Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

新しいエネルギー文明への移行始まる

 

 できることなら、心穏やかに暮らしたいとつくづくそう思うようになった。ウィズコロナのご時世だからからもしれない。

 「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐ可からず」と徳川家康が言ったというけれども、何もコロナという重荷を背負うこともないはずである。早期に解決に向かえばいいとつくづくそう思う。

 政府が呼び掛けた「勝負の3週間」もあまり効果がないようだ。ステイホーム、3密回避の方がインパクトがあったのかもしれない。

 

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 問題解決は、そのための計画を作成できれば8割解決したようなものという。計画らしきものがないのだから、ずるずると長引くのは仕方がないことなのだろう。

 

 

 

カーボンニュートラル、その流れに乗ってみれば 

 一方、気候変動については遅々たる歩みだったが、それなりに世界的な計画立案の過程まで進んできたと言っていいのだろうか。

 世界の多くの国々がカーボンニュートラルの目標を設定し、これをベースに将来予測をすれば、今世紀末の気温上昇は2.1℃に抑えられるという。パリ協定のストレッチ目標が1.5℃以内にあるのだから、もう少し踏み込んだ対応が必要になるのだろうけれど、基本の2℃目標が見えてきたことには少しばかりの安心感を得ることもできる。これから計画実行という課題は残るとしても。

 改めて12日の国連気候サミットのニュースを見返してみる。

ニューヨークタイムズは、12日のサミットでの注目すべき点とし、パキスタンが、2030年までに新しい石炭火力発電所の建設を中止すると表明し、すでにいくつかの大規模な石炭プロジェクトの計画を棚上げしていることをあげる。

 

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 その一方で、中国が発言した2030年までの目標に懐疑的な見方を示し、その発言の行間と裏を読み、グリーンピースのLi Shuo氏の言葉を紹介する。

 「中国は約束したことを実行するために迅速な行動を取る必要がある」と、彼は言う。

 中国のパンデミック後の回復パッケージは、石炭火力発電所を成長させ続け、汚染を増加させるインフラプロジェクトを促進しているため、「グリーン以外のもの」であり、「パリから5年経った今でも、中国の進歩は脆弱なままです」とも語ったという。

「本日の中国の発表は、パリ協定への敬意です。しかし、シャンパンを飲む時間はありません。明日からハードワークが始まります。」

(出所:ニューヨークタイムズ

 

www.nytimes.com

 

 ブルームバーグも、中国の発言に疑念を投げかけ、ニューヨークタイムズ同様にグリーンピースのLi Shuo氏のツィートを紹介する。

 

  

www.bloomberg.co.jp

 

 今回のサミットでは、パリ協定の開催国であるフランスや主要な排出国であるインドは、新たな約束をしなかったという。また、オーストラリアやブラジル、米国はこのサミットを欠席したという。 

 国際的な批判の矛先が、日本の石炭政策から中国の石炭政策や後ろ向きな国々に向いてきたのだろうか。

 

 

 

 ブルームバーグはバイデン米次期大統領のツィートを紹介する。

 

 

 「We’re going to rally the world to push our progress further and faster and tackle the climate crisis head-on.」(私たちは世界を結集して、私たちの進歩をさらに速く推進し、気候危機に正面から取り組むつもりです)との言葉に何か希望を感じたりする。

  米国に強く期待するわけではないが、パリ協定への復帰が大きな潮流になっていくきっかけになればいいのかもしれない。

 

 新しいエネルギー文明に移行する

 ELLEは、気候科学者の江守正多さんの言葉を紹介する。江守氏は、気候変動に限っていえば「脱炭素社会は可能」と、話しているそうだ。

僕は“化石燃料文明を卒業する”という言い方をよくするのですが、新しいエネルギー文明に移行すればCO2は出ないし、将来世代にも途上国の人々にも負い目を感じずに済む。

海外に支払っていた化石燃料代を内需に回せるし、良いことが結構あるのに、そういう語られ方になっていないですね」 (出所:ELLE)

  

www.elle.com

 

 読売新聞が、「温室ガス2050年までにゼロ」法制化へ…政府、国内外に決意示すと報じる。

 それによれば、環境省地球温暖化対策推進法に「50年排出ゼロ」を盛り込む方向で、21日にも開かれる有識者検討会で方針を示し、来年の通常国会に改正案を提出する方針だという。

 

www.yomiuri.co.jp

 

 こうしたことがきっかけで、企業活動に変化を生み出すことになれば、いいのかもしれない。

環境問題は個人が何かを我慢するというより、世界が新しい社会システムにアップデートできるかどうかの問題です」。

と江守氏はELLEの中で話をする。発想の転換が求められているのかもしれない。

 

 

 

 徳川家康の言葉ではないけれども、重荷を背負っているのは個人というよりは企業なのかもしれない。

「勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる」。

 気候変動ばかりでなく、コロナもまたそうなのかもしれない。