サブスクが拡大を続け、利用できるサービスが増えている。GetNaviWebはサブスクを『ユーザーはモノやサービスの利用に応じて代金を支払うので、"所有"ではなく、"利用する権利"を持つ』と定義する。サブスクも第3世代に突入、IoTやAIを活用した「スマートサブスクリプション」と呼ばれる複合型の商品・サービスが始まっている。
サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進する社会トレンド、シェアリングエコノミー(共有経済)という消費トレンドもあり、今後もサブスクサービスは増えていく (出所:GetNaviWeb)
服のサブスク エアークローゼットの新たな挑戦
服のレンタルを展開し、サブスクの草分け的存在のエアークローゼットが『アパレル廃棄ゼロを目指し、サスティナブルな社会づくりへ』を公開した。
アパレル業界で、今、最も必要なことは「アパレル廃棄ゼロ」を目指すことだとエアークローゼットは指摘する。
英国のエレン・マッカーサー財団が推進する「サーキュラーエコノミー」に共感、「アパレル廃棄量の削減」「生産量の最適化」「適切なリユース・リサイクル」を通して、その実現を目指すという。
アパレル大量廃棄問題の現状
アパレル製品の廃棄問題は社会的な課題として全世界で問題視されており、日本国内でも年間100億トン=30億着以上の廃棄量があることがわかっています。(※2016年経済産業省調べ)英国バーバリー社は今年9月、自社製品の売れ残り商品の焼却処分やめることを発表。国内でもビームス社が「ビームスクチュール」として自社製品をベースにリメイクして販売したり、オンワード樫山社やワールド社がCSR活動として衣料品引き取りリサイクルを実施しています。全世界でこの社会問題解決に向けた動きが加速しつつあります。サスティナブルなファッション業界への変革が急務になっています。
(出所:PR Times “着なくなった洋服を最後まで活かす”アパレル廃棄問題解決プロジェクト『shareCloset(シェアクローゼット)』始動!)
2018年12月、エアークローゼットは、強みである検品技術とメンテナンスノウハウを生かしてアパレル廃棄問題解決プロジェクト『shareCloset (シェアクローゼット)』を始めた。捨てられれしまう服をリユース、リサイクルで再利用する仕組みを作った。
今回のエアークローゼットの発表では、「シェアクローゼット」に加え、自然エネルギー由来の電気を販売する「自然電力」との協業によるCO2排出量を削減するプロジェクト、寄付プロジェクト『サスティナブルドネーション』を新設し、SDGsへの貢献活動も開始するという。
サーキュラー・エコノミーをリードするエレン・マッカーサー財団
サーキュラー・エコノミーの先進地であるヨーロッパでは、エレン・マッカーサー財団がリードし、「CE100」を創設、素材から最終製品まで、多くのグローバル企業が参加している。日本からは、ブリヂストンや三菱ケミカルが参加する。
CE100は、サーキュラー・エコノミーへの移行を目指し、啓蒙活動や各国政府への働き掛けも行っている。
サーキュラーエコノミーでは、これまで捨てられてきたものを「資源」と捉えるので、廃棄物が出ず、ものが循環し続けるようになる。それにより、環境負荷が減る。それだけでなく、企業や自治体のコスト削減、原料の調達における危機回避にもつながる。(出所:IDEAS FOR GOOD)
www.ellenmacarthurfoundation.org
まとめ
使われる「資源」と「廃棄物」を減らすことを目指すのがサーキュラー・エコノミー。大量生産・大量消費社会からサーキュラー・エコノミー社会へ。国もヨーロッパの先進事例の調査を開始しているようだ。
シェアリングサービスとサーキュラー・エコノミーは親和性が高いと言われる。
使い切りのサブスクでなく、シェア型のサブスクであれば、サーキュラー・エコノミーへと繋がっていくかもしれません。
「参考文書」