Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

日本の貨物船もウクライナ沖で被弾、供給網の混乱は避け得ないのだろうか

 

 ロシアの愚かな行為によって、世界が混乱していく。欧米がロシアに制裁を加えれば、当然のようにロシアも報復措置に出てくるのだろう。世界の供給網、サプライチェーンへの影響が危惧されている。

米欧、ハイテク輸出規制視野 対ロシアで日本も検討―世界経済へ打撃必至:時事ドットコム

 JIJI.COMによると、半導体など先端技術の輸出規制を柱とする対ロ追加制裁へ最終調整に入ったという。制裁と報復の応酬となれば、ハイテク製品のサプライチェーン(供給網)が混乱し、世界経済が打撃を受けるのは必至という。

ロシアも「強い対抗措置」(外務省)で報復する構えだ。米国で使われる半導体製造用ガス「ネオン」の9割超がウクライナ産、半導体部材洗浄に使われる「パラジウム」の3割強がロシア産とされ、日本も両国からの輸入に依存する。ロシアが輸出を止めれば、こうした素材の価格が跳ね上がる恐れがある。(出所:JIJI.COM)

 30年以上の前の冷戦時代に逆戻りし、様々な輸出規制が復活することになるのだろうか。

 

 

 ロシアは天然ガスの輸出量が世界1位、原油が2位の資源大国。日本は液化天然ガス(LNG)の輸入の8%、原油の4%をロシアに依存しているという。

資源高に拍車、経済圧迫 ロシア供給停止の懸念―ガソリン13年5カ月ぶり高値:時事ドットコム

 資源大国に対する制裁にはリスクが伴う。その動きがもう始まっているようだ。

 ロイターによると、西側諸国の銀行が、ロシア産石油の購入にあたって、L/C 信用状の発行を渋っているという。

西側銀、信用状発行せず ロシア産石油購入巡り | ロイター

「銀行は当面、信用状を発行したくないようだ」。

 ロシアによるウクライナ侵攻を受けて先行き不透明感が高まっていることが背景とロイターはいう。少なくともロシア産石油の購入大手3社が信用状の発行を断られたという。

買い手側の取引銀行が信用状を発行するのは、商品取引で標準的な慣行だ。(出所:ロイター)

 ロシア産石油は、英石油大手BPやシェル、フランスのトタルエナジーズ、米シェブロンエクソンモービルなど石油メジャーなどが名を連ねているという。

 

 

 一方、ロシア産原油の取引価格が値下がりしているという。

ロシア産原油、記録的なディスカウント幅-制裁敬遠し買い手が手控え - Bloomberg

 ブルームバーグによれば、買い手が制裁を敬遠し、取引を手控えている影響という。

 こうした動きがあってのことであろうか、米国は、ロシア産原油を標的にした制裁は行わない方針を明らかにしたという。米国の消費者には痛手となり、ロシアを利することになりかねないのが理由のようだ。

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 何が起きるのがわからないのが戦争ということだろうか。日本の貨物船も被害を受けたとのニュースが伝わる。

 愛媛県今治市の海運会社「日興汽船」が所有する貨物船「ナムラ・クイーン」が、ウクライナ南部の黒海で、ロシア軍のものとみられるミサイルが船尾を直撃したという。

日本の海運会社所有の貨物船にロシア軍のミサイル 1人けが | ウクライナ情勢 | NHKニュース

 NHKによれば、貨物船は穀物を積み込むために南部オデッサ州の港に向かう途中だったそうだ。船は現場海域を離れ、トルコに向かっているという。

 ロシアへの制裁はいつ終わることになるのだろうか。プーチン政権が続く限り、その解除はありえないのだろうか。悪影響は時間をおいてじわじわと出てくることになるのかもしれない。経済の安全保障を意識さぜると得ない。輸入に頼らない資源確保も求められることになるのだろう。脱炭素、資源リサイクルなど、地道に進めていくしかないのだろう。

 

「参考文書」

バイデン米政権、ロシア産原油は制裁対象にしない-国務省上級顧問 - Bloomberg

ロシア、黒海で商船2隻を砲撃 日本の会社所有の船被弾 | ロイター