コロナ渦でのニューノーマル、フードデリバリーで再編が起きているという。中国滴滴出行(DiDi)の日本法人「DiDi Food Japan」が、フードデリバリーサービス「DiDi Food」を終了させ、「Uber Eats」は楽天グループと連携し、楽天IDや楽天ペイを利用できるようになるという。
「Uber Eats」「DiDi Food」に大きな動き、加速するフードデリバリー再編 | 日経クロステック(xTECH)
出前館は、Zホールディングスが展開する「Yahoo!マート by ASKUL」で、インフラ機能となり、フードデリバリーからクイックコマースへとサービスの幅を広げる動るという。各社の動きが活発になっている。それだけ競争が激化してきたということであろうか。
一方、こうしたハイテク関連に投資するソフトバンクグループのビジョンファンドは、こうした企業の株価急落を受け、とてつもない痛手を被っている。
ソフトバンクG、ファンドで巨額損失も-歴史的好決算から1年 - Bloomberg
ビジョンファンドの出資先企業の多くは赤字傾向で、株価は低調、コロナ渦による特需も今後なくなる可能性もあり、リスクはより高くなっていると、ブルームバーグが指摘する。
クーパン、グラブ、ウーバーなど労働力を必要とするビジネスでは人件費が上がり、必ず必要だというサービスでもなく、インフレになると需要が減る可能性がある。(出所:ブルームバーグ)
1年前とは全く異なる事態へと急変してしまったようだ。韓国のネット通販「クーパン」がニューヨーク証券取引所にIPO 新規株式公開し、出資者であるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長に、お金に換算できないほど貴重な贈り物をしたといわれた。それは「孫氏のビジョン」が妥当だという証明だったという。
コラム:米上場クーパン高騰が証明、孫氏の見る目の「妥当性」 | ロイター
株式市場の上昇や消費者の購買行動の急速な変化を背景に、配車サービスのウーバー・テクノロジーズや宅配サービスのドアダッシュといった、かつては不安視された投資にも追い風が吹き、価値が高まっている。クーパンの上場直後の目覚ましい株価高騰ぶりも、ソフトバンクグループというガチョウが生んだ新たな「金の卵」と言える。(出所:ロイター)
しかし、1年経てば「金の卵」のメッキがはがれたようだ。もてはやされたこうした企業の評価指標とは何であったのだろうか。
グーグルの開発者会議「Google I/O 2022」が開催され、新しいハードウェアの発表が多数あったという。通常、Google I/Oは、AIやサービスの進化が語られる場であったというが、今年は様変わりしたという。
ASCII.jp:グーグル予想外「Pixel祭り」になった開発者会議、市場でのファーウェイの穴埋めか? (1/2)
記事は、かつて世界一だった中国ファーウェイのスマホが手に入りにくくなり、その隙間を狙ってグーグルが攻勢を仕掛けているという
グローバルサプライチェーンが当たり前であった平時から、地政学リスクを考慮しなければ世界に移ろい、コロナ渦のニューノーマルも今では過去のものとなり、次のニューノーマルに移行していくことになるのだろうか。
ブルームバーグによれば、日産自動車のCOO最高執行責任者がは、半導体不足や供給網 サプライチェーンの混乱は業界にとって「ニューノーマル」だとの考えを示したという。
日産COO、供給網問題は自動車メーカーにとって「ニューノーマル」 - Bloomberg
これが現実なのかもしれない。
ローテク企業といったら失礼かもしれないが、電子部品メーカーが、部品の単品売りのビジネスモデルを見直し、部品を組み合わせたモジュールの販売を増やしたり、モジュールとソフトウエアを活用した「顧客目線での課題解決(ソリューション)」に事業領域を広げたりする取り組みが始めているという。
村田製作所やオムロン…“社会課題解決企業”への移行は稼ぐ力につながるか|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
5G 第5世代の通信規格などが普及しはじめ、この先もテクノロジーが進歩し、スマホを含め社会インフラが刷新、更新されていくのだろう。そうした進歩が様々な社会的課題を解決していく。しかし、こうした状況になっても、モノづくりのノウハウを持たない企業も多くあり、「部品(ハードウエア)だけ納めても困る」と言われ、「ハードとソフトを合わせた部分まで電子部品メーカーが対応する必要性が高まっている」とニュースイッチは指摘する。かつてのようにグローバルサプライチェーンを活用できず、特にハイテク分野においては中国の活用がむずかしくなるのだろう。国内ローテクがハイテクを支えなければならない状況になるのかもしれない。
「参考文書」