Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

サスティナビリティを理解するための要諦とは

 

「サスティナビリティ」に、「DX」、「新規事業」、「オープンイノベーション」、様々なことが企業に求められています。しかし、なかなかうまく実行できないのが実情なのでしょうか。

「.....ビジネスモデルの検討段階で地球環境のことを考える視点は新鮮だった」。

こうした働きかけは、経済界には構造的に「サステナブルでない事業」が多数存在するという、不都合な事実を浮かび上がらせるものでもある。(出所:Forbes)

 パリで開催されたイノベーションとスタートアップに特化したテクノロジー分野のカンファレンス「Viva Technology」に参加したForbes記者がそう述べています。

「最新のiPhoneは持っていない」 アップルの元開発者が語るサステナビリティ | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 さらに、「テック業界と小売業界でトレンドが同じである点は、真剣に受け止めなければならない。環境破壊が待ったなしの状況まで来ている。そのことを意識させられるセッションであった」といいます。

 

 

ペースメーカーを作って真似てみる

 熱狂が起きれば、それに追従するものが現れるのでしょう。冒頭にあげた「サスティナビリティ」などのひとつの事例なのかもしれません。

 それにしても、一から何かを始めようとすると、いきなり挫折が待っているのかもしれません。まず知ることから始めなければなりません。知るとは、自分の無知を知ることで、知らない知識を得ることはたいへん手間がかかります。それなら参考になりそうな誰かの模倣をして、それをペースメーカとして追従していくのはいいのかもしれません。

「学習」とは、学んで習うといいます。また「学び」とは過去を知ることであり、それをまねることになります。「習う」とは、繰り返しやってみて、それを覚え、身につけることをいます。

 こうしてみれば、最初から、まったく新しいものが、発芽することがないことがわかります。新規を得るには、その前段階で知るという行為があって、そこから生じるものなのでしょう。

 

 

 もしも選んだペースメーカーが道を違えたり、ペースダウンするようなことがあれば、躊躇することなく別のペースメーカーを選べばいいのではないでしょうか。

ウエルシア薬局のDXの事例

 ドラッグストア大手のウエルシア薬局のデジタルトランスフォーメーション DXの事例を日経ビジネスが紹介しています。

 ウエルシアでは、週に1回以上程度来店してくれるロイヤルカスタマーが現在約200万人いるそうです。この先の少子化社会を考慮すれば、いかにロイヤルカスタマーを増やしていけるか、それが課題といいます。

ロイヤルカスタマー育成に向けたデータ活用 買い物弱者などの社会課題解決にも貢献 - 日経ビジネス電子版

このロイヤルカスタマー戦略のために同社が重視しているのがデータといいます。「ロイヤルカスタマーが定期的に購入される商品は継続的に仕入れる」、これまで、このような判断は現場の勘や経験に頼ってきましたが、これからはデータに基づいて判断すべきとして、購買行動をきめ細かく分析しているといいます。それが意思決定の質やスピードアップにつながるといいます。

 そのために新たに『ウエルシアメンバー』という会員制度を始めたそうです。

ロイヤルカスタマーを意識した品ぞろえは、既存顧客を保護する、いわば「守り」の施策だが、新しいロイヤルカスタマーを獲得していく「攻め」についても、様々なアイデアを練っているところだ。(出所:日経ビジネス

 

 

 会員制度を始めてそれで終わっていたら、これまでのデジタル化ということなのでしょうか。それにプラスして、社会の課題解決につながることを実行できれば、世に言うデジタルトランスフォーメーションになるのでしょうか。

 ウエルシアは、「日本社会の人口減少は、過疎地域における流通や交通システムの弱体化を招き、買い物弱者の問題を顕在化させようとしている」といいます。そして、ロイヤルカスタマー戦略の一環として、この社会課題の解決に貢献していけるのではないかといいます。

注文を受け付け、販売の処理を行い、商品をお渡しする。基本的なプロセスはシステム化されているわけですから、どこで注文を受け、どうやって商品をお渡しするかは応用次第....、近日中にはデジタル技術を結集した移動販売車もいくつかの町で運行予定です。(出所:日経ビジネス

 アップルのように最初から大胆な計画を立案し実行できる企業もあるでしょうし、まずはできることから始める企業があっていいのかもしれません。基盤を作り、それを応用できるものを広げていく。

 小さな歩みでもいつか大きな変革につながるかもしれません。一歩を踏み出せば、気づきを得る機会もあります。それがまた知ることの始まりになりますし、そこから変革の芽が育っていくのかもしれません。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

「参考文書」

オープンイノベーションを成功に導く7箇条 日本企業に足りない考え方とは?:オープンイノベーションのベストプラクティス(1/2 ページ) - ITmedia NEWS