カルビーの人気商品のポテトチップスやじゃごりこが実質的に値上げになるという。
カルビー、「ポテトチップス」値上げ 7~10%: 日本経済新聞
日本経済新聞によれば、2022年1月下旬から順次改定し、店頭想定価格は7~10%の上昇になる見込みだという。高温や干ばつの影響により北海道産のジャガイモの収穫量が減る見込みであることや、パーム油などの原材料価格や物流費などが上昇しているためという。
価格高騰はいつまで
年老いた母と同居するようになって、よく近くのスーパーマーケットに買い物に出かけるようになったが、色々な食材価格が高くなったとつくづく感じようになった。
値上げの直接原因は、原料や物流の値上げによるものと言われる。その背景には、コロナ禍やそこからの経済回復、気候変動など人為的な要素が大きく影響しているようだ。
今までのような天候不順による野菜の不作とか、避け得ない災害によると聞けば、諦めがつくのかもしれないが、そうしたことが理由でないとすると、少々やるせなくなる。
それとも一時的なことではなく、この先もこの上昇圧力は続き、物価がゆるやかに上昇していくのだろうか。
異常気象続く中国でも、野菜が高騰
隣国 中国でも、新型コロナの流行や異常気象による豪雨で野菜価格が高騰し、供給不安が生じているという。
中国、市民に必需品備蓄呼び掛け SNSで中台緊張懸念の声 | ロイター
ロイターによれば、国内最大の野菜産地である山東省では10月上旬の異常気象で収穫量が激減、また、新型コロナの感染が北西部から北東部に広がり、食料の供給に混乱を生じさせる恐れが出ているという。
先週はキュウリ、ホウレン草、ブロッコリーの価格が10月上旬と比較して2倍以上に跳ね上がった。ここ数日で価格上昇は和らいでいるものの、エコノミストは10月の消費者物価指数(CPI)が前年比で大幅に上昇すると見込んでいる。 (出所:ロイター)
中国政府は価格上昇に対応し、「適切な時期」に野菜の備蓄を放出する方針だという。
中国でも同じような状況と聞くと、局地的な話ではなく、その深刻さが理解できる。
気候変動、異常気象には国境がない。大気は西から東へ移動し、また、多くのものも中国がやってくる。あるゆる意味で、中国と深い関係にあるということなのかもしれない。
出口戦略
FRB米連邦準備理事会が、コロナ危機下で発動した量的緩和を段階的に縮小させ、2022年半ばを目途に終了させるという。
米FRB コロナ禍対応「量的緩和」縮小へ 世界経済への影響は | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース
NHKによれば、この影響で早速フィリピンでは通貨安で燃料価格が上がり、輸送コストが上昇、野菜など食料の価格上昇が目立つという。対岸の火事ではないのかもしれない。
国内でも円相場は円安方向に動いている。エネルギーなど輸入関連にとってはさらなる価格上昇を招きかねない。
このコロナ危機を経験し、気候危機を目の当たりにしていると、今までは仕方ないなと思えたことが、そう簡単に看過できなくなってきた。
このまま輸入依存のままでよいのだろうか。すくなからずとも、エネルギーは自給できるようにしなければならないのだろう。無償で利用できる再生可能エネルギーをもっと有効活用すべきであろうし、カーボンリサイクルによる燃料合成も進める必要がありそうだ。
脱炭素、循環型経済、分散型社会への転換、そう言われていたが、政権が変わるとまた「新しい資本主義」なる新しいワードが出てきて困惑する。官ではなく、民主導でしっかりやっていかないといけないのかもしれない。