Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【進むリサイクル】コカ・コーラがリサイクルペットボトルに変るとサスティナビリティを実感できるか

 

 コカ・コーラのペットボトルが5月末から100%リサイクルPETボトルに替わるという。

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(写真:日本コカ・コーラ

 日本コカ・コーラによれば、この導入により、1本あたり約60%、全体で年間約35,000 トンのCO2排出量を削減できる見込みという。また、新たなプラスチックを日本コカ・コーラの試算で約30,000トン削減できるそうだ。

 日本コカ・コーラは、2030年までにPETボトルへの新たな石油由来原料の使用ゼロを目指している。2020年実績で、リサイクルPET樹脂使用率が28%になり、今回の旗艦製品への100%リサイクルPETボトルの導入で、来年2022年にはリサイクルPET樹脂の使用率が50%になるという。

www.cocacola.co.jp

 ペットボトル使用の是非はあるのかもしれないが、使用済みのボトルが循環することで、徐々に石油原料の使用が減れば、カーボンニュートラルの実現にまた一歩近づく。

 NHKによれば、ホルヘ・ガルドゥニョ社長は会見で、「われわれが持つ最大のブランドでプラスチックごみの削減に取り組むことで真剣さを示したいと考えた。政府などのサポートも得て、取り組みに力を入れたい」と話したという。

 コカ・コーラのモチベーションはどこにあるのだろうか。リサイクル活動に精を出し、「サスティナビリティ」、持続可能な社会を実現することにあるのだろうか、それとも面従腹背、ただ利益を追求しているだけなのだろうか。

 

 

 2050年、カーボンニュートラルの達成が国の目標になり、2030年、温室効果ガスの削減目標が46%減となった。今まで蚊帳の外にあった気候変動対策が成長戦略になり、企業も脱炭素に向け一斉に動きだす。ようやく世界と協調して気候危機に対応する下地ができたようだ。

 それでもZ世代を始めるとする若者たちはその対応の甘さを指摘し、あるグループは温室効果ガスの削減目標を62%に引き上げることを要求する。劣化する地球環境を憂い、自分たちの未来を危惧する。 

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 ザ・ノースフェイスなどを手がけるゴールドウィンは、服のリサイクル活動「GREEN CYCLE(グリーンサイクル)」を2009年に始め、メーカーやブランド、質や状態にかかわらず、服を回収し、新たな製品の原料にリサイクルする。

corp.goldwin.co.jp

 ゴールドウィンによれば、2020年度は、全国の直営店131店舗で服の回収を実施し、回収重量3,855.7キログラムになったという。 二酸化炭素の発生量に換算すると28,994.9kg、杉の木2,071本が1年間に吸収する二酸化炭素量に相当するそうだ。 

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(写真:ゴールドウィン

 そのゴールドウィンが、2030年までに達成するサステナビリティの長期ビジョンを発表した。

 WWD Japanによれば、実需型ビジネスによる生産量の抑制やカスタムオーダーの拡大、リペア・リサイクル事業の強化などで、製品と材料の廃棄ゼロを目指すそうだ。また、環境に配慮した素材を使う割合も、現在の28%から90%に引き上げる。

www.wwdjapan.com

 そればかりでなく、本社や直営店、事業所ではカーボンニュートラルを目指し、再生可能エネルギーへの転換や自社でのエコ発電などを活用するそうだ。

 こうした活動は企業のエゴで、「サスティナビリティ」とは異なるものだろうか。

 

 

この先、Z世代が消費の中心になり、いずれに彼らも社会の一員として、企業活動を通して環境問題に立ち向かうことになるのだろう。

www.huffingtonpost.jp

 批判することは必要だが、それは現実とは異なるのかもしれない。今まではとは違い、企業の一員として、実際に自分たちの手で未来を創るという行動を始めるとき、これまでとは違う困難さを知ることになるのかもしれない。

「企業とは?」「仕事とは?」「サスティナビリティとは?」、そんなことで試行錯誤するようになるのかもしれない。それでも、彼らが創る未来に期待してみたい。

  

dsupplying.hatenablog.com

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「参考文書」

corp.goldwin.co.jp