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日銀の大規模緩和策の修正、住宅ローン固定金利引き上げへ

 日銀が先日の金融政策決定会合で、大規模金融緩和策を修正しました。これを受け、金利上昇圧力が高まり、大手銀行5行が、8月の住宅ローン金利を引き上げるといいます。9月以降さらも上昇する可能性が出てきているそうです。

住宅ローン金利、さらに上昇も 8月、大手5行引き上げ:時事ドットコム

 5行がそろって金利を上げるのは、昨年12月に日銀が長期金利の変動容認幅を0.25%から0.5%に拡大した直後の今年1月以来のことといます。なお、変動金利は大手全行が据え置いているそうです。

 

 

変動金利

 その変動金利においては、SBI新生銀行が8月から、新規顧客向け住宅ローンの変動金利を引き下げるといいます。

住宅ローン変動金利 8月に0.2%台のところも 引き下げ競争激化 | NHK | 金融

 最も優遇する場合で今の0.42%から0.29%になるそうです。ネット銀行を含め、住宅ローンの変動金利の引き下げ競争が一段と激しくなりそうだといいます。

 住宅ローン契約者の大半は金利水準が低位で安定している変動型を選択しているそうでうが、いずれ変動金利も利上げになるのではないかとの予測もあり、「固定金利型」も注目される可能性があるといいます。

 金利が低い今のうちに、長期にわたり金利を固定できる契約を結びたいと考える利用者も多いそうです。返済を抑えることに影響するだけに慎重な判断が求められることになりそうです。

物価の見通し

 また、日銀は物価上昇率の見通しも発表し、2023年度は1.8%から2.5%に上方修正しました。一方、24年度は1.9%に下げ、25年度は+1.6%に据え置きました。依然として物価が安定的に2%を上回るとはみていないようです。

 金融緩和は継続され、YCC イールドカーブコントロール(長短金利操作)調整を続けていくことになるというのが専門家の見立てのようです。

 

 

賃上げ

 会員制の倉庫型店舗を展開する「コストコ」が、群馬県で時給1500円の求人を出し話題になりました。まだ上昇の余地があり、2000円になり得るといいます。

 群馬県最低賃金の倍近い金額では、すぐに地元企業が対抗できるようなものではないといいます。

コストコで「時給1500円」 日本企業の賃上げが物価に追いつくのはいつか | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

“黒船”のような形で外資がどんどん高い給与で人材を確保していくと、どうなるのか。(出所:Forbes)

 継続的な賃上げを実現できるのか、それが問われていると記事は指摘しています。

 今回の植田日銀によるYCC修正が潮目の変化になっていくのでしょうか。異常だった金融政策が少しずつでも正常化に向かい、それが波及し、様々なことが正転し始めるようになることを願わずにはいられません。

 住宅ローン金利が低いことはありがたいことですが、金利が異様なまでに低く、それを長く続けることが弊害を生むこともあるということになるのでしょうか。

 

「参考文書」

低金利競争激化の住宅ローン、日銀政策にらみ金利上昇に備えた動きも - Bloomberg