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日銀の物価目標に反して、値上げしないことは悪いことなのだろうか

 

 イオンの総合スーパー事業が、2013年度以来始めて黒字化したそうです。値上げラッシュが続く中、プライベートブランドトップバリュ」の食用油やマヨネーズなどでシェアを拡大したといいます。

イオンの3―5月期は最高益、GMSが9年ぶり黒字化 食品も堅調 | ロイター

 価格を維持したことが功を奏し、消費者の生活防衛意識が高まる中で、堅調な売り上げを維持したといいます。

トップバリュの食料品・日用品約5000品目のうちマヨネーズやティッシュなど3品目を7月から値上げすることを決めたが「値上げ商品は限定的で、今後も売り上げは維持していける」と予想する。大量生産、大量仕入れで包材を安価なものに変えるなどして、大部分の商品は今後も価格を据え置くという。(出所:ロイター)

 

 

 政府・日銀は値上げを容認し、適正な物価上昇を目指しています。しかし、こうした状況を鑑みれば、目標の設定に無理があるのかもしれません。それでも目標にこだわるようであれば、この状況下、弊害の方が顕在化するのではないでしょうか。

日銀黒田総裁と市場の衝突激化へ-世界的金利上昇も超低金利堅持 - Bloomberg

 物価目標を堅持し、金融緩和政策を続ける日銀に対し、一部投資家たちが国債を売って対抗しているといいます。また、円安基調に変化はないとの読みで、円売りを強め、140円、150円まで円安が進むという予測もあるといいます。

 ただいずれ米国はリセッション景気後退に突入する、そうなれば、いくぶん円が買い戻され、年末までに130円との予測もあるといいます。年初の110円台というレベルに戻りそうにはありません。メーカや小売りにとっては厳しい状況が続きそうです。

 回転寿司のくら寿司が8日から、1皿220円のすしを提供するといいます。これまで価格を据え置いてきたそうですが、競合が値上げに踏み切る中、高価格帯の商品を投入して、客単価の増加を狙うそうです。

くら寿司「220円皿」強化 110円は縮小、売り上げ増狙う:時事ドットコム

 これにより、回転ずしの代名詞110円のメニュー数は6割程度に減少するそうです。こうした実質的な値上げは受けられていくのでしょうか。

 

 

 この状況下、100円ショップが如何に対応しているのか、日経Xトレンドが大手4社の用品12品目の内容量を調査、8年前と比較しています。

100均48商品を8年前と比較調査 綿棒は増量、つまようじは異変?:日経クロストレンド

 同類商品の単純な数量比較だが、全体的な変化は、16商品が増量、10商品で減量。意外にも増量しているものが多いといいます。

原材料高騰の影響を受けている印象だったのが、ポリエチレン製やアルミ製の日用品だ。2社で減量していたのが「約13年ぶりの高値」を示したアルミを使った弁当用のアルミカップダイソーは14年調査と同じ216枚をキープしたが、キャンドゥ、ワッツは162枚に減量し、セリアに並んだ。実際に使ってみるとどれも極薄だった。

また、使い捨てのポリ手袋は、セリア、キャンドゥ、ワッツの3社とも50枚増になったが、4社とも前回調査時よりかなり薄手になっている印象を受けた。(出所:日経Xトレンド)

 価格を維持し、安価に品物を提供しようとする涙ぐましい努力ということでしょうか。それとも、それはビジネスとしてあって当たり前のことなのでしょうか。

 こうした動きはこれまでの日本企業と同じなのかもしれません。ただダイソーは、より高額な300円商品を投入し、また、海外にも販路を求めているといいます。それだけでなく、これまで海外で生産されていた商品を国内生産に切り替えることも検討するといいます。「商品によっては輸送コストや為替に左右されない国内で作ったほうが安くなるものもある」といいます。ダイソーにおける海外生産品は約7割占めているそうです。

 

 

 どんな事情はあれ、世界同時にインフレが進み、円安となっています。ダイソーの対応が、この時代に適合しているのではないでしょうか。そして、それは日本が元来持っていた強みなのではないでしょうか。