Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

ブルーベリーも植物工場で生産、増える工場野菜、総菜などへの利用進む

 

 この先の気候変動による1次産業への影響が心配になります。こうした状況下にあって、植物工場が活発することはいいことなのでしょう。葉物以外の栽培が課題なのでしょうか。

 東京農工大学が昨年12月、ブルーベリーを植物工場で栽培、出荷したと発表しました。

〔2021年12月3日リリース〕東京農工大学植物工場の成果が社会実装される!日本初の果樹工場からブルーベリー果実の出荷が始まる! | 2021年度 プレスリリース一覧 | プレスリリース | 広報・社会連携 | 大学案内 | 国立大学法人 東京農工大学

 これまでブルーベリーは冬季の生産が不可能とされていたそうです。植物工場を活用することで、これが可能となり、伊勢丹新宿店で昨年12月に販売されたといいます。植物工場の用途が少し拡大したのかもしれません。

 

 

 植物工場建設の報道を見る機会が増えてきました。コンビニや総菜業界で、露地野菜から植物工場の野菜へのシフトが始まっているといいます。

福井県嶺南に植物工場続々 なぜ嶺南エリアに集中? 工場の将来性は?(福井テレビ)

 福井県嶺南地域で植物工場の建設が相次いでいるそうです。福井テレビによれば、福井県が植物工場の参入に対し、建設費などの補助を2021年度から拡充しているといいます。

 さらに原発立地周辺地域への進出には、電気料金の50%近くを補助する政策を行っているといいます。こうした初期投資への手厚い支援が、嶺南地区が選ばられる要因となり、嶺南の新たな産業の1つになっていくかもしれないといいます。

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(写真:東京農工大学

 北陸電力グループの植物工場が2021年11月から生産を開始、「ゼロカーボンレタス」の名で販売を始めたといいます。この植物工場では、北陸電力水力発電で発電された電力のみを使用しているそうです。関西・中京方面で販路を開拓していくそうです。

 また、千葉県の天然ガスの販売などを手掛ける関東天然瓦斯開発の子会社が小浜市内で植物工場を稼働させたそうです。この会社では、天然ガス採掘で採取できる「フルボ酸」を植物の成長促進に活用しているといいます。

 この植物工場で生産される野菜は、千葉県のスーパーなどを手がける木田屋商店からの委託といいます。木田屋商店は既に9年前から小浜市内で、2つの植物工場を稼働させており、物流で協力、共同配送で関東圏に出荷しているそうです。物流コストを抑えられるメリットがあるといいます。

 

 

 野菜は地元の路地ものが新鮮で一番おいしく、地産地消にも貢献でき、輸送におけるCO2排出低減につながっていきます。

 ただここ最近頻発するようになった異常気象に襲われてしまえば、やはり他地域や工場野菜に頼らざるを得ません。

 近隣の農家さんが販売する野菜をこれまでは買っていましたが、この冬はラニーニャ現象の影響なのでしょうか、寒い日が続いたせいで野菜までが凍結してしまい、全滅してしまったそうです。仕方なく、近くの八百屋さんでなく、近くの産地の野菜を求めるようにしています。

 植物工場もこれからはさらに必要なものと認識されていくのかもしれません。ただこれまでの工業製品と同様に単に効率化を追求するのではなく、消費地ごとに分散させておくことも肝要なのではないでしょうか。そのための工夫が企業に求められているはずです。

 

「参考文書」

植物工場、全国で連携 木田屋商店が主導し販路開拓: 日本経済新聞