Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

完全に戻らない年越し行事、終わらないパンデミック、顕在化する社会課題

 

年末寒波の到来で、関東地方でも初雪が観測されています。年始に向け寒い日が続くようです。ラニーニャ現象の影響なのでしょうか。人の移動が多くなる時期だけに、立ち往生なども心配になります。 新型コロナの感染状況も落ち着き、明るいお正月を迎えることができるのかなという期待も虚しく、またコロナが増加に転じ、それに加え、オミクロン株の市中感染の例も増えているようです。欧米での感染状況を伝えるニュースをみるとやはり心配になります。 「重症化しにくいウィルスが蔓延して免疫を得られれば、パンデミックも終息に向かう」という楽観論もあるようですが、「何度も私たちを騙してきたウィルス相手に、期待しないほうがいい」と、米国の感染研究所のファウチ所長が警告しているといいます。警戒モードを緩めることは禁物のようです。

 

 

年越し行事は感染前に戻ることはないようですが、鉄道の終夜運転が再開され、初詣も再開となるようです。ただ渋谷のカウントダウンイベント東京ディズニーランドの年越しイベントは原則中止となるといいます。 一方。全国自治体での自立相談支援機関への生活困窮の相談件数が前年を下回ったものの、未だ30万件以上あり、2019年比で2.5倍になっているといいます。なかなかコロナ禍から抜け出せないようです。年末年始は公的機関の支援が行き届きにくくなるといわれます。厚労省は支援体制の確保を自治体に要請しているようです。 東京四谷駅近くの聖イグナチオ教会では、12月30日と1月3日、年越し大人食堂を開催するといいます。この他にも様々な支援の準備が進んでいるそうです。 長引くコロナ禍で貧困問題が気になるようになります。これだけSDGsが叫ばれる時代になって、いの一番に解決されるべきはずの問題なのになおざりになっているようにかんじてなりません。

 

 

改めてこのコロナ禍で、様々な社会の問題が顕在化していると意識せざるを得ません。政府政策が常に功を奏して、問題が解決に向かえばいいのでしょうが、なかなかそういかないのが現実のようです。政府政策の影響を受けてはいるのでしょうが、社会課題を生み出した直接の原因は企業にあるように思えてなりません。低い経済成長率、長時間労働に低い賃金、そうした労働環境が暮らしに影響を及ぼしていく。こうした負のループから抜け出るには、どこかで企業側の英断なくしては実現できないように思われます。

 本来、政治家に正心誠意の気があれば、社会は変わるものだと、あの勝海舟が言っていました。これは明治の宰相伊藤博文を批判したものです。政府にできることにも限界があるのではないでしょうか。勝はまた「道によってたち、道によって坐すれば、草莽の野民でも、これに服従しないものはない」といい、政治家の秘訣を伊藤博文が知らないからいけないといっていました。また、政治は何事にも杓子定規に法律万能主義でやろうとするからいけないともいいます。人心を慰安する余韻がなければならないといい、理屈以上に、知らず知らずのうちに民心をまとめるような妙味があるべきといいます。政府の影響が大きいということであると同時に、そう優れた政治ができる人物が稀だということなのかもいません。

 今の企業は政治に頼り過ぎてはいないでしょうか。さいわいなことに今はSDGsの時代です。企業自ら動き、勝の言う「人心を慰安する余韻」と作くべきではないでしょうか。それが「誰一人取り残さない」というSDGsの精神にもつながっていくのではないでしょうか。その先に、社会課題の解決もあるのではないでしょうか。