8月17日、正午過ぎ、静岡県浜松市で国内最高気温となる41.1℃を記録したという。フェーン現象の影響があったようだ。2018年の埼玉県熊谷市の記録に並んだ。
暑すぎる夏、危険な気温は国内だけではないようだ。
米国カリフォルニア州デスバレーで、16日、54.4℃を観測したという。世界のこれまでの最高気温は、同じくデスバレーで1913年7月10日に記録した56.7℃だという。
今年の欧州も暑い夏になっているようだ。
サハラ砂漠上空の熱い空気が熱波となって欧州に襲来し、8月6日以降、各地で最高気温が35℃以上になったという。
中日新聞によれば、モンブランの南東に位置する伊北部クールマイヨールでは、プランパンシュー氷河の一部が崩落する恐れを受け、地元当局が避難命令を出したという。
危険な温度、「地球温暖化の影響等により、全球で大気全体の温度が高い」と気象庁はいう。そうした状態に加えて、フェーン現象などの自然現象が加われば、極端な暑さになっておかしくないのかもしれない。
東京大学が、「グローバル・コモンズ・センター (Center for Global Commons) 」の設立を発表した。
東京大学未来ビジョン研究センターの持続可能な開発目標(SDGs)研究部門に開設したという。
グローバル・コモンズ・センターのホームページで、その設立趣旨が説明されている。
私たち人類は今、人類史の重大な岐路に立っています。
という一文から設立趣旨は始まる。
「人類は地球に巨大な負荷をかけ続け、地球システムの限界をあちこちで踏み越えている」という。
異常気象の頻発や新型コロナなど新たな人獣共通感染症の発生など、その深刻な帰結が目の前で起こっています。
このままでは間もなく、1万年にわたり人類文明を育んできた安定した地球環境は大きくバランスを崩し、人類社会は危機に瀕することでしょう。
私たちは、急いで地球という人類の共有財産(Global Commons)を守る方法を見つけ、合意し、行動しなければなりません。
具体的には、エネルギー、食料、資源循環、都市といった地球システムに大きな影響を与える社会・経済システムを大転換し、人類と地球が共に持続可能な未来を築く必要があります。
(出所:東京大学未来ビジョン研究センター公式サイト)
人類の共有財産(Global Commons)とは、公海、大気、宇宙、南極や天然資源など、地球上で共有されるもの。サイバー空間も、グローバルコモンズの定義を満たすともいわれる。
グローバル・コモンズ・センターの開設に合わせ、三菱ケミカルは活動支援のため寄附を行なったという。
サーキュラーエコノミーの実現に向けて、東京大学と三菱ケミカルは協働していくことでも合意したという。
「資源循環・有効活用の観点で化学産業、素材産業が目指すべきビジネスモデル等について共同研究を進める」。
サーキュラー・エコノミーは、センターの優先テーマに上がり、第一段階(2020-2022年度)での2つの柱のひとつになっている。
連日続くこの猛暑ということもあるのか、Yahooニュースの「なぜ日本人は気候変動問題に無関心なのか?」という記事が気になった。
国立環境研究所 地球環境研究センター 江守正多 副センター長が書かれたものだ。
江守副センター長は、 2015 年に行われた世界市民会議の調査結果から「気候変動問題への無関心の根底にあるのは、対策行動の「負担意識」ではないか」と仮説を立てる。
気候変動を対策するためには、個々人が、時間、手間、注意力、快適さ、金銭等の自身の持つリソースを幾ばくか負担する必要があるという観念、平たくいえば、地球温暖化を止めるためには、個々人が我慢や経済的負担や面倒な行為や生活レベルの引き下げなどを受け入れる必要があるという認識を多くの人が前提としているのではないかと、江守副センター長は指摘する。
こうした意識が、気候変動に関する科学的知見に触れたとしても、受け止めずにやり過ごすことを、無意識的に選択させている動機ではないかという。
「あなたにとって,気候変動対策はどのようなものですか」という問いに対して,
「多くの場合,生活の質を高めるものである」と回答したのは、世界平均の66%に対して、日本では17%
「多くの場合,生活の質を脅かすものである」と回答したのは,世界平均27%に対して、日本では60%であった。
また,傍証としては,「Yahoo!ニュース」で気候変動対策の必要性を訴える若者などの主張が紹介されると,必ずと言っていいほど「生活レベルを落とすことになるのをわかっているんでしょうか」といったコメントが匿名ユーザーから投稿され,多くの「いいね」が付くことが観察される。
(出所:Yahooニュース)
ミドリムシのユーグレナ社が、CI、コーポレート・アイデンティティを刷新し、「ミドリムシ」の会社から「Sustainability First」の会社へアップデートしますと発表した。
これに合わせ、コーポレートロゴをカタカナ表記に刷新し、「いきる、たのしむ、サステナブる。」というタグラインが加わる。
「サステナブル」という言葉は、日々生活する上でどこか「遠い話」「大変そう、めんどくさい、」と感じてしまいがちですと、ユーグレナはいう。
「サステナブル」をもっと身近に感じてほしい、生活に取り込んでほしい、自分にも当てはまると感じてしてほしい、行動変化させて欲しい、そのような思いから、「生きる」「楽しむ」という日常の中の幸せを感じられる言葉と並列させて「サステナブル」を配置したタグラインを作ったという。
並列させて記載することによって、サステナブルが、「生きる」こと「楽しむ」ことと同じことであると身近に考えてもらいたいという意図があります。
また、あえて「サステナブる」と動詞的な造語で表現することで、単なる概念に満足せず、持続可能性について自問しながら具体的に行動し続けたいという意志を込めています。
連日の猛暑、危険な暑さでは、誰もが熱中症を警戒する。水分を取り、適切に冷房を使って、熱中症予防する。
新型コロナでは、感染に警戒し、知りえた知見をもとに、3密を避け、手洗いや消毒などを心がけ、個人として、ウィズコロナに対処するため行動変容させる。
「気候変動対応」や「サスティナビリティ」についても、新型コロナと本質的なところでは変わらないのかもしれない。問題を認知できれば、行動変容が起きるのかもしれない。
「サステナブる」、そんな言葉をみんなが使うようになればいいのかもしれない。
今週末は雨になりそうだとの週間予報。少しだけ気温が下がりそうだ。
「参考文書」