Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

生分解性のティーバックが登場 サスティナブルなお茶に取り組む伊藤園

 

 お茶とは不思議な飲み物である。世界各地に茶文化があり、遠い過去では争いまでに発展したりする。

色々な茶種があり、産地や焙煎によって味が変化し、実に奥が深い飲み物である。中国茶専門店で色々な茶葉で試飲させていただき、うんちくを聞くとその奥深さに魅了されてしまう。 

 「お~いお茶」で知られる伊藤園が、『日本初となる植物由来の生分解性フィルターを採用した環境に優しい「お~いお茶 緑茶」ティーバッグを4月13日(月)より販売開始する』と発表した。

 

 ティーバックフィルターには「グリーンプラ認証」を取得したポリ乳酸を使用、コンポスト処理すれば、微生物の力で水とCO2に分解される。

ティーバッグの構造そのものを見直し、フィルター使用量を約50%削減、ティーバッグの個包装にも紙素材を採用することで、プラスチックの年間使用量を約15t削減、環境に配慮するという。

2021年をめどに、その他ティーバック製品にもこの生分解性フィルターを採用していくとしている。 

www.itoen.co.jp

 

 

 伊藤園が取り扱う茶葉は、国内生産量の約4分の1になるという。安定的な茶葉調達ということもあるのだろうか、「茶産地育成事業」を推進する。その背景には、茶葉の生産現場では就農人口、茶園面積の減少、地域によっては耕作放棄地が増加していることがあるようだ。

 荒廃した耕作放棄地を再び農地に復活させ、茶葉を栽培、そこから収穫される茶葉を全量伊藤園が買い取る。その茶葉から「お~いお茶」が作られ、抽出した後の茶葉は、代替原料としてリサイクルされていくという。
伊藤園が進める「茶殻リサイクルシステム」では、茶殻に残存する緑茶ポリフェノールの有効利用させようと、様々な商品の原料の一部として活用され始めている。

お茶入り畳「さらり畳」やお茶入り枕(茶殻入りコルマビーズ) などなど。

茶殻を枕素材に配合することで、消臭・抗菌機能を付与することができたりするという。 

 

 

お茶を本業とする伊藤園は、お茶そのものを持続可能なものとしようとする。

今回発表されたプレスリリースには、

『今後も、環境問題の解決と伊藤園グループの成長を両立させる「共有価値の創造(CSV)」を具現化する持続可能な生産と消費を通じて、持続可能な社会・環境の実現に貢献してまいります』とプレスリリースに書き記す。 

CSV(=Creating Shared Value)とは、マイケル・ポーターらが提唱した「社会価値」と「経済価値」を同時に実現するという考え方。

 本業以外でも、容器のリサイクルに取り組み、「お~いお茶」ペットボトル製品を『100%リサイクルペットボトル』に切り替え始めているという。また、「健康ミネラルむぎ茶」の生産時に排出する“むぎ茶殻”のリサイクル技術も確立、梱包用プラスチック製緩衝材の代替となる古紙から作られるの緩衝材を給湯器メーカ ノーリツと共同開発している。 

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伊藤園は様々な領域の研究開発を続ける。この研究開発は「共有価値の創造」の源泉になっているのだろうか。

蓄積された基盤技術と多様な関係者とのアライアンスにより技術やアイディアを結実させ、お客様に健康で豊かなライフスタイルの提案を続けてまいります。 (出所:伊藤園ホームページ

共有価値創造プロセス

 (画像出所:伊藤園ホームページ

 

 茶殻は、一般家庭では通常「生ごみ」と処理されるのであろうか。生分解性のティーバックであれば、コンポスト処理することもできるようになる。そんな形で生分解性プラスチックスが普及していくといいのかもしれない。  

 

 

「関連文書」

gigazine.net

 

「参考文書」

www.itoen.co.jp

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