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【新型コロナウィルス】企業活動再開を待つ中国 心配されるリスク

 

 新型コロナウィルスによる感染拡大が続く。国内での感染拡大が心配ではあるが、水際対策もあってか、急拡大の懸念はひとまず収まっているのだろうか。

 

 NHKは、『中国 各地であす企業活動再開の見通し 感染拡大防止が課題』と報じた。どの程度の企業が活動を再開するか気になる。

 企業活動が再開されれば、人の往来も増し、感染拡大も心配される。一方で、活動の休止が続けば、経済的ダメージばかりでなく、生活への影響も心配される。

 企業活動の休止状態が旧正月春節の長期休暇の時期に重なっていたので、急に商品が品薄になるようなことはなかった。ただ企業活動の休止が長期化すれば、何かしらの影響が出始めてくるだろう。

 

 

 多くの食品関連メーカが中国に工場を持つ。カレールーのハウス食品、ポテトチップスのカルビー、明治や森永製菓などなど。

 10日から生産再開予定と報じられているが、従業員は戻ってくるのだろうか。春節の時期、多くの従業員は故郷に戻っているはずだ。移動制限されている中で、生産を再開できるほどの従業員は集まるのだろうか。

 耐久消費財の品薄は多少は我慢出来ても、生活に密着する品々が品薄になるようなことがないか少しばかり心配にもなる。

 日本農業新聞は、中国からの技能実習生が戻ってこれないことで農村にも影響が出始めると報じる。

 

 

 新型コロナウィルスの影響は、日本ばかりでなく、世界あちこちに影響を及ぼしている。中国と国境を接するベトナムでは、工業製品の原材料を中国からの輸入に頼っている。原材料の輸入減となれば、ベトナムでのスマートフォン生産や繊維・アパレルといった産業に影響がでる。原材料の調達地変更は一気に進めることができない。

 主要産業に関わる輸入品のうち、中国からの輸入が大きい品目は「生地」や「繊維・皮革・履物の原料」、「電子・電子部品」など (出所:NNA ASIAニュース)

www.nna.jp

 

隣国韓国も日本と同じような構造であろう。サムスンやLGなどが中国に多数の工場を持つ。

 

www.nli-research.co.jp

 

 

中国は世界の工場となっている。グローバル化が進展し、商品のサプライチェーンを辿れば、中国との係わりがあることが分かる。

 

 ウォールストリートジャーナルは、アップルを事例に中国依存のリスクを指摘する。

アップルは生産拠点を多様化していないため、感染拡大で最も影響を受けやすい外国企業の1つとなっている。近年はiPhoneの組み立てをベトナムなど中国以外の場所で行うことも検討したが、設備やトレーニングコストが高すぎることから、大半の製品を中国から輸入する方針を変えなかった。(出所:WSJ

 
jp.wsj.com

 

アップルはその優れた業務運営手腕で知られ、サプライチェーン(供給網)に関わる問題をうまくかじ取りした実績もある。事情に詳しい関係者によると、2011年の東日本大震災による福島第1原発事故の際には、アップルの端末に必要な光学デバイスの生産を維持するため、立ち入り禁止区域外に新工場を設置した。同年にタイで豪雨により工場が浸水した際には、タイ海軍の力を借り、生産に必要な重機を船に積み込んだという。(出所:WSJ

 

 SARSのときよりさらにグローバル化が進展し、中国依存が増している。産業集積が進み中国で生産することで、「低価格」という魅力を提供することができるようになった。

 一方で、こうしたことが起きるとリスクになり、生活へ影響を及ぼしかねない。

「安さ」ばかりを追求した結果なのかもしれない。「安心・安全」が何よりも重要なことのはずである。一極集中を見直す必要があるのかもしれない。

 

 何より一刻も早く収束して欲しい。

 

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「関連文書」

jp.weforum.org

 

「参考文書」

www3.nhk.or.jp

www.agrinews.co.jp