「国立環境研 対話オフィス」が、日本人一人当たりのカーボンフットプリントを紹介する。
日本は、フィンランドより少なく、中国より多い
カーボンフットプリントとは、 「炭素の足跡」のこと。
「商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したもの」
とサステナブルジャパンは説明する。商品やサービスだけでなく、個人の活動のカーボンフットプリントも算出できるという。
本研究では、暮らしの中で生じる温室効果ガスの排出をカーボンフットプリントとして計算。日本では1人当たり7.6(二酸化炭素換算トン/年)に対し、フィンランドはそれを上回る10.4、このほか、中国は4.2、ブラジルは2.8、インドは2.0となっています🐱ぺあ
— 国立環境研 対話オフィス (@taiwa_kankyo) 2020年2月12日
公益財団法人地球環境戦略研究機関が発行した「1.5°Cライフスタイル ― 脱炭素型の暮らしを実現する選択肢 ― 日本語要約版」もTwitterで紹介する。
- 1.5℃目標に対応する世界共通の1人当たりのフットプリント目標を提示した。その目標のもとでは、日本人はライフスタイル・カーボンフットプリントを2030年までに67%、2050年までには91%削減する必要がある。
- 平均的な日本人のライフスタイル・カーボンフットプリントの約70%は「食」「住居」「移動」に関連し、これらの領域における脱炭素型の暮らしへの転換が効果的であり、すでに実践可能な複数の選択肢が存在する。
- 脱炭素型の暮らしへの大規模な転換を実現するには、個人や家庭が利用する製品やサービスの生産・流通にかかわるシステムの変革と、個人や家庭によるライフスタイルの転換の両方を推進することが不可欠であり、消費者と生産者の双方が相互に働きかけていくような好循環を形成することが重要である。 (出所:公益財団法人地球環境戦略研究機関)
こうした研究機関が発行するレポートは何か重々しい。こうあるべき、こうすべきでは少々荷が重く感じてしまう。「気候変動」のことや「脱プラ」のことは気になることだから、知識として知っておいた方が良いとは思うけど。
それよりは、ステラマッカートニーが言う
「パーフェクトを目指さなくてもいい。みんなで少しずつ力を合わせたら大きな変化をもたらすことができる」
という言葉に共感してしまう。
みんなが1週間のうち1日だけ肉を食べないだけで、大きなインパクトよ。パーフェクトを目指さなくてもいい。環境への効果は1週間の移動をやめるのと同じくらい大きな影響を与えられる。みんなで少しずつ力を合わせたら大きな変化をもたらすことができる。
私は自分がビーガンであるべきと思うけれど、実際にはビーガンじゃないから罪悪感がある。インタビューで認めたくないことだけどね。ビーガンだったらきっともっといい環境保護主義者になれるのに――今は週6日ビーガンで、1日だけチーズを食べるの。(出所:WWD Japan)
サステイナビリティーは消費者も巻き込んで成立するもの、どうコミュニケーションするかの問いに、
『ある人はコミュニケーション不足だと言うけれど、私は人にお説教するつもりはないの。パーフェクトな人なんていないしね。パーフェクトぶっている人はいるけど、そういう人は嫌いだし、私はそうはなりたくない』
と答えるステラの声をWWD Japanは紹介する。
ステラの言葉に共感はできるけど、少しばかりの主張もあってよいのではと思ったりする。その匙加減が難しいことだけど。
アップル 気候変動に立ち向かうためカーボンフットプリント削減に挑戦
ビジネスは顧客のニーズに応えることで成立する。顧客の「ペイン」を真剣に考え、最善のプロダクトやサービスを提供する。そんな中で、環境への配慮のことも少しだけわかりやすく顧客に伝えていく。
なかなかそうした企業は見当たらないけど、「アップル」や「パタゴニア」とか、それに近いのかもしれない。
「地球から何も取らずに製品を作る。不可能に思えるでしょう。でも、それがAppleの目標です」。
「カーボンフットプリントを小さくする取り組みを、大きく進化させています」
とアップルはWebページで説明する。
『気候変動に立ち向かうため、Appleは2015年以来、自らのカーボンフットプリントを全体で35%削減しました』
ここには数百のサプライヤーと、Appleのユーザーが使っている数億台のデバイスも含めています。
世界中にあるAppleの施設は、すべて100%再生可能エネルギーで稼働するようになりました。さらに私たちは、再生可能エネルギーを新興市場にもたらす方法を見つけ、みんなが再生可能エネルギーを利用できるように各地域の電力会社と連携することで、他社による同様の取り組みを支援しています。 (出所:アップル Webページ)
良いものを長く使う
主義主張が強くなり過ぎれば、分断化が起き、対立が生じる。ストイックに求める人、少しおっとりとした人、色いろな個性が交じり合って多様性が生み出される。
対立を紐解くことに時間をかけるよりは、多様性を受け入れていけば、「気候変動」のような難題は解決に近づていくのかもしれない。
少しゆるくなってしまうのかもしれないけど、
「良いものを長く使う」
そんなことで、何故かCO2削減や脱プラの目標に近づくていく、そんな消費の世界があっても、良いかなと思ったりする。
昨年、アップルはグリーンボンド20億ユーロ(約2400億円)を起債したという。
調達した資金は、温室効果ガスの排出量を示す「カーボンフットプリント」の抑制や、環境に配慮した部材の使用、資源の節約に充当する方針とブルームバーグが伝えていた。
「参考文書」