1月の3連休も明けると、例年ならお屠蘇気分も抜け本格稼働かと気分も改まる。この3連休のテレビは、新成人たちの姿を映し、自分たちの想いや未来を語ったりする。ある番組では、静岡富士宮市では成人式が中止となったと伝え、医療関係者に感謝の気持ち伝えたいと新成人たちが富士山本宮浅間大社の前で募金活動を行ったという。
その新成人たちを写す画像の背景は富士山だったが、驚くことに雪がない。ほんとうに1月の映像なのかと疑ってしまった。
冬に雪がない富士山 そのワケは
ウェザーニュースによれば、富士山周辺では昨年11月から少雨の状態が続き、富士山の冠雪の少なさに影響していると言えそうだという。昨年末で、山頂の南東側(御殿場側)にのみ雪の積もっているところがある程度だったという。
昨冬は記録的暖冬で野菜を廃棄する映像を目にした。今年はうって変わって寒い冬になり、 日本海側では大雪が降り、富士山周辺では極端な少雨状態になっている。今年の冬の寒さはラニーニャ現象の影響もあるといわれるが、極端な気候が増えているように感じる。
節電! 電力需給逼迫、そのワケ
最近の寒さで暖房の使用が増え、電力需給が逼迫しているという。各電力会社はフル稼働で電力供給にあたっているというが、今日3連休明けはまた工場が稼働し始めるので、さらに需給が厳しくなる恐れもあるという。節電を心がけたい。
電気新聞によれば、この冬は長引く寒波の影響で需要が想定よりも上振れし、火力発電所の燃料消費が想定を上回るハイペースで進み、複数のエリアでLNG(液化天然ガス)火力の出力低下が相次ぐ異常事態が起きているという。しかし、LNGがスポット取引のため、在庫不足がすぐに解消するめどが立ていないという。
また、悪天候による太陽光発電の稼働減も需給逼迫に拍車をかけているそうだ。太陽光発電が稼働しなければ、実際の需給運用は時間帯を問わずさらに厳しくなり、現状では融通で辛うじてしのいでいる揚水くみ上げ用の電力確保も危うくなるという。
エネルギーミックス
エネルギー問題の難しさを感じる。極端になる気候を考えると、需給変動、上振れ時の対策が重要になるということであろうか。足元では、化石燃料に頼らざるを得ないとしても、LNGの調達リードタイムや気化しやすい性質から在庫を積み増すことができないというと少々不安になったりする。今年はエネルギーミックスを見直す年になっている。将来に向けての「脱炭素」カーボンニュートラルを模索しながら、足元の対策も考慮しての検討が続くことになるのだろうか。
省エネ、節電を心がければ、それだけ電力の需要が減ることになる。「脱炭素」カーボンニュートラルの時代も必要な心掛けであることに間違いなそうだ。
地球温暖化とカーボンニュートラル
昨年末のNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!!」で地球温暖化がテーマに上ったという。ニュースサイトしらべぇによれば、チコちゃんの回答は、「水蒸気が増えるから」とだったという。
水蒸気は元々地球が持っている温室効果の5割を担っている。
しかし、二酸化炭素が増え、温暖化効果が増えると水蒸気が増える。水蒸気が増えると温暖化が促進されるという事態になっているようだ。
水蒸気は、誰しもが知るとおり、水が温められると発生する。地球が熱くなるにつれ、海から出る水蒸気も増加する。さらに空気は温められれば温められるほど水蒸気を含むことができる量も増加する。
水蒸気のほうが地球を温める力こそ強いが、水蒸気が増えるという現象を引き起こしてしまうのが二酸化炭素なのだという。 (出所:。ニュースサイトしらべぇ)
番組を見ていないが、このまま地球が温暖化を続ければ南極の氷が溶けたり、水蒸気を吸い込み発生する台風が凶悪化するなど、様々な悪影響が出ることは間違いないとしたという。
その二酸化炭素などGHG温室効果ガスの増加を抑制、遅らせていこうとするのが「脱炭素」カーボンニュートラルになる。GHGの主たる発生原因は化石燃料による発電。足元での電力需給の逼迫の原因のひとつも化石燃料による発電。電力供給体制を維持しつつ、再生可能エネルギーへの転換が課題ということになるのだろうけれども、ここ最近の悪天候による太陽光発電の稼働減も需給逼迫に拍車をかけているというのだから、問題を複雑化させる。
いつまでも、国ばかりに頼っているわけにはいかないのかもしれない。企業もまた各々にカーボンニュートラルを実現していくことを求められているのかもしれない。
新しいエネルギー文明に移行する
ELLEは、気候科学者の江守正多さんの言葉を紹介する。江守氏は、気候変動に限っていえば「脱炭素社会は可能」と、話しているそうだ。
「化石燃料文明を卒業するという言い方をよくするのですが、新しいエネルギー文明に移行すればCO2は出ないし、将来世代にも途上国の人々にも負い目を感じずに済む」と話すのは気候科学者の江守正多さん。ELLEが、彼の言葉を紹介する。
海外に支払っていた化石燃料代を内需に回せるし、良いことが結構あるのに、そういう語られ方になっていないですね (出所:ELLE)
そうなのかもしれない。「脱炭素」カーボンニュートラルを推進することで、新たなエネルギー文明が確立すれば、様々な雇用が生まれる機会にもならないだろうか。
時事通信が「新成人8割、就活に不安 コロナ影響見通せず」と伝える。
「就職に不安を感じている」は80.1%に上り、11年(82.3%)に次ぐ高さだった。理由は、「コロナ禍で就職できるか不安」「不景気だから」などだった。
自分の未来の明暗に関する設問では、「明るいと思う」が63.2%にとどまり、13年(51.2%)以来の低さだった。21年調査は昨年12月中旬に00~01年生まれの男女500人に行った。 (出所:JIJI.COM)
「脱炭素」カーボンニュートラルに取り組むことが、未来に明るさを照らし出すといいのかもしれない。そして、それはまたこうした若い世代の人たちによって進められていくのかもしれない。
午後から太平洋側でも、雨または雪が降るという。富士山もまた白くなるのだろうか。
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