GWが明けた金曜日、諸々滞っていた手続きのため、外に出た。コロナ前よりも人出が多いのではと感じた。
9日、西村大臣が、「若干の緩みが生じている可能性がある。これまでの努力を水の泡にしないよう継続をお願いしたい」と発言したという。
「緩み」という表現が適切なのどうか。「箍(たが)の緩み」というか、「箍を外す」とでもいうことであろうか。
ピークアウトした数字をみて、少しくらいはと、つい箍(=規律や束縛)から、能動的なのか、無意識的なのか、抜け出してしまったということなのではなかろうか。
自粛要請に協力して、ここまできたのだから、もうそろそろとの気持ちもあるのかもしれない。もちろん、自身は感染しないように細心の注意は払ってはいるつもりではあれけれど.....
国内の大手企業は、GW明けも引き続きテレワークというところが多いようだ。
中国では、多国籍企業が新しいオフィスについて模索を始めているとロイターが伝える。イタリアのタイヤメーカのピレリは、中国での取り組みを他の国でも展開するという。
「従業員同士の空間を広げ、部屋にいる人数を減らし、オフィスのレイアウトを変更しなければならない」
職場フロアへの出入りに階段を使うよう従業員に指示すべきか思案中だ。エレベーターを使うなら1人ずつとすること、ランチのシフト制導入、在宅勤務の一部継続、時差勤務、机のレイアウト変更など、検討事項は多い。
「真の過去との決別は、オフィスの設計変更によってもたらされるだろう」 (出所:ロイター)
国内企業はどのようにオフィスを変えていくのだろうか。新たなオフィス設計を、働き方改革や企業文化の改革につながるようにしていくべきなのかもしれない。
精神論や制度を変えただけであれば、まだ改革の入り口ということであろう。物理的な空間が従業員に配慮された空間になれば、案外、働き方改革は容易に進み始めるかもしれない。
働き方改革の主役は従業員であるし、オフィスも、そこで働く従業員が主役だ。環境が変わり、その雰囲気が伝われば、気持ちに変化が生じるであろう。
日本人の88%が「新型コロナの影響により、世界は深刻な危機にある」との見方をしていると日本経済新聞が伝える。4月の半ばでの調査のようだが、今は少し変化があるのだろうか。
日本経済新聞によれば、日本消費者の73%が、日々の生活スタイルを変えたという。英国(85%)やイタリア(83%)を下回っているという。
「危機感は強くても、慣れ親しんだ暮らしを変えることにためらいを感じる消費者が比較的多い現実が浮かび上がる」と日本経済新聞は指摘する。
大幅に行動制限を緩和した韓国で、コロナ感染者が増加したという。若者らによるクラブでの集団感染らしい。
封じ込めの困難さが伝わる。韓国政府が規制を強化するかもと指摘する声もあるようだ。
身についた無意識な習慣を変えることはなかなか難しいのかもしれない。
「人こそ人の鏡」という。
他者の行動をみて自分を見つめ直す必要があるということなのだろう。
しばらくはコロナとの「いたちごっこ」が続いてしまうのかもしれない。
「水は方円の器に随う」ともいう。
リーダーたちが、お願いばかりでなく、もう少しわかりやすく、行動変容を促す配慮をすれば、変化がおきるかもしれない。
あんぱんをぶら下げて、協力をお願いする方法にも限界があるということでもあろう。
難しい問題である。
どうも、長く時間が掛かることは間違いなそうだ。