Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

水素で灯す聖火  脱炭素社会は水素で実現するのか

 

 東京オリパラの聖火に水素を使用すると、2020年東京五輪パラリンピック大会組織委員会が発表した。「聖火台は、東京大会による持続可能性の追求への象徴になる」と武藤事務総長が説明した。

 

 東京大会2020の会場でも、来場者や関係者の移動のためにFCV燃料電池車が多数走るという。東京都が昨年末に公表した「ゼロエミッション東京戦略」でも水素の活用が明記された。トヨタ静岡県裾野市に建設する「Woven City」でも水素エネルギーが利用されるという。

 

 「水素は脱炭素へのゴールデン・チケット」と武藤事務総長が口にした通り、水素で脱炭素社会は実現するのだろうか。

 

www.youtube.com

 

  

 水素で何ができるのだろうか

 トヨタ燃料電池車ミライが発売したことで、水素に注目が集まった。車に搭載した燃料電池で、充填した水素と空気中の酸素を化学反応させ発電して走る。

 家庭用燃料電池エネファームでも水素は利用されるが、その多くは化石燃料を改質して水素を取り出している。

 

燃料電池とは

 電気化学反応によって燃料の化学エネルギーを利用、発電する電池のことである。Wikipediaによると、燃料電池にもいくつかの方式があり、固体高分子形(PEFC)、固体酸化物形(SOFC)方式で車載化が現在検討されているという。

 燃料電池で使用される水素が再生可能エネルギーによって生産された場合以外は、水素の製造工程において汚染物質を発生する。

 

 

 家庭用燃料電池 エネファーム

 エネファームとは、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムのこと。化石燃料であるガスや灯油を利用、改質、燃料となる水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電するシステムで、発電時の排熱を給湯に利用する。Wikipediaによれば、発電の際には水素を用いるため二酸化炭素が発生しないが、改質で水素を取り出す過程では二酸化炭素が排出されるという。

 

 水素はどこから来るのか

 燃料として利用できる水素は天然には産出しない。水素をエネルギーとして利用するためには、化石燃料からの改質、電力で水を電気分解する方法、光触媒や高温ガス炉で水を分解して作られる方法がある。化石燃料を使用した製造工程では二酸化炭素が発生する。

 水素は製造する燃料なので、製造にエネルギーを要するため、エネルギーの浪費につながるとの指摘もある。一方、風力や太陽光等で発生した余剰エネルギーから水素を製造すればエネルギーの効率化へとつながるとも言われる。(参考:Wikipedia 水素燃料)

 

 褐炭から水素をつくる

 石炭の中で最も低品位なものが褐炭と言われる。親水性が高く、水分と水素結合しやすいという。この褐炭を利用して水素を作ることができるが、製造途上で二酸化炭素が発生する。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)助成による実証事業、Jパワー(電源開発)、川崎重工業岩谷産業、シェルジャパンの4社が設立した「技術協同組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)」が中心になってこの方法での水素化を進める。基幹技術は、Jパワーが培ってきた「石炭ガス化技術」。

 

 ガス化の仕組みはこうだ。褐炭を細かく砕き、酸素とともにガス化炉に噴出。炉内で1000度以上に加熱すると、微粉炭の主成分の炭素(C)が水分(H2O)や酸素(O2)と化学反応し、主に水素(H2)と一酸化炭素(CO)の可燃性ガスになる。このガスから水素を取り出し、マイナス253度で液化して輸送することで、炭鉱から離れた国での大量利用を可能にする。また、低価格の褐炭を原料として製造費用を引き下げ、需要先は世界中に拡大できる。需給両面で水素の普及を後押しするシナリオだ。(出所:産経新聞

 

 製造時に発生する二酸化炭素は分離・回収し、CCS技術を利用、枯渇したガス田などに輸送し、圧縮機で深さ1000メートル以上の地層の砂粒の隙間に封じ込め長期間貯留するという。この方法で、実質的な排出ゼロを目指している。

 

www.sankei.com

 

「Power to Gas」余剰電力を使って水から水素ガスを作る

 Power to Gasとは、再生可能エネルギーなどの余剰電力を使って、水を電気分解して水素やメタン等の気体燃料に変換、貯蔵、利用する技術である。

 この技術を活用した設備「福島水素エネルギー研究フィールド」が、今年3月福島県浪江町に完成する。

 福島民友新聞によれば、この施設は新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)と東芝東北電力岩谷産業が計画、敷地内の太陽光発電で生んだ電気を使い、世界最大級の水電解装置(最大10メガワット)で水素を製造するという。

 この設備で製造した水素の一部は、東京五輪パラリンピックでの活用が見込まれている

 

