「足元の円安に歯止めをかけるために財務省は直接介入も辞さない構えを示しましたが、安定的な成長と物価上昇を目指す中で日本のちぐはぐな政策がさらなる円安をもたらす可能性がある」とブルームバーグが指摘しています。
ちぐはぐな日本の政策スタンス、介入示唆でもくすぶる円安進行懸念 - Bloomberg
鈴木俊一財務相は為替介入を示唆する一方で、日本銀行は円安圧力を強めることにつながる国債買い入れ増額を実施しているといいます。また、岸田首相は「足元の円安メリットを生かした国内企業への回帰や供給力強化といった、日本の稼ぐ能力を高める取り組みが重要」との認識を示し、鈴木財務相との発言にはずれがあるといいます。
こうした矛盾は円の弱気派に対し、変動が急激でない限り円安は容認され、円売りスタンスをまだ継続できることを示唆しているようだ。(出所:ブルームバーグ)
矛盾を感じるようなことはこの他にも多々あるのではないでしょうか。
脱炭素政策もまた然りなのかもしれない。国が何をしたいのかが伝わってきません。国民生活を守るという意識が欠けていないでしょうか。
脱炭素で失われる産業、労働者らの生活どうする 気候変動×雇用 「公正な移行」とは:東京新聞 TOKYO Web
深刻な猛暑や水害を招く地球温暖化を抑えるには、ガソリンや石炭などに大きく頼る社会の仕組みを変える必要がある。化石燃料関連を中心に失われる産業も出てくる。心配なのが、そうした産業で働く人らの生活だ。労働者一人一人への悪影響を抑えつつ転換を図る「公正な移行」が重要だが、日本では具体的な動きが乏しい。(出所:東京新聞)
米アウトドア用品のパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード氏が、保有するパタゴニアの全株式を手放す考えを明らかにしたそうです。
パタゴニア創業者「気候変動対策の加速目指し」全株式を委託・譲渡。年100億円超の配当金は環境団体の資金源に | Business Insider Japan
株式は、新設された「パタゴニア・パーパス・トラスト」と非営利環境団体「ホールドファスト・コレクティブ」にそれぞれ委託、譲渡されるそうです。ホールドファスト・コレクティブはパタゴニアの98%とすべての無決議権株式を保有し、パーパス・トラストは残り2%とすべての議決権付株式を保有するといいます。
Business Insiderによると、シュイナード氏が株式公開IPOを避けたのは、「自然から価値あるものを収奪して投資家の富に変えるのではなく、パタゴニアが生み出す富をすべての富の源を守るために使用する」ためといいます。
この先、パタゴニア株による配当金は、ホールドファスト・コレクティブに分配され、環境保護活動に使われることになるそうです。
「少数の富裕層と大勢の貧しい人々という構図に帰結しない、新たな形の資本主義(の形成)に影響をもたらす」ことを期待するとともに、今後「地球を救うために積極的に活動している人たちに対して最大限の資金を提供していく。(出所:Business Insider)
「正しい行いをしながら生活に十分な資金が稼げるならば、顧客や他のビジネスにも影響を与えられるし、そうしている間にこの仕組みも変えられるだろう」とも表明しているそうです。
強い信念のようなものを感じます。利己的で自己中心的な生き方から脱却すれば、共感を呼び、それがやがて新たな秩序の形成へと育まれていくのかもしれません。
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国はパタゴニアとは真逆な道を歩もうとしてはいないでしょうか。みなが快く協力に応じるような行動をとりさえすればいいのに、そうではないことを好んで選択して不調和を招いてはいないでしょうか。