第42回地球温暖化対策推進本部が10月30日、首相官邸で開催された。
「2050年カーボンニュートラルへの挑戦は、日本の新たな成長戦略です。この挑戦を産業構造や経済社会の発展につなげ、経済と環境の好循環を生み出していきたいと思います」
と首相がその会議の場で述べたという。
首相は発言の中で、梶山経済産業相には、成長戦略策定の中心となって、世界市場獲得の可能性のあるエネルギー・産業分野の変革という大きな課題を背負って欲しいといい、小泉環境相には、新たな地域の創造や国民のライフスタイルの転換、カーボンニュートラルへの需要を創出する経済社会の変革、国際的な発信に期待を示したという。
また各閣僚には、それぞれの所掌分野における脱炭素化の推進と実装を求め、外交でも世界をリードするようにと指示したようだ。
そして最後は、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、パリ協定に基づく長期戦略の見直しを加速するという言葉で締めくくったという。
その小泉環境相に26日、日本経済新聞がインタビューし、記事を起こす。
歴史的転換点 新たな成長戦略の始まり
「(自分の)働きかけが首相の決断という形で実って素直にうれしい。成長戦略の柱として脱炭素社会への移行を掲げるのは歴史的な転換点だ」と小泉環境相と述べたと日本経済新聞が伝える。
「脱炭素社会への移行は無関係な人はいない。
「カーボンニュートラル」「ゼロエミッション」がグローバルスタンダードになり、多国籍企業の多くがスコープ3でのGHG排出抑制に動く。
スコープ3では、自らの事業活動だけによる排出ではなく、サプライチェーン全体での排出が対象になる。そういう意味では無関係でいられる人ないなくなるということなのかもしれない。
COP26に向けて
「50年までのカーボンニュートラル」の表明にあわせ、これまで掲げていた「30年度までに13年度比で排出量26%削減」の目標も見直すという。
来年11月に英国グラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)までに削減目標を再設定すると、小泉氏は表明したそうだ。
EVと防災拠点
「物流や配送の分野での(EV)導入を支援したい」と小泉環境相が述べたという。
物流企業などを念頭に、バッテリー交換式の二輪車や四輪車を購入したときの補助を拡充すると説明する。コンビニなど店舗への配送拠点がバッテリーの充電と交換拠点になれば、地域の防災拠点としても活用できるという。コンビニの配送拠点であれば、生活物質も在庫されている。
EVは運転しなくても蓄電池としての役割を果たす。小泉氏は「EVは『動く蓄電池』だ。社会インフラとして後押しする」と説明した。普及のため、災害時は緊急電源に使えると訴えていく。 (出所:日本経済新聞)
デジタルを活かす時
デジタル化が重要視されていたのが今までの成長戦略だった。総花的で焦点がぼけていたように感じていた。成長戦略で何の問題を解決し、どんな社会を目指すのかがいまいちはっきりしなかった。手段でしかありえないデジタル化から考えれば、何に活用できるかという発想になりがちだったのだろう。
理非曲直
地球温暖化を防止し、そのためにライフスタイルを転換していくという大きな目的ができれば、必然デジタルの力を活かすことができるだろうし、それで問題解決が進めば、イノベーションが萌芽しやくするのではなかろうか。
脱プラに挑戦するスタートアップがもっと活気づくといいのかもしれない。
海洋プラスチックスを回収する「The Ocean Cleanup(オーシャン・クリーンアップ)」が、海から回収したプラごみからサングラスを作り販売を始めたようだ。
オーシャンクリーンアップの活動にマイクロソフトが協力する。海から回収したごみの選別に画像解析技術とAIを活用しているという。
(写真:The Ocean Cleanup)
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