図1 福島水素エネルギー研究フィールド完成イメージ

図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像図2 本事業の全体像

(資料出所:東芝エネルギーシステムズ ニュースリリース

 

 東京都が示した水素の利活用「ゼロエミッション東京戦略」

 東京都は昨年末「ゼロエミッション東京戦略」を公表した。ゼロエミッション実現のためにはエネルギーの脱炭素化が欠かせないとした。

再生可能エネルギーの基幹電源化に加え、再エネ由来CO2フリー水素を本格活用し、蓄電や熱エネルギーとしての利用などにより、脱炭素社会の実現の柱にする」

 公表された戦略には、福島県産CO2フリー水素の活用にも言及している。

 

2050年のゴールに再エネ由来CO2フリー水素を脱炭素社会実現の柱にしていく。2030年に向けたターゲットとして、家庭用燃料電池100万台、業務・産業用燃料電池3万kW、ゼロエミッションバス300台以上、乗用車新車販売ZEV割合50%、水素ステーション150カ所を掲げる。(出所:日経BPメガソーラービジネス)

 

 

 

 水素を積極的に推進する企業は

 大手電機メーカー、自動車メーカ、総合商社など多くの企業が水素関連事業を推進し始めている。その中には、褐炭に関わる企業、水電解に関わる企業様々である。

 

東芝が進める「Power to Gas」水を利用した水素

東芝は、再生可能エネルギー由来の水素でつくるクリーンな電力を供給する水素燃料電池システムなどを開発、サプライチェーンを整備構築し、水素エネルギー導入拡大を図っている。

 昨年12月には再エネ水素ステーション敦賀市内にも導入した。再生可能エネルギーで発電した電力により水素を製造し、燃料電池車に充填できるシステムだ。1日当たり燃料電池車約8台の水素製造能力を有し、最速3分で満充填が可能だという。

 

 

 また、船舶や鉄道、車載向けの移動型燃料電池システムなどの開発を進めていて、水素燃料電池船の実運用化に向け協力しているという。

 

 

オリパラ東京大会2020にFCVを提供するトヨタ

トヨタも、再生可能なエネルギーである太陽光発電の電力を活用し、水素を製造・貯蔵・供給できる小型の水電解式水素発生充填装置を手がけ、すでに自社工場内(愛知県豊田市の元町工場)に設置しているという。

 東京オリパラでは燃料電池車(FCV)ミライを500台提供、その他にも、FCバス「SORA」や、豊田自動織機製のFCフォークリフトなどでサポートする予定だという。

 

モビリティイメージ

 

 米カリフォルニア州で開催された、貨物輸送の「ゼロ・エミッション化」を目指すロサンゼルス市港湾局が推進するプロジェクトのイベントで、燃料電池(FC)大型商用トラックを公開した。このFC大型商用トラックを使用した貨物輸送オペレーションを開始予定だとトヨタは公表した。

 

www.youtube.com

 

海外での水素利用は

 Forbesが海外での水素利用の状況を紹介している。南カリフォルニアでは、全米初となる無公害の「ハイドレール(Hydrail:水素を燃料にして走る鉄道車両)」の導入プロジェクトが進行し、スイスの鉄道車両メーカー「シュタッドラー(Stadler)」製の「FLIRT H2」が2024年に運行する予定だという。

 フランスの「アルストム」が開発した水素燃料電池で動く旅客電車は、既にドイツの通勤路線を運行しており、今後はフランスとイギリスも導入するという。中国は、2015年に燃料電池で走行する路面電車を導入し、政府は水素燃料を盛んに宣伝していると伝えている。

 米国の鉄道の電化率はわずか10%という。「電気鉄道には、コストの高いカテナリー式架線への投資が必要となるが、燃料電池列車は既存の線路を使って運行できるため、コストを抑えられる」とForbesは指摘する。

 

forbesjapan.com

 

まとめ

 脱炭素社会を目指して、様々な企業が水素技術の開発を急いでいる。化石燃料である褐炭を利用したプロジェクトでは、最初の水素製造および輸送試験が2020年から2021年の間に実施を予定だという。再生可能エネルギーを利用、水電解から水素を作る設備も福島で完成間近だ。

 東京都が示した、「再エネ由来CO2フリー水素を活用し、蓄電や熱エネルギーとして利用、脱炭素社会の実現の柱にする」というのが現実的な解のような気がする。

 

 福島で作られた再エネ由来CO2フリーの水素が、東京オリパラの聖火を灯す。何かそのことが象徴的なことになると思われる。

 

f:id:dsupplying:20200112101735j:plain

 

「関連文書」

www.nikkei.com

 

「参考文書」

www.toshiba-clip.com

www.khi.co.jp

 

project.nikkeibp.co.jp