Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【トヨタのカーボンニュートラルとは】ワクワクしながら進める脱炭素、目標は2035年の達成

 

 トヨタが、「2035年には工場がカーボンニュートラルとなるという目標」を公表した。メディア関係者向け「ものづくり」の説明会を6月11日にオンラインで開催し、その中で説明があったという。

 これまでトヨタは、2050年のカーボンニュートラル達成を目標としていたが、それを15年前倒しする。

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(資料:トヨタ自動車

 オンライン説明会に登壇した岡田政道CPO(=チーフプロダクションオフィサー)は、「私たちはグリーンファクトリーを目指しています」と話したという。

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カーボンニュートラルはものづくりを根本から見直す機会を与えてくれています」と述べ、その実例を示す。

 

 

「飛散しない塗装」では、塗着効率を70→95%に改善し、ムダな飛散がなくなり、「最少の塗料で最大の塗布効率」を実現、それによって塗装ブースが省電力化できたという。使用する塗料が削減されれば、コスト低減につながる。

  また、インモールドコーティング(プレス成形+型内着色)によって、塗装工程レスを実現したそうだ。工程レスによって、省電力化はもちろん省人化になり、これもコスト低減になる。

 インモールドは陳腐な技術。ただ、車用で実際に具現化するには苦労があったのかもしれない。

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(資料:トヨタ自動車

 トヨタらしさを感じる改善事例。それが効率を高め、コスト低減を生み出し、それと同時に、省エネ、省電力化も実現できる。

カーボンニュートラル」も、使用するエネルギーをいかに低くするかというが、内実、省エネがポイントとなることを改めて示したということであろう。

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(写真:トヨタ自動車

 ものづくりの楽しみは、実はこうしたところにあることを思い出す。 

 トヨタの教えに、「科学的態度、意識的疑問的態度」がある。

 WHY? 、なぜ?、なぜ??? アクションはECRS、排除、結合、交換、簡素化。

 「からくり」 = 究極のカーボンニュートラル装置

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(資料:トヨタ自動車

 脱炭素と身構えるのでなく、まずは工程自体をなくせないかと発想して、そこで脱炭素の効果を評価し、実現するということであろうか。

 また、質疑応答では、鋳造工程におけるエネルギー低減やCO2排出量の低減の事例紹介もあったそうだ。

 

 

  トヨタがこの時期になぜこような説明会を開いたのだろうか。今始まっている脱炭素のアクションに対して危惧を抱いているのだろうか。

 岡田CPOはむすびとして、次の言葉を残した。

資源の無い地震の多い日本ですから、何かと難しい環境でもあります

しかし、私たちには、これを強みに変える力がありますから、日本で通用するものができれば、必ず海外でも通用すると思っています。

頼りにもしてもらえると思っています。

その上で、海外の製造現場の実情に合わせ、またいい部分を取り入れて、応用し、展開していきたいと思っています。

そういうことの積み重ねで、地域、地域で幸せを量産する「町いちばんの自動車会社」になっていきたいと思っています。 (出所:トヨタ自動車

 言わんとすることは理解できるが、言葉としてうまく表現できそうにない。

 ただ、岡田CPOがいう「DXやカーボンニュートラル、新しいチャレンジの波が押し寄せてきていますが、仲間と共にチャレンジできる環境にワクワクしています」という言葉はよく理解できる。

 こうしたチャレンジ、仕事というものは元来、楽しいものであるはずだ。それが達成できたときの仲間との喜びもあるだろうし、その先には喜んでいるお客さまがいるのだから。