Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

終わらない東京の再開発、サスティナブルな街に近づいていくのか

 

 東京オリンピックが終わり、東京の再開発もひと段落かと思えば、そうでもないようである。新宿・渋谷・品川といったターミナル駅前の再開発が進み、湾岸沿いの景色もかわるのではないかと言われる。

 日経アーキテクチュアの調査によれば、この先10年も五輪前の建設ラッシュに引けを取らない開発が続くことになりそうだという。

 2030年に向け、「持続可能性」「次世代交通」「ウオーカブル」「ターミナル駅」「水辺活用」「グリーン・ウッド」が、次の東京のキーワードになり、再開発が進むという。

 

 

日本橋の再開発、空をとり戻し、水辺利用が進む

 前回1964年の東京オリンピックの開催に間に合わせるため、東京のあちこちの川の上に高速道路が建設された。当時はそれで近代的な風景だったのかもしれないが、今では時代にそぐわない老朽インフラと化した。

 日本橋界隈はその代表格なのだろう。かつてはここに魚河岸があり、江戸の商業の中心であった。日本橋川には多数の船が行きかっていたが、首都高が川を覆うようになった現在では当時の面影すらない。

 それが18年後の2040年、日本橋川は空を取り戻すことになるという。首都高の高架が地下化される。これに呼応して日本橋の5つの地区で大規模再開発が計画されているそうだ。総額は1兆円規模になるという。

日本橋「1兆円の再開発」が握る水都復活の号砲 | 水都復権 | 水都復権 | 週刊東洋経済プラス

 この日本橋の再開発で、日本橋川沿いに川幅を含め幅約100メートル、長さ1.2キロメートルにわたる広大な水辺空間が生まれるそうだ。

水辺の広場、散策道、緑地などが整備され、建物には川に向けた開放部が設けられる。日本橋船着場も拡大され、人が渡る新しい橋をかける構想もある。水辺に人が集えば、その場所ならではの文化やビジネスが生まれる。(出所:東洋経済プラス)

 東京の水辺開発は2000年代に入り湾岸部を中心に進んできたが、2021年になって、日本橋川神田川流域など都心部での再開発が相次いでスタートするようになったそうだ。こうしてできる各水辺スポットを舟運でつなげることができれば、それぞれの水辺スポットの価値はさらに増すという。水運が栄えていた江戸のころに立ち返り、人流にも変化が起きるのかもしれない。

 

 

日本一の高さのビルが建つ虎ノ門、麻布台エリアにサスティナブルな街が誕生する

 東京都港区、虎ノ門、麻布台エリアで森ビルが再開発プロジェクトを進めている。竣工予定は2023年3月。完成すると、高さ約330mのメインタワーが建ち、日本一の高さになるそうだ。

虎ノ門・麻布台プロジェクト|主要プロジェクト|森ビル株式会社

本プロジェクトでは、都市の低炭素化、生物多様性保全省エネルギー化、真に豊かな健康など、世界中が頭を悩ませている様々な課題に対する1つの解を提案します。(出所:森ビル)

 この新しい街では、再生可能エネルギーを100%利用することになるそうだ。

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(画像:森ビル「屋上緑化が施された低層棟イメージ」)

カーボンネガティブなコンクリート

 大成建設が昨年12月、同社技術センター敷地内通路などに、CO2排出量を大幅に削減できるカーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を用いて、現場打ち舗装工事を行ったという。

環境配慮コンクリート「T-eConcrete®」で現場打ち舗装および舗装ブロックを施工 | 2021年度 | 大成建設株式会社

 大成建設によると、約1.2m3の現場打ち舗装と、約4.2m3の石材調舗装ブロック敷設により、合計約5.3m3で1.5t以上のCO2排出量を削減し、カーボンネガティブなコンクリートを実現したという。

 

 

施工に用いたカーボンリサイクル・コンクリートは、回収したCO2から生成した炭酸カルシウムと産業副産物の高炉スラグを用いて、通常コンクリート打設と同様の工程で様々な鉄筋コンクリート構造物の現場施工に適用でき、適用量が少量でもコンクリート内部に大量のCO2を固定することでカーボンネガティブなコンクリートの実現が可能となります。(出所:大成建設

 こうしたカーボンネガティブなコンクリートが東京の再開発でも利用される日はくるのだろうか。

 

「参考文書」

プロジェクト予報2022 東京大改造2030 | 日経クロステック(xTECH)

虎ノ門に新たな“緑の都市” サステナビリティー要望に先手 | 日経クロステック(xTECH)