Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

不正、不祥事、晩節を汚す経営者たち

 政界に企業、様々なところで不正、不祥事が露見しています。振り返ってみれば、過去においても同様で、いつまでも経っても同じことを繰り返しているようです。

 2006年に、当時急成長企業だったライブドアが粉飾事件を起こし、社会に大きな影響を与えました。株式市場は揺れに揺れ、ライブドア上場廃止になったといいます。

「オレがオレが」が経営者の晩節を汚す:日経ビジネス電子版

 この時、混乱の沈静化のため、故稲盛和夫氏が東証で「なぜ経営に哲学が必要なのか」というテーマで講演を行ったそうです。

 冒頭「私は、戦後の日本を引っ張ってこられた創業型の経営者の後ろ姿を学びながら、今日までやってきました。皆さん、素晴らしい経営をされてこられましたけれど、晩年までいい会社の状態でもって、ハッピーリタイアメントされた方というのは非常に少ないんですね」、こう語ったといいます。

 

 

 時が移ろい時代が変われど、何も変わらないということなのでしょうか。過去の失敗が活かされていれば、今日このような事態になることもないのでしょう。

 そんな中、IT大手のサイバーエージェント藤田晋社長が、2026年に会長に退き、新社長を社内から起用すると表明したといいます。日本のITを牽引してきた稀代の経営者が後任探しを始めたそうです。

「藤田晋、60歳」社内資料に愕然…サイバーエージェントが本気の後継者選びに乗り出したワケ | 渋谷ではたらく社長の「最後の仕事」 | ダイヤモンド・オンライン

本物のパブリックカンパニーを作ることは最初から頭にありました。会社そのものが、みんなで作る作品のようなものです。ちゃんと続かなきゃいけないという意識は強いですね。そもそも『21世紀を代表する会社を創る』というビジョンを達成できたという感覚は、まったくありません。まだまだドメスティックな会社で、世界的な会社になるのがビジョン達成の大前提です。それを僕がいなくても、無理なくやり遂げる会社にならないといけません。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 藤田社長はこう語っています。最近では株価が低迷したりしています。いいタイミングでの表明なのかもしれません。会社が数字を追うようなことは避けるための英断だったのでしょうか。

 日本のインターネット黎明期に創業したIT企業の創業者たちがいまだに要職に就き、その企業を牽引しています。しかし、世界的な企業になるとの野望を達成できていないようです。それぞれが何かしらの問題を抱え、また不祥事や不正が露見するようにもなってきました。

 

 

私は一生懸命に頑張って会社を立派にし、数十億円の利益が出るようになった。そのとき、これはオレがやったんだ、オレの才能で、オレの技術で、オレが寝食を忘れて頑張ってきた.......(中略)....才能をオレが持っていたから京セラが上場し、大変な利益を上げるようになった....(出所:日経ビジネス

『オレがオレが』『もっともっと』と際限もない欲望を膨らませてはいけないと稲盛氏は語ったようです。「エゴが増大して、自分でも、そして周囲からも手がつけられなくなったとき、経営者は判断を誤り、社員の心も離れていく」と言いたかったようだといいます。

半導体が勃興していくには、ある人間が必要だった。たまたまそれが「稲盛和夫」であっただけで、ほかの存在が「稲盛和夫」と同じ才能を持っていれば、その人が代行していてもよかったはずだ。私が一介のサラリーマンであってもおかしくはない(出所:日経ビジネス

 企業の中で、目新しい変化が乏しくなり、マンネリに陥り成長に翳りがあるようなら、代替わりを考えてみるのがいいのかもしれません。そうすれば自身の晩節を汚すことなく、また違った分野での活躍もあるのかもしれません。

 

「参考文書」

SOMPO、桜田CEOが退任へ 若返り、ビッグモーター問題も | 共同通信