでの異次元緩和政策の是正がいつになるのかが焦点になっているようです。すでに長期金利は上昇し、その影響で、住宅ローンの固定金利も上がることになりました。

日本では長期にわたって歴史的な低金利が続いていましたので、これから金利が上がるのでないかと不安を抱くのは当然です。(出所:NHK

 

 

 この先「金利ある世界」がやってくることになりそうです。本格的な到来を見越してそれにしっかり備えていくことも重要といいます。

どうなる住宅ローン金利 “金利のある世界”に? | NHK | 金融

金利ある世界」は、低金利の影響で経営が苦しかった銀行業界にとっては朗報といわれて言われています。これまでは構造改革の名の下、支店の統廃合を進めてきたといいますが、それが転機を迎えようとしているともいいます。

金利上昇で変わる米国の銀行業界

 一足先に金利が上昇した米国では、銀行最大手のJPモルガン・チェースが全米で支店網を拡大させる方向に転換し、今後2〜3年間で年間約130店を出店するといいます。

JPモルガン・チェース、支店網再拡大へ 預金獲得念頭に - 日本経済新聞

急ピッチな金利上昇で利回りの高い金融商品へ預金が流出するなか、粘着性の強い預金の重要性は増している。支店統廃合を積極的に進めてきたJPモルガンも「チェース」ブランドで展開する支店を再び増やし、中小・個人顧客との接点を深める。(出所:日本経済新聞

 デジタルに比べ支店を維持するためにはコストがかかりますが、それでも顧客の利便性を第一に考え、支店は必要との考えで拡大路線に切り替えたそうです。

 また、JPモルガン・チェースはコミュニティー・ブランチを展開し、低所得層が多く住む地域で、店舗を単なる銀行取引拠点だけではなく、コミュニティーの核となる役割も担わせているといいます。

 

 

金利ある世界

 日本の銀行も、低金利の影響に加え、キャッシュレス決済や取引のデジタル化によって来店客は減少し、大衆向けリテールビジネスは経営の重荷とみなされるようになり、支店縮小が続いているそうです。特にメガバンクでその動きは顕著といいます。富裕層をより多く獲得したいとのメガバンクの都合で、支店は富裕層向けサービスに特化するようになっているといいます。

 ただ金利復活の足音が高まるなか、リテールビジネスの価値が見直されようとしているといいます。

JPモルガン・チェースのようにコミュニティー・ブランチとしての地域の多様なニーズ(住宅ローン、投資、中小零細企業支援、ビジネスマッチング、スタートアップ支援など)に応える支店こそ、今、増やすべきではないだろうか。(出所:時事ドットコム

銀行の店舗削減は正しいのか 社会的責任を放棄する前にやるべきこと:時事ドットコム

 ゼロ金利に加え、フィンテックなどの台頭で、銀行が苦しい状況にあったことは理解できます。「金利ある世界」に戻るこの時に、銀行が主体的に変わり、お金の流れを変化させていかなかればならないのかもしれません。効率化によって切り捨ててきたものの価値を今一度問い直す必要がありそうです。

 今、メガバンクの存在意義と社会的責任が問われているといいます。

 

「参考文書」

銀行変身 リテール戦線異状あり(下)メガバンク、店舗減に転機 - 日本経済新聞