Up Cycle Circular’s diary

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【食の安全保障】温暖化にも強いのか、超節水農法「モイスカルチャー」で育つ野菜

 

 今年6月下旬から7月上旬にかけての記録的猛暑は、温暖化がなければ、「1200年に1度」しか起こり得ない極めてまれな異常な現象だったという分析結果を気象庁気象研究所などのチームがまとめ、公表したといいます。

今夏の記録的猛暑、温暖化なければ1200年に1度の極めてまれな現象 : 読売新聞オンライン

 読売新聞によると、地球温暖化の影響がない場合に比べ、約240倍起こりやすくなっているといいます。

人為的な温室効果ガス排出がなく、地球温暖化が起きていない気象条件では、日本上空で今年のような猛暑になる確率は0.082%(1200年に1度の頻度)だったのに対し、実際の発生確率は19.8%(5年に1度)にまで高まっていた。

偏西風の蛇行や南米ペルー沖の海水温が低い状態が続くラニーニャ現象が高温の直接の原因だが、温暖化の影響も加わり、より極端な猛暑をもたらしたという。(出所:読売新聞)

 

 

 極めてまれな異常気象が頻発するようになってきているようです。

 昨日、東京都心の寒さは12月上旬並みで、この時期に最高気温が13度台になるのは1934年以来88年ぶりのことだったといいます。

 こうした現状が様々なことに影響することを、改めて思い知らされています。エネルギーのこと、食料のこと、そうしたことがこの先どうなっていくことが関心事になります。それに加え、昨今の国際情勢を鑑みれば、食やエネルギーの安全保障を意識せざるを得ません。

 しかし、こうしたことに政府は鈍感過ぎないでしょうか。原油が値上がりすれば、補助金をばらまき、それが必ずしも効果的に運用されず、巣窟とは言わないまでも不正が蔓延るようになっています。

ガソリンスタンドの20%余 補助金の一部 価格抑制に反映させず | NHK | 原油価格

 対処療法を脱却し、いちはやく根本的な対策に着手していかなければならないのでしょう。優先課題が多々あることは理解するものの、国民生活を守るということからすれば、こうしたことがもっとも優先度が高いはずです。もっと効果的な政策を実行していかなければ、取り返しのつかないことになっていきそうです。

 

 

気候変動は食料安全保障にも脅威となっている。

科学者は異常気象によって農作物の収穫量が減り、2050年には穀物価格は最大23%上昇すると予測する。世界の人口を支える食料システムは維持が難しくなり、紛争の火種となる恐れがある。(出所:ニュースイッチ)

 こうした危機を救うものは、結局、企業の力に頼ざるを得ないのかもしれません。

古代文明の滅亡は食の供給システムの崩壊が原因。土地に左右される農業を続けていると衝突が起きる。土地に依存しない農業を確立したい」と思いを語る沖縄のベンチャー企業「Cultivera(カルティベラ)」が、海上農業を目指しているといいます。

海上農業も…食料危機の克服に技術で挑むスタートアップの正体|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 このベンチャー企業は、この他にも「超節水」の農業に取り組んでいるといいます。この「モイスカルチャー」と呼ばれる農法では、特殊な繊維できた人工培地で野菜を育てるそうです。野菜の根が培地内の湿度を取り込んで成長するといいます。

「植物は土の中だと勘違いし、根で土をつかもうとして湿気中根が出てくる」(出所:ニュースイッチ)

(画像:完熟クラフト苺BERRY(YUJIYA Inc.)

 猛暑で野菜の品質を低下するそうですが、この農法であれば温暖化の影響を抑えて栄養価の高い野菜を生産できるといいます。これまでにイチゴやトマト、ハーブ、ニンジンなどの栽培に成功しているといいます。

 

 

 この農法を推進する「カルティベラ」は三重県多気町で、農業法人ポモナファームも運営、フルーツトマトやミニトマトの他、マイクロリーフ、ハーブ、とうがらしなどを通年生産しているといいます。

ポモナが育てる野菜たち - POMONA FARM ポモナファーム(三重県多気郡多気町)

 また、様々な企業と共同で実証実験も行っているようです。 こうした活動を食の安全保障向上につなげていければいいのかもしれません。

 

「参考文書」

持続可能なスパイスやハーブの調達を目指す 超省資源型栽培の実証実験を開始|エスビー食品株式会社のプレスリリース

クラフト苺生産のBERRYと膜式栽培農法のCULTIVERAが、気候変動時代に環境負荷を抑えながら美味しい苺を生産する「The Good Green Farms」を共同創業。|完熟クラフト苺BERRY(YUJIYA Inc.)のプレスリリース