誰でも、得手不得手はあるだろう。「アニマルウェルフェア(動物福祉)」については賛成だが、あまり得意ではない。想像してしまうと、胸が痛むので、ついつい避けてしまう。
アフリカのサバンナを思い、「自然界の掟」、必要最小限にむだなくを心がけようと思う。草食動物でも、同じところで草を食べつくない。自然の中の生き物も「サスティナビリティ」に行動している。そう思うことにしている。
WWD Japanが羽毛の回収・再利用プログラムGDP(グリーン ダウン プロジェクト)を紹介する。
羽毛の回収・再利用の量も年々増加し、昨年2019年は約60,000kg(予想)回収され、約30,000kg再利用されるという。
この羽毛、ダウンの回収・再利用を推進するのが、一般社団法人「Green Down Project」。持続可能な環境づくりとして、「Animal Welfare(動物の福祉)に配慮する」という。
参加企業には、河田フェザー、三陽商会、ジーンズファクトリー、スノーピーク、豊島、西川、ユナイテッドアローズ、ユニーなどが名を連ねる。
GDPは正会員約35社と協力会員約80社などで構成されているという。正会員は羽毛洗浄企業、製品生産企業(羽毛原料購入企業)、販売企業一覧からなり、協力会員は羽毛の製品回収だけを行う。
羽毛メーカ河田フェザーが回収した羽毛を洗浄、再商品化、豊島や東レインターナショナル、山一、伊藤忠商事などがその羽毛を原料として購入し製品化、ゴールドウィン、三陽商会、ユナイテッドアローズ、西川オンワード樫山などアパレルから寝具メーカなどが商品を販売する。
羽毛製品の回収は、イトーヨーカー堂や三越伊勢丹ホールディングス、ユニー、昭和西川などが行っている(参考:WWD Japan)。
正会員は、毎年の回収量に合わせ、リサイクルしたダウンの割当量が決まり、それを買い取り製品化するという循環で、毎年、安定的にリサイクルダウンを受けることができる。(出所:WWD Japan)
このプロジェクトには、業界の垣根を超え、多くの企業が参加する。業界共通の資源を回収・再利用していくとの利害が一致してとのことであろうか。
WWD Japanがユナイテッドアローズの佐竹氏の言葉を紹介する。
「理解ある立ち上げメンバーに恵まれたということはもちろん、素材がダウンだったからうまくいったというのは正直あったと思います。ダウンは“詰め物”で、各社共通のモノを使ったとしても、デザインや素材などで独自色が出せます。そういった意味でダウンはリサイクル資源として優秀で、こういった取り組みに合っていると思います」。(出所:WWD Japan)
NHKは、廃棄されるはぎれ生地をアップサイクル企業を紹介する。このアップサイクル企業には、繊維メーカが協力するという。
イタリア北部に拠点を置く、創業150年を超える老舗繊維メーカーも、フィスカレさんの取り組みに協力を申し出るようになった。この繊維メーカーは顧客に高級スーツブランドも抱え、ウール製品では世界最大規模の生産量を誇る。2年ほど前から、使わない生地をフィスカレさんのブランドに、ほぼ無料で提供している。(出所:NHK)
リサイクルは企業が単独で行なうことには限界がある。協力し合える企業が集えば、効率的に資源の再利用が進む。
アップサイクル、創造的再利用とも呼ばれ、今あるものをよりよい価値ある製品に変えていくことであう。
羽毛は100年も使える素材だという。それを捨ててしまうことは「もったいない」。再利用をさらに進めば、「アニマルウェルフェア(動物福祉)」にもつながる。
企業連携が資源の効率的な利活用を生み出す。企業で競い合ったいた時代が終わりを迎えつつあるということなのであろうか。
「参考文書」