Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

「ゲームチェンジャー」 ただの偏見だけなのだろうか

 

 偏見、差別。医療従事者への偏見や差別がなくならないという。 

 その一方で、多くの企業が医療従事者をサポートしようと様々な支援活動を堰を切ったように始める。

 名古屋市の河村市長も、医療従事者に手当を支給する考えを明らかにした。

 米国では、アメリカン航空とホテルグループの「ハイアット」が、ニューヨークの公立病院の医師や看護師ら全職員に3泊4日の休暇旅行を無料で贈呈すると発表したという。

 

www.cnn.co.jp

 

 

 

 バンクシーが発表した「Game Changer」という新作の風刺画が、「医療従事者への敬意」か「大衆やメディアへの皮肉」なのかと議論を呼んでいると美術手帖が伝える。

 

 スーパーマンのようなマントをなびかせる看護師の人形は「新しい時代のヒーロー」の象徴として描かれている。

ただ、そのヒーローは商業用にグッズ化されて(バンクシーがもっとも忌み嫌っているやつだ)玩具になり、飽きやすい子供によって無邪気に消費されている、という構図がある。 (出所:美術手帖

 

www.instagram.com

世界赤十字デーにあたる5月8日には、医療従事者に称賛が集まることを予測したうえで

「もし私たちが医療従事者の献身を無邪気に感謝するだけで満足すれば、彼らを使い捨てすることになる」

とクギを刺しているのだ。

それはイギリスの偉人で「看護の母」ナイチンゲールの言葉を引けば、「犠牲なき献身こそ真の奉仕」ということだろう。

つまり看護や医療をプロの仕事として成立させることが福祉の根幹で、彼らの自己犠牲に頼る援助活動は、決して長続きしないとナイチンゲールが訴えてきたことでもある。 (出所:美術手帖

 

 芸術、アートとは、実に奥が深いと改めて感じる。

 

bijutsutecho.com

 

 ニューヨークでは、「特別養護老人ホームの居住者のためのコロナウイルス保護を強化する」とロイターの米国版が伝える。

 ニューヨークのアンドリュー・クオモ知事は、すべての特別養護老人ホームスタッフに少なくとも週に2回ウイルスの検査を行うように指示したという。

「私たちの最優先事項は、特別養護老人ホームの人々を保護することです」

 ロイターによると、特別養護老人ホームでコロナ患者が発生した場合、適切な治療とサポートを提供できないと判断された場合、州の医療機関に移送するようにしたという。また、患者のために十分な病床が確保されているともいう。

 

www.reuters.com

 

 一方、東京では、4月28日現在、1,832人のコロナ患者が入院、2,000人のベッドのうち91.6%が提供されているという。

 

 

 

 英国のジョンソン首相が、コロナに感染し、退院したときに医療者に感謝の言葉を述べたことは記憶に新しい。

 コロナの真の恐ろしさを知る政治家ということであろうか。

 

www.bbc.com

 

 ジョンソン首相は第2波に強い警戒心を抱いてようだ。

「死亡率と入院率の両方が低下しているからといい、第2波を許すことになれば、

それは「狂気の沙汰」「愚行」と言わざるを得ない」。

 

「単に封鎖を終わらせる時ではない、代わりに、これまでの対策を見直し修正するために、初期の注意深い段階に踏み出したと述べたそうだ。

 

 BBCによれば、「今後2カ月の間、我々は単なる希望や経済的な必要性では動かない」、「科学やデータ、公衆衛生を鑑みて判断していく」と述べたという。

「こうした緩和はすべて条件付きのものだ。すべては一連の条件次第だと、改めて強調しておく」

 

  真に病気の恐ろしさを知るからこその言葉かもしれない。

「警戒を続け、ウイルスを制御し、命を救おう」

(Stay alert, control the virus, save lives)

という、新しいメッセージをツイッターで発信したとも伝える。

 

 We can help control the virus if we all stay alert.

Stay at home as much as possible.

Limit contact with other people.

 

www.bbc.com

 

 

 

 ジョンソン首相は退院時のメッセージで、「みんなのNHSはこの国の脈打つ心臓なので、この国の最も良い部分で不屈です。愛情によって動いています。だから僕から、そして、みんなから、NHSありがとう」と語っていた。

 

 実際に、コロナに感染し、生死の間を彷徨ったからこその感謝の言葉なのかもしれない。

 

 病院がもしコロナ患者の受け入れを拒絶していたらと考えるとおぞましい。どんな事態になっていたのだろうと想像することもできない。

 

フローレンス・ナイチンゲール、その名を聞いたことはあったが、功績までよく理解していなかった。

 Wikipediaによれば、ナイチンゲール赤十字社活動には関わっていないという。むしろボランティアによる救護団体の常時組織の設立には真っ向から反対していたという。

 

 今ある看護士という職業は、ナイチンゲールあってのことだったのかもしれない。

 

「犠牲なき献身こそ真の奉仕」の言葉の裏には、「構成員の自己犠牲のみに頼る援助活動は決して長続きしない」ということを見抜いていたという。

 

  様々な職業があり、それぞれがそれぞれの役割を果たすことで世の中は成り立っている。人の心も多種多様で、それが複雑に絡みあいモザイク状になって世の中の空気感を作り出しているのかもしれない。

  医療従事者たちだけに自己犠牲を強いてはいけないし、不安のはけ口にしてはならないと改めて気づく。そこには何か思い込みなどはなかったのだろうかと。

 

 韓国では、クラスターが発生、また感染者が増加したようだ。日本経済新聞新興国での感染が拡大していると伝える。まだまだ油断ができない日が続きそうだ。

 

r.nikkei.com

 

「関連文書」

www.bloomberg.co.jp

 

「参考文書」

www.reuters.com

 

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