Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

ESG投資の人気も翳り始めたか、それでも企業はサスティナビリティを止められない

 

 脚光を浴びたESG投資も近頃では、人気が剥落しているのでしょうか。これまで3年連続で膨大な資金を呼び込み、40兆ドル(約5400兆円)という資産規模になったESGへの需要は足元で冷えつつあると、ブルームバーグがいいます。

衰えるESGの威光、個人投資家が距離-ゴールドマン事案も一因に - Bloomberg

サステナビリティーとは何か。

それは人によって意味するところが異なるが、個人投資家はこのことを知っているだろうか。彼らはサステナビリティーが良い事をするはずだと心の中で思っているかもしれないし、自分のお金が良い行いをし、リターンも得られるという広告を見かけるが、実際はどうだろうか。(出所:ブルームバーグ

 欧州が、環境に配慮しているように⾒せかけているグリーンウォッシングを⼀掃する⽬的で規制を強化しようとしているといいます。それによって、何か変化は生じることになるのでしょうか。

 

 

 そうはいっても、サスティナビリティの歩みを止める訳にはいきません。実際に、気候変動対策に貢献するかのように企業は様々な施策を継続しています。

 花王は、ケミカルリサイクルPET素材を使用したボトル容器の採用を順次拡大し、化粧品PETボトル容器の水平リサイクルの実現を目指すといいます。使用済み容器の回収、再利用についても検討を進めるといいます。

花王 | 花王、化粧品でプラスチックボトルの水平リサイクルをめざしケミカルリサイクルPET素材の採用を開始

 花王が採用するケミカルリサイクルPETは、JEPLAN(旧:日本環境設計)が保有するケミカルリサイクル技術「BRING Technology™」により開発されたものといいます。

 JEPLANによれば、PET樹脂製造におけるCO2排出量は、石油由来の原料からの製造と比較し約47%削減できるといいます。ただ、廃PETボトルを焼却し、石油由来のPET樹脂生産と比較した場合とのことです。単純に製造工程における比較するとどういう結果になるのか、気になります。

 これまでのようにごみを焼却処分することがなくなり、ごみは資源という概念が定着して、自然界へのごみの漏洩が最小化できれば、それはそれで価値あることかもしれません。

 

 

「JEPLAN」とは、旧日本環境設計が6月1日に社名を変更したことで誕生しました。社名変更の理由は自分たちが描く循環型社会の絵をさらに世界に広げるという意思表示もあるといいます。

日本環境設計がJEPLANへ社名変更 読み方は「ジェプラン」 - WWDJAPAN

 そのJEPLANは、リサイクルプロジェクト『BRING』を企画、運営し、子会社化したペットリファインテクノロジーがPETボトルのリサイクルを担っています。

循環経済(Circular Economy)を確立することを目的に当社が保有するケミカルリサイクル技術だけでなく様々なリサイクル技術の実証を行う技術開発拠点として、広く世界中の大学・研究技 術開発機関・関連事業者と連携し活用する予定です。(出所:ペットリファインテクノロジー㈱

 

 

 循環型社会、サーキュラーエコノミーを普及、定着させていくためには、『BRING』のような活動は必要なことなのかもしれません。事実、それによって賛同する企業や自治体も増えているようです。

JEPLANグループ:ペットリファインテクノロジーと長崎市が「ボトルtoボトルリサイクル」に関する実証事業を協働|株式会社JEPLANのプレスリリース

 売上をスケールさせていくことは、ベンチャー企業に求められることですが、そこばかりにこだわることなく、さらなるCO2排出削減や省エネ化、低コスト化への探求を続けてもらいたいものです。常に競争力の源泉はそこにあるのだから。そして、それはグリーンウォッシュという誤解を防止する最善の策になっていくような気もします。

 

 

「参考文書」

花王、ファンデーションの中皿にケミカルリサイクルPET素材を採用|花王株式会社(ニュースリリース)のプレスリリース

SUSTAINABILITY/サステナビリティ – 株式会社JEPLAN

PETリサイクルのJEPLAN、残さの再生で同業と協業: 日本経済新聞