Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【地球を守る】着実に進むアップルの環境対応、見えないところで始まる新たな挑戦

 

 米Appleが今年もまた新しいiPhoneの販売を始めました。新しい機能に新しいデバイスの採用などでさらに進化して、その人気に翳りがないようです。 

 Forbesによれば、米国でもiPhoneのシェアがAndoridスマートフォンを上回ったといいます。世界各国で行っている、Androidからの乗り換え促進策も功を奏しているといいます。2020年に発売した初の5GモデルiPhone 12も値下げし、引き続き販売を続けているそうです。選択肢を増えることは顧客にとってはよりよい便益のひとつなのかもしれません。

 なぜにこうもアップルは人を惹きつけるのでしょうか。その理由をあげればきりがないのでしょう。マーケターがよくいう「顧客に忠誠を誓わせる」という文言から無縁な姿勢がかえってiPhoneのシェア拡大につながるのでしょうか。

 

 

 Forbesによると、iPhone 14の発売に先駆けて配信された「iOS 16」では、「Clean Energy Charging」という新機能が米国で追加されたそうです。

「アップルで最もクリエイティブ」新iPhoneで女性化学者が仕掛ける脱炭素への一手 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

この機能は機械学習を駆使し、その人が住んでいる地域において、より環境負荷の少ない電力源が利用できる時間帯に充電することで、iPhoneの充電のための温室効果ガス排出を低減させる機能だ。(出所:Forbes)

 iOS 13以降、ユーザー一人ひとりの日々の充電のしかたをiPhone自身が学習し、最適なタイミングで充電を完了させる機能が搭載されているといいます。これをベースに拡張させたのが「Clean Energy Charging」のようです。これまでの利用傾向に加え、電力源の環境負荷を充電制御条件に加えたもののようです。

 再エネで充電しながら、100%充電になってもなお電力を注ぎ込んで電池を劣化させることもなく、また充電し続けて電力を浪費する心配もないといいます。

 目をみはるほどの新機能ではないにしても、こうした心配りが顧客を惹きつけて止まないのでしょうか。

(写真:アップル)

世界中で使われるアップル製品で使う電力のカーボンフットプリントをゼロにする

 普通なら目標にしそうにないことも目標にしてしまうのも、今のアップルなのかもしれません。

 世界中に15億台もあるiPhone 1台1台の電力をクリーンエネルギーに変えることは途方もないことであり、そうしたいとの願いがあってもそう容易く実現できるようなものではないといいます。

 

 

 壮大な目標も顧客の協力と行動変容があれば、実現する方向に向かう、アップルはそうした変化のきっかけを作り出すことができると信じているのでしょうか。

今まで夜充電していたが、太陽光エネルギーが潤沢な昼間職場で充電をしたら良いのではないか? そういう行動パターンは可能なのか?(出所:Forbes)

 何よりアップルにはハードウェアとソフトウェアがあり、それらを駆使すればどんなアイデアでも実現する方法がみつけることができる、アップルの環境担当のバイスプレジデントを務めるリサ・ジャクソン氏はそれを知っているのではないかといいます。

 リサ・ジャクソン、オバマ政権の環境保護庁の長官を務めた女性化学者。2013年にクックCEOに、「米国の環境を守るか? 地球を守るか?」と請われアップルに入社したといいます。そして、今自分が取り組んでいる環境が、アップルの中で最もクリエイティブと述べているそうです。

 

 

 9月16日に発売となった「iPhone 14」、その内部構造が劇的に変化しているといいます。

がらりと変わったiPhone 14の内部構造、「修理する権利」を意識か | 日経クロステック(xTECH)

 この内部構造の変化は、「修理する権利」を意識したものだとみられると日経クロステックは指摘します。

21年に米連邦取引委員会(FTC)が「修理する権利」に関する法律の施行を決定した。これに対応するためAppleは、iPhoneの一部機種の交換部品を、22年から個人に販売すると発表している。(出所:日経クロステック)

 法規制にも柔軟に対応し、それがまた製品を長く使うことにつながり、また、アップルが進めるリサイクルをより容易にするのであれば、変更した価値もさらに上がるのでしょう。

 こうしたことにも環境担当の関与があるのでしょうか。環境担当チームと開発チームがどんな形で協業しているのかに興味が沸きます。

 

 

 アップルもまた、営利企業が地球のために役立つことを自ら証明しているように感じます。こうした価値観においては、企業の中の環境担当という位置づけにも変化があるのかもしれません。リサ氏が言う通り、環境を一番クリエイティブな仕事していかなければならないのでしょうか。

 

「参考文書」

iOS 16.1 adds Clean Energy Charging feature - 9to5Mac

iPhoneの「修理する権利」、iFixit CEOが語るアップルとの攻防 | 日経クロステック(xTECH)

環境 - Apple(日本)