Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

危機を感じる夏、民主主義、安全保障、そして、広島

 

 広島に原爆を投下されて77年経過しました。核軍縮核廃絶を今年ほど意識する年はないのかもしません。核の脅威が身近に迫ってきていると感じます。

 原爆投下を命じたトルーマン米大統領の孫のクリフトン・トルーマン・ダニエル氏がJIJI.comのインタビューに応じ、核廃絶を願う変わらぬ思いを語っています。

「被爆体験、核に強力な武器」 式典出席後10年、トルーマン孫:時事ドットコム

日本で軍備強化を望む人々が存在することに理解を示しつつも「こうした(軍拡の)動きを望まない高齢の被爆者が体験談を語り続けている」現状に着目。核のない世界に向け、被爆体験の発信が「日本が果たせる役割なのではないか」との認識を示した。(出所:JIJI.com)

 ダニエル氏は、広島と長崎を訪問したことで原爆投下の歴史に対する自身の見解が変わり、『進化』したといっています。「自国の歴史だけを聞き続けると、成長することはなく、他国の人々と良い関係を築けない」と述べ、視野を広げる必要性を訴えたそうです。それが今の世界とも指摘したといいます。

 

 

 驚くまでに様々な矛盾が噴出しています。反社をうかがわせる特定団体と政治の癒着などもその一例なのでしょう。民主主義が弱体化しているようにも感じます。

 一強政治が長く続いたことの悪影響なのでしょうか。日本では政治不信が「選挙に行かない」という形で現れ、低い投票率になるといいます。しかし、それがかえって、現状を変えたくない為政者には好都合だったといいます。

岸本聡子・杉並区長に聞いた 「政策を見てもらう機会を積極的につくるのが政治家の使命」【動画】:東京新聞 TOKYO Web

「戦後からほぼ同じ政党が国を統治するようになり、時代に応じたアップデートができていない」と、杉並区の岸本新区長が指摘します。

「議論しない」という政治文化も理解できません。候補者は演説やチラシ配りだけでなく、積極的に公開討論会に出て政策を語り、質疑を通して自身の強み・弱みを見てもらうべきです。「有権者は政策を見ていない」という考え方はおごり。政策を見てもらう機会を積極的につくるのが、政治に関わる者の使命です。(出所:東京新聞

 岸本区長は、政権交代がない国というのは珍しいということと指摘し、欧州では、中道左派中道右派政権交代を繰り返す傾向があるといいます。両者は「選挙で国民に審査される」という意識が強く、選挙に向けて政策を磨きをかけるそうです。党が、時代の要請を政策に反映し、時代とともに変わるというプロセスがあるといいます。政策ごとに考え方の違いがあっても、ジェンダーや気候変動など、若者らが重視する新しい課題に応えなければいけないという緊張感は共通しているそうです。 

 

 

 この夏も激甚化する異常気象を目の当たりにしています。一方で、ウクライナ危機に直面し、いまだ化石燃料に依存するエネルギー構造が露呈、その上電力危機も指摘され、気候変動対策もまるで進んでいないことが顕在化しました。輸送も同様で、EVシフトは進展せず、燃料は石油に依存したままです。

 SDGsを標榜し、ESGに勤しんできたことと相容れないことではないでしょうか。これまでは政治主導によるところが多かったのかもしれませんが、変わらない古い政治の限界なのでしょう。そんなことを強く感じる夏です。国民が主権者意識を取り戻すときなのかもしれません。 

 

 

 先日までカンボジアで開催されていたASEAN 東南アジア諸国連合の外相会議で、林外相が演説していた間、中国の王毅外相とロシアのラブロフ外相が離席したといいます。また、予定されていた日中外相会談はキャンセルになりました。

日本は中国との対話に「常にオープン」、関係緊張下でも=林外相 | ロイター

 米国のペロシ下院議長が台湾を訪問し、中国が台湾周辺で軍事演習を活発化させ、日本は中国を非難しました。これに強く中国が反発したことの現れのようです。

「このように状況が緊迫しているときこそ、うまくコミュニケーションをとることが重要だ。日本は中国との対話に常にオープンだ」と、林外相が述べたといいます。

 アピールばかりでよいのでしょうか。このまま安全保障を託していいのかと少々危機感を覚えます。