Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

コロナというトンネルの出口にあるもの 

 

 改めてコロナの感染状況を見てみると、世界で460万人もの人が感染し、31万人もの人が犠牲になっている。それでもまだ収束を見通すことができない。いつになったら収束するのだろうか。世界の感染状況は深刻のようだ。

 

 海外からみると、国内の感染状況は、不思議とか奇跡に見えるのかもしれない。「日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいっている不思議」と外国人ジャーナリストがNewsweekで指摘する。 

ソーシャル・ディスタンスも、個人の善意と、少々の社会的制裁に委ねられている。飲食店は、アルコールの提供は午後7時まで、そして午後8時には閉店するように(丁重に)要請された。

「社会的接触の7~8割の削減」という野心的な目標が掲げられた。そしてデータ分析によると、この数値目標はかなりの割合で達成された。

ゴールデン・ウィーク恒例の帰省ラッシュも今年はかなりの程度回避された。新幹線を運行するJR各社によると、今年の連休中の新幹線の乗車率は5%程度にとどまり、例年の乗車率105%と比較すると乗客は大幅に減少した。

日本は自らを法治国家、そして公衆衛生の意識が高い社会と見ているが、国民全員がまじめに感染予防策を実行したわけでもない。

大きな懸念材料となったのは、人が密集しがちなパチンコ店だ。ほとんどのパチンコ店は営業を自粛したが、営業を続けた店舗もあった。各自治体は営業を続ける店舗の名前を公表する対抗措置を取ったが、逆に宣伝になって数少ない営業店舗に入ろうとする客が長い行列を作った。

しかし全体としては、相手を気遣い、人との距離を取り、握手を避け、清潔を心掛ける日本の文化は、数値で図ることが困難だとしても、感染者数を抑える上で大きな役割を果たしたようだ。 (出所:Newsweek

 

www.newsweekjapan.jp

 

 様々な意見があるのだろうけど、結果だけをみれば、ジャーナリストの指摘の通りかもしれない。

 そして、結果的に、他の国より100万人あたりの犠牲者の数が少ない。

感染拡大が始まった当初、検査対象を「入院が必要になる可能性が高い重症患者」に絞り、感染で死亡する人の数を減らすことを全体目標に掲げた。

世界保健機関(WHO)西太平洋地域の元事務局長で、日本政府の同ウイルス対策専門家会議の副座長を務める尾身茂は2月半ば、「感染拡大のスピードを抑え、死亡率を下げることがこの戦略の目標だ」と言っていた。

その成果は見事なものだ。人口100万人あたりの死者数では日本が5人なのに対し、アメリカは258人、スペインは584人。ウイルスとの闘いに成功したと見られているドイツでさえ94人だ。 (出所:Newsweek

 

 国内に限れば、感染者数の減少傾向が続いている。

 朝日新聞によれば、現在の感染者は6697人。4月28日時点の8711人から約2千人減っているという。

 医療機関に入院している人は4449人(前回5558人)、自宅療養は957人(同1984人)、宿泊施設は872人(同862人)。人工呼吸器を使ったりしている重症者は341人だそうだ。

 

 

 

 少々コロナ疲れしてきているけど、こうした記事を見ると、少し気が休まる。

 日々のもめごとはあるのかもしれないけど、全体的にはいい方向に進み、収束への希望も見えてきそうな感じがする。

 ネガティブな事象が少数あったり、頼れない政府であっても、圧倒的多数の人々の気持ちが積み重なった結果が今日の状況ということなのであろう。

 

 少しばかり長かったような気がするが、トンネルの出口の明かりが見えてきているように思う。

 

  39県で緊急事態宣言が解除された。少しずつだが、経済活動が再開されたのだろうか。まだ自治体ベースの自粛要請があったり、個々の企業で自粛を続けたりする動きもあるようだ。

 社会全体としての2次感染防止ということはもちろん考慮されるのだろうけど、そこにちょっとした配慮もあるように感じる。

 コロナがやって来る前までは、誰もが血眼になって売上や利益だけを追っかけていた。このコロナでそうした考えを見直すきっかけになったのではなかろうか。

 お客さま、そして、従業員のことを優先に考えなければならなくなった。少しづつ良い方向に進み始めたのかもしれない。

 なかなか解決に向かわなかったSDGsや気候変動対策のきっかけになればと願ったりもする。今、コロナ対策で実行していることが、SDGsなどにかかわることも多いのではなかろうか。  

 

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(画像出所:ストックホルムレジリエンスセンター)

 

 

 社会課題を解決していくということは、こういうことなのかと思ったりする。個々人の状況は異なっているのだろうけど、目標が共有され、個々人ができる範囲のことをすれば、結果が少しづつ積み重なっていく。

 ただ少しだけ時間が必要ということなのかもしれない。

 そう思うと、解決できない問題などないように思ったりもする。時間をかけながら理解され、共通の目標になれば、少しづつ何かが変わり、解決に向かっていくようになるのだろう。

 

「思いやりの行動を取った後は、常に自分が誇らしく思えるからだ」

現実的で実用的な思いやりの行動は、人のためになり、ビジネスのためにもなる。

思いやりの行動は、それを行う人にも有益である。それは、実態のある行為であればあるほどよい。

他人のために何かをしたときの満足感は、自分自身にも利益をもたらすのだ。 

(出所:Harvard Business Review)

 

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