Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【素朴な疑問】この状況で、賃上げは期待通りに進むのでしょうか

 

 物価高騰が止まりません。一方、賃上げは期待通りに進むのでしょうか。大企業を中心にして賃上げ期待は高まっているようですが、それは中小企業まで広がっていくのでしょうか。

 一方、実質的に経営破綻しているのに金融支援で生き延びている「ゾンビ企業」が増加してるそうです。

国内に「ゾンビ企業」18万社 比率12%超、コロナ禍で増 | 共同通信

 記事によれば、その比率は2021年度は12.9%と、2年連続で上昇していたそうです。また、企業数も2年連続で増え約18万8千社に上るといいます。コロナ禍で打撃を被った企業が公的支援で存続しているようです。

 

 

 多くの企業で今年2023年からコロナ融資の利子・元本返済が始まり、この状況下で「収益改善」と「借入金の返済」というテーマに立ち向かわざるを得ないといいます。

 ゾンビ企業ばかりでなく、ビジネスモデルに課題を多く抱えたままの企業などが、先行きを悲観し、退職金の支払いなど企業体力があるうちに会社をたたむ「あきらめ(ギブアップ)廃業」の増加が今後懸念されるシナリオがあると、調査会社の帝国データバンクは指摘しています。

例外なく、スタートアップも

 スタートアップ企業の倒産が増えているそうです。業歴10年未満の倒産件数は2022年に前年比20%増の1875件となり、3年ぶりに増えたといいます。

日本のスタートアップ倒産、全体の3割 27年ぶり高水準: 日本経済新聞

 記事によれば、倒産全体に占める割合は約3割で、起業が増えるなか、新型コロナウイルス下で競争が激しくなり淘汰の動きが出たようだといいます。

 期待と現実の乖離があるのでしょうか。少々心配になります。

下手な鉄砲

 一方、国は経済を活性化するためにスタートアップを増やす方針を打ち出しています。この政策に疑問を呈している専門家がいます。

日本のスタートアップ「不都合な真実」 研究者が明かす: 日本経済新聞

起業のハードルを下げるような施策は、質の低い企業を生み出す可能性が高い。これは多くの研究から明らかになっています。実際に、政府はこれまで多くの施策を講じてきましたが、ユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の未上場企業)もほとんど出てきていません。スタートアップには過度に期待しないほうがいいのです。(出所:日本経済新聞

 悩ましい指摘です。政府施策の問題点を記事は指摘し、その改善策を示しています。

 

 

 この他にも、政府はリスキリングによって成長分野への労働移動に期待をかけているようです。思い描いたように順調に進むことはあるのでしょうか。

 政府は矢継ぎ早に政策を打ち出していますが、十分に検討され、最大限の効果が上がるように優先順位が整理されていないように見えます。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」になっているようにも見えます。

 また、内閣支持率が下落したそうです。危険水域といわれる20%台に貼りついたままのようです。政治に期待するだけ無駄なのかもしれませんが、それにしてもと言いたくなります。何か悪い方向に導かれているように思えてなりません。政策も国民の理解があって、効果があがるのではないでしょうか。

 こんな低い支持率なのに、首相の退陣を求める声が与党内に起きないことが不思議でなりません。

 

「参考文書」

「黒字」休廃業、過去最低 物価高で企業のあきらめ加速 2022年は5万3426件、3年連続減少|TDBのプレスリリース