JR各社がダイヤ改正を行うという。今日13日から首都圏、近畿圏、四国、九州の在来線の最終列車発車時刻を繰り上げるそうだ。
共同通信によれば、九州新幹線は運行本数を削減、昨春に新型コロナ禍が本格化してから初のダイヤ改正となるという。
首都圏で終電の時刻が変るのは、およそ半世紀ぶりだという。「生活様式も変わるきっかけになりそうだ」とNHKはいう。
終電を繰り上げる理由について鉄道各社は、新型コロナウイルスの影響で特に深夜帯の利用客が減っていることや終電後に線路の保守や点検を行う作業員の労働環境を改善するためだとしています。(出所:NHK)
自粛疲れ
その一方で、街中は自粛疲れが蔓延し始めているのだろうか。「宣言延長下でも繁華街活況」と、12日の街の様子をJIJI.COMが伝える。
長引く宣言に緊張感が薄れる、そう話す飲食店の店主の言葉が気になる。
変化を受け入れつつも、今まで慣れ親しんだ習慣を変えることはなかなか難しい。
生活様式は変わっていくのだろうか。
終わらない復興
10年前のことを思い出す。ロイターによれば、 震災の死者は全国で15,000人以上で、関連死を含めた犠牲者は2万人以上、今なお2500人を超える行方不明者がいるという。
福島第1原発では、 津波で冷却システムが停止、3基の原子炉でメルトダウン(炉心溶融)が起こり、深刻な放射能汚染が広がった。
一昨日3月11日2時46分、みなが足を止め、黙祷を捧げた。
廃炉の工程表をまとめた政府と東京電力は、2021年中にデブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出しを始める予定だった。しかし、高い放射線量などで作業は難航。1年程度延期することを決めた。
タンクに貯蔵している処理済み汚染水の処理方法についても、政府は今月9日、事実上の先送りを閣議決定した。 (出所:ロイター)
終わらない災害復興。「政府がこれまでに投じた復興費はおよそ31兆円。阪神淡路大震災復興事業費の2倍程度に相当する」とロイターは伝える。
もしかしたら、復興に終わりはないのかもしれない。新たな暮らしが過去の上に上書きされれるまで続いていくのだろう。
今、こうしてコロナ渦にあって、多少なりと不自由な暮らしを経験してみれば、必要ないものが数多く身近にあるように感ずるようになった。結構、社会に無駄なことがたくさんあるのかもしれない。
原発もその一つなのだろう。原発が稼働しなくても、電力はとりあえず供給され、停電が頻発するようなことはない。ただ二酸化炭素の排出が増えることになってしまったが。必要ないものをやめることができれば、電力消費はもっと少なり、原発も不要になっていくのだろう。終電の繰り上げもその一つなのかもしれない。
回帰
福島第一原発にも関わっていた米GEが、航空機リース事業が売却し、GEキャピタルを解散するという。
製造業への回帰。コロナ渦が引き金を引いたのかもしれない。www.nikkei.com
「集中と選択」という言葉がもてはやされたのもGEのビジネスモデルの成功があってのことだった。日本でも多くの企業が右に倣えと模倣したものだ。
そもそも製造業とデータの融合はGE自身が提唱した「インダストリアル・インターネット」を発端とする。
ここ数年、ソフトウエアのビジネスもリストラ対象になった。人材を魅了するかつてのGEブランドイメージも損なわれ、デジタル事業の再強化は容易ではない。 (出所:日本経済新聞)
単に製造業に回帰するだけではGEの復活は遠いと日本経済新聞は指摘する。
経済的豊かさを求め、安易に成長を求めた時代の終わりを迎えたと感じる。
サスティナビリティ、必要最小限、ミニマルな世界を目指することなのかもしれない。
これまでの50年は、ただ単に経済的な豊かさを求め、ありとあらゆるものを作り出し、それを便利と呼んでいたのだろう。 これからは、そうした中からムダなものを一つひとつ取り除くて行くことなのかもしれない。
そうした社会的な雰囲気づくりが今求められているのだろう。