米マクドナルドがビヨンドミートの代替肉を使った「マックプラント・バーガー」のテスト販売を始めた。もう既に世界中でテスト販売をしているのだから、てっきり米国でも始まっているかと勘違いしていた。満を持してのテスト販売なのだろうか。
このバーガーのパテは、豆や米、芋などを原料にしているという。ただ、ハンバーガーにはマヨネーズやチーズも使用され、ヴィーガンではないそうだ。
こうしたニュースが流れれば、ビヨンドミートの株価も上昇するのかと思えば、そうでもない。カナダのマクドナルドがPLTバーガー(代替肉使用)のテスト販売を中止、継続する予定もないことがわかると、株価が下落し始めたという。
なぜビヨンドミートの株価は下落する
市場の転機となるか、マクドナルドが代替肉を米国でも試験販売 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
Forbesによれば、バーガーキングやKFCなど数社が、代替肉を採用して初期段階での成功を収めていたが、その後、バーガーキングの「インポッシブル・ワッパー」は売上低迷が報じられ、KFCの「ビヨンド・フライドチキン」も、2020年はじめの初期試験以上の販売拡大にはまだ至っていないという。さらに、ダンキンとカナダのドーナツチェーン「ティムホートンズ」は、植物由来製品の提供を完全にやめているそうだ。
伸びそうな代替肉に疑問符がついているのだろうか。
植物由来の代替肉に需要が本当に存在しているのなら、マクドナルドがそれを突き動かすことになるはずとForbesは指摘する。
マクドナルドのマックプラント・バーガーのテスト販売が転機になるだろうか。
「持続可能性に取り組む企業が次世代をリードする」とTechCrunchはいう。
「サステイナブル(持続可能)」になることの重要性は認識されているものの、「サステイナビリティ(持続可能性)」を実現するためには何年もの時間が必要になる。
このような一般的な見方は、レースが始まってから単に追いつくことが、どれほど難しいかを過小評価している。逆に起業家にとっては、社会に世代を超えて影響を与える「目的ネイティブ」な企業を構築する大きなチャンスとなる。従業員や投資家にとっても同様だ。(出所:TechCrunch)
天然素材にこだわるオールバーズが上場
天然素材のスニーカーなどを展開するAllbirds(オールバーズ)が、NASDAQに新規上場した。
衣服の素材イノベーション企業Allbirdsが新規上場、次代を制する企業を見極める鍵は「持続可能性」 | TechCrunch Japan
天然ウールを使用し、控えめなデザインながら、履き心地の良い靴から始まったAllbirdsだが、現在は単なるアパレル企業ではない。今や衣服の製造方法に革新をもたらす素材イノベーション企業となっているとTechCrunchはいう。
素材をオープンソース化して他者に提供することで業界に変化をもたらし、それによって持続可能性を実践する業界の旗手と評する。
公開価格は1株15ドル(約1710円)に設定され、調達額は3億ドル(約342億円)以上。初値は21.21ドル(約2417円)と公開価格の41.4%高を付け、終値も28.89ドル(約3293円)となるなど好調な滑り出しを見せた。時価総額はおよそ40億ドル(約4560億円)。(出所:WWD Japan)
今後、市場はオールバーズをどう評価し、株価はどう推移していくのだろうか。
企業が重視する「サステナブル」な素材や原材料を、持続可能性「サスティナビリティ」のある事業に変えることができるか、それが問われているのだろう